大根を4時間煮込むと「水と大根の境目」が消える
僕は料理が好きだ。毎食作る。
長く妻とは不仲であった。子どもたちも僕の料理を汚いと嫌った。子供は母の味方をする。子供は巧みに親を操る。もう歳をとって子供ではなくなった。大学に行っていた娘は家から通う得る会社に務めた。そう遠くない将来にここを離れて、もう帰ってこないだろう。息子は遠くの大学に居るがどうなるかわからない。世界に羽ばたいてもらいたい(笑)。
妻が僕の料理を美味しいと言うようになったのはごく最近である。そうすると子供も食べる。長く時間がかかった。人の間にも寛解というものが有る。
今日は午前中から大根をじっくりと煮込み始めた。大事なことは沸騰させないことだ。コトコトとジックにこむのだ。圧力鍋はもう何年も使っていない。あれは味を飛ばしてしまう。手間暇にかなうものはない。
時間が経って半額になったウルイを茹でてマユネーズで食べた。酢味噌より僕はこちらが好きだ。
正月の半値でタコの足が手に入ったので食べ始めたが、もうすぐ無くなる。しかし、正月はどうしてタコや蟹を食うのだろうか、呪術的な意味があるのだろうか?足が八本で末広がリだからだろうか。
焼き鳥で一番うまいのは「皮」だと思う。しかし、いつも行くスーパーでは見事に皮だけが剥がされていて美味しくない。今日、柚子を買ったお店の鶏皮は身が僅かに残っていて美味しそうだったので買ってみた。
勢揃いである。ウキウキする。記念撮影である。
昼に作った揚げ物軍団である。妻はパートでまだ仕事をしているので、いそいそとごちそうを用意する。ヒモの人のようだ。と言うか、そのものズバリである。個人経営の会社の社長などというものは売上がなければニートである。どうにもならなくなったら死なねばならない。
ごちそうである。ゆず味噌がこんなに美味しいとは思わなかった。素材から作るのが大事である。失敗を恐れていたら何も出来ない。
僕の分はないのかと訴える。ないよ。
昨日の蕎麦食いながら夜はふける。ビールやさんのコップ、僕の一番のお気に入である。
世界と自分の境界線が消えていく。
お家が一番。