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リンゴの季節:あの頃、焼きリンゴは豪華な西洋料理であった。
リンゴが歯に当たった時のシャリッという感じがすきでない。30歳の頃から、糖尿病華やかな時期に口内が歯槽膿漏でひどくなった時は、リンゴが恐ろしかった。今は全く歯周病は検出されていない(笑)。
食事のおかげである。
しかし、りんごの食感は好きでない。スライスしてマヨネーズのサラダに入れるのは好きである。リンゴ自身は好きなのだ。
季節には食べたくなるのが不思議である。焼きリンゴを作ることが多い。
小さい頃、母が焼きリンゴを作ってくれたときには驚いた。甘くて素敵な味であった。ホイップクリームを泡立てて乗せた焼きリンゴはレストランのフルコースのデザートのようであった。
確か、自宅に電気のオーブンが来た頃の話である。僕は小学生だった。母は様々な料理を作ってくれれた。和裁の内職で忙しいながら、食事は自宅で作る他なかったので色々と工夫していた。圧力鍋を使い出したのもずいぶん早い頃だった。今でも、最初に買った鍋がある。もはや蓋の部分は捨てられたが肉厚の鍋は小豆を煮るに最適だと重宝したものである。
やがて僕は、銀紙で巻いてオーブンで焼くのは銀紙が敗れるとお話にならないことになるので土鍋やタジン鍋で作るようになった。ホイルの破れ目から甘い汁が皆流れ出すのである。「土鍋リンゴ」を母は喜んで食べてくれた。もう母は自分では料理が作れなくなっていた頃である。
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先日noteの記事を読んでいて、イタリアのお菓子の紹介があったので、全然にてはいないが、真似することにした(笑)。イタリアのマンマの味であろうか。僕はイタリアが大好き。
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赤ワイン(軽く振りかける程度)でトロトロに煮るところから初めて冷ます。砂糖とシナモンを加える。
土鍋で焼きりんごをするときはこのままに詰めて終わりである。汁が多いとコンポートっぽくなるのだが、お菓子らしくない。
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卵と小麦粉を振ってとろみを付ける。このまま天ぷらにしたらどうかともお思った。そう言えば、果物の天ぷらっていうのもありである。バナナチップスとかそこそこに美味しい。小麦粉で美味しさをくるんで加熱するのは嬉しいものだ。
「餃子ー天ぷらーピザ」は律を同じくする調理である。そして家族の笑顔がもれなくついてくる。
昨今のグルテンフリーとか糖質制限というのは「料理」という栄養学を生んだ「親」を殺す。メディカルキャピタリズムと「家庭というシェルター」の崩壊が人生の終わりを「経管栄養・胃瘻・輸液」で管だらけにされて、施設の一室でミイラになるまで生きさせてくれる。年金ATMとして医者は富を引き出して「頑張ったね」とお褒めいただける、僕はピンコロの人生の終わりが良い。
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今回はオーブンで焼いてやることにした。小麦粉は美味しさを受け取って美味しくなる。イカ焼きなども小麦粉につけておくし天ぷらも少しおいてから上げるのが良い。
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20分くらい焼いた所で、バターを乗せた。揚げるような感じしなった。香ばしさが出て嬉しい。
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ひっくり返して砂糖を振ったら高級である。
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ああ、ホイップクリームがあればいいのに。
Sさんに持っていったら、美味しと言ってくれた。何も言わないで食べてもらったのだが驚いてくれた。こういう「お菓子」も毎日の弁当に入っていたら面白みがあるだろう。
一日300食を狙うとしたら、少し手順を考えねばならない(笑)。リンゴが安い時期は嬉しいだろうなあ。
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今日のお裾分けは豚肉のソテー(蒸し焼き風にした)に小アジのマリネ、キャベツとシャブシャブ肉の汁(ホウレンソウを最後に放り込んだのだが気に入ってもらえた)
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僕が80歳になった時に誰かに作ってもらいたい料理を探している。
それは、家族として手間を惜しまずに、見返りを求めず食べてくれる人の喜ぶ姿を見たいから作る料理である。
母が教えてくれた。そしてSさんに今教えられている。
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