膝関節93 膝関節に水が溜まったら抜いたほうがいい?
おはようございます。
大きな膝の怪我はしたことがない塗山正宏です。
今日のテーマは、
膝関節に水が溜まったら抜いたほうがいい?についてです。
「気が付いたら膝に水が溜まっていた」ということを経験した方はいらっしゃるでしょうか?
なんか膝が腫れている気がする。
膝が腫れているせいか、膝に圧迫感があり、膝が曲げられない。
このような症状を感じたことがある人はいると思います。
原因としては、膝関節の中になにかしらの原因で関節内に炎症が起きたことにより、関節液の量が増えるためです。
関節液というのは、関節がスムーズに動くよう、潤滑液の働きをしています。
滑膜(かつまく)によってつくられ、滑液(かつえき)とも呼ばれます。
膝に水が溜まる原因としては、色々あります。
・変形性膝関節症
・関節リウマチ
・化膿性関節炎
・痛風、偽痛風
・膠原病
・骨壊死
・腫瘍性疾患
・半月板損傷
・関節内骨折
などが挙げられます。
実は、元々の原因によって、溜まった関節液の性状が変わります。
・黄色で透明
変形性関節症、半月板損傷、軟骨損傷など
・黄色で濁っている
関節リウマチ、痛風、偽痛風など
・白く濁っている
化膿性膝関節炎など
・血性関節液
半月板損傷、靭帯損傷、関節包損傷など
・油の混じった血性関節液
関節内骨折(膝蓋骨折・脛骨プラトー骨折など)
実際に関節液を注射で抜いてみると、関節液の性状から、関節液が溜まった原因を特定するのに役に立ちます。
そして、「膝の水を抜くと癖になるのでは?」と聞いてくる患者さんが結構います。
はっきり言います。
「膝の水を抜いても癖にはなりませんよ!」
とりあえずもう一度言わせてください。
「膝の水を抜いても癖にはなりませんから!」
声を大にして言わせていただきました笑。
膝の水を抜いてもまたすぐに膝のなかに水が溜まってしまう場合があります。
それは、膝関節のなかにまだ炎症が残っているためです。
炎症が残っているために、また膝関節の中に関節液が溜まってしまうわけです。
炎症が治まるまではどうしても膝の中に関節液が溜まってしまいます。
膝関節のなかの関節液の量を減らすためには、炎症を抑えなければいけないわけです。
膝の水を抜くのは根本的な治療ではありませんから。
というわけで、膝の中に水が溜まって腫れてしまったら、診断の意味も兼ねて一度は抜いたほうがいいでしょう。
その後は、関節液の溜まり具合を見ながら、抜く場合や、抜かない場合があったりします。
はい、その時の膝関節の状態で判断します。
現場からは以上です!
本日のまとめ
膝のなかに水が結構溜まってしまったら、一度は抜いてみましょう。
「スタミナ丼」
なにかと生卵をトッピングしたくなる派の整形外科医の塗山正宏でした。