八木正人

SQUARE ENIX ゲームディレクター&プランナー:DQⅪ S(開発ディレクター)…

八木正人

SQUARE ENIX ゲームディレクター&プランナー:DQⅪ S(開発ディレクター)/DQⅪ(チーフプランナー)/聖剣RoM(ディレクター・シナリオ)/ラスト レムナント(イベントリーダー)……等

マガジン

  • 千年の旅路

    千年の呪いを受けた獣人ラルクが、呪いを解くために様々な次元に旅をするお話。聖剣LOMドラゴンキラー編の続編みたいなものと思っていただければと。拙筆ではありますが、お楽しみいただければ幸いです。

最近の記事

「千年の旅路」復活させました。拙筆なので恥ずかしくはあるのですが……好きだと言ってくださる方々もいらっしゃるようなので。 よろしくお願いします。

    • 千年の旅路:第一章(5)

      牢獄全体を震わすような咆哮が再び響く。 その声を聞いて、茫然自失となっているラルクとクロエ。 ナキリは、声がどこから聞こえてきたのかを探るためか 辺りをゆっくりと見回している。 クロエ 「……どういうことだ。  あの声を聞いてから、私の身体が  いうことをきかん…… ラルク 「馬鹿な……  何故、ティアマットがここに?  あの時、滅びたのではなかったのか? ナキリ、ラルクとクロエの様子に気付き ひとり納得したような表情。 ナキリ 「なるほどね。キミたちは  彼と何か関

      • 千年の旅路:第一章(4)

        不敵な笑みを浮かべたまま、ラルクとクロエを見下ろすナキリ。 ラルク、その笑顔をしばらく見つめた後、眉をひそめて呟く。 ラルク 「ふん……確かに性格の悪そうな顔だ。 ナキリ 「うん? なんだい獣人くん? ラルク 「……何でもない。 そう言うと、ラルクはクロエを抱えたまま立ち上がる。 クロエ、ハッとしてラルクの腕を振りほどき、床へと降り立つ。 慌てて手を差し伸べるラルク。 ラルク 「おい、クロエ、傷は……? クロエ、かぶりを振る。 クロエ 「……問題ない。気にするな

        • 千年の旅路:第一章(3)

          牢獄内の広い部屋で、ふたつの影がぶつかり合う。 ひとつは、獣人ラルク。 もうひとつは、ラルクのかつての呪われし姿……鉄巨人ラルク。 ラルクの歪んだ心根が生み落とした、忌まわしき怪物である。 まるで馬のような力強い四脚を持つその怪物は 巨体に似合わない速度で、縦横無尽に部屋の中を飛び回る。 さらに禍々しい鎧に包まれた剛腕から繰り出される攻撃は 下手な受け方をすれば、肉と骨が砕け散るほどの破壊力を持っていた。 大昔の戦争にて、いくつもの砦を唯ひとりで陥落させ 「砦落とし」と

        「千年の旅路」復活させました。拙筆なので恥ずかしくはあるのですが……好きだと言ってくださる方々もいらっしゃるようなので。 よろしくお願いします。

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        • 千年の旅路
          5本

        記事

          千年の旅路:第一章(2)

          森の中を歩くラルクとクロエ。 ふたりの間で会話が交わされることもなく、黙々と歩き続ける。 ラルク、道が分からないので歩きづらそうな様子。 対してクロエ、迷うことなく楽々と進んでいく。 元々寂しがり屋のラルク、長時間の沈黙に耐えられず 幾度かクロエに話しかけようとするが いまひとつタイミングが合わず 口を少しパクパクするだけで、すぐに噤んでしまう。 それを何となく悟っているクロエ、面倒そうにラルクに話しかける。 もちろん顔は前を向いたままで。 クロエ 「何か用か? 自

          千年の旅路:第一章(2)

          千年の旅路:第一章(1)

          暗闇をひとりの獣人―名をラルクという―が歩いていた。 ラルク 「千年の呪いがどういうものなのか。  愚かな俺にはわかりようもない。  だが、以前わずかな間だけ会えた  我が姉、シエラによると  俺は今後、様々な次元において  贖罪の旅と闘いを強いられるのだそうだ。  様々な次元での闘い……  いいだろう。  それでこの身の呪いが解けるのであれば。  闘って、闘って、闘い続けるだけだ。  しかし…… 突如として暗闇が晴れる。 ラルクはいつの間にか森の中にいた。 そ

          千年の旅路:第一章(1)

          とりあえずnoteのアカウント作ってみました。何を書くかは全く未定ですが。企画のアイデアとか、シナリオのネタとか、会社に迷惑が掛からない程度にやるかもです。

          とりあえずnoteのアカウント作ってみました。何を書くかは全く未定ですが。企画のアイデアとか、シナリオのネタとか、会社に迷惑が掛からない程度にやるかもです。