「飛べる可能性」を発見して、最初に飛んだ「ファースト始祖鳥」になりたい。
何年か前に、「羽毛恐竜」という分類があることを知った。
進化の中で、恐竜の一種が、腕や尾に羽毛をまとい始めたのだ。中生代 ジュラ紀後期のアウロルニスは、図のような身体をしていたらしい。
このバランスでは、どう考えても飛ぶことはできない。アウロルニスの「翼」は、飛ぶためのものではない。
進化の過程で、長い時間をかけて、羽毛恐竜の翼は、少しずつ、少しずつ大きくなり、身体の形は、だんだんと現在の鳥に近づいてきた。
恐竜と鳥との中間の存在であるアーケオプテリクスは、「始祖鳥」と呼ばれている。始祖鳥は、短い間なら飛ぶことができたと考えられている。
大学院の恩師が言っていた言葉をずっと覚えている。
「始祖鳥は、飛ぶ能力を獲得してから、実際に飛ぶまでに何億年もかかったのだよ。」
羽毛恐竜にとっては、「翼」は、飛ぶためのものではなかった。「翼」が大きくなってきたとしても、それは、相変わらず飛ぶためのものではなかっただろう。
だから、飛ぶ能力を獲得したから飛んだのではなく、自分が「飛べる可能性」を持つことに気づいたから飛んだのだ。
最初に飛んだ「始祖鳥」には、どんな光景が見えただろうか?
いつの間にか「飛べるのに飛ばない始祖鳥」になっている
テクノロジーの発展によって、いつの間にか、気づかないうちに、様々な可能性が広がっている。
始祖鳥に「飛べる」という可能性がいつの間にか生まれていたのと同じように。
可能性は、誰かが気づいて試したときに、現実化する。
最初に飛んだ始祖鳥の前に、飛びそこなった羽毛恐竜や始祖鳥も、きっといただろう。
可能性が広がる前に、可能性に気づいて、想いを馳せた奴らだ。
まだ飛べないけれど、このままいけば、いつか飛べるはずだと気づいた奴らだ。
僕は、そういう奴らが好きだ。自分も、そうなりたいと思っている。
自分がどんな可能性を持っているのか、ほとんどの場合、僕も含めて、きっと気づいていないのだろう。
油断はできないのだ。あらゆる可能性は、いつの間にか広がっているのだから。
翼を持っていたとしても、「飛ぶ」ことを思い描き、空に身を投げ出さなければ飛ぶことはできない。
現実は、すごい勢いで変化している。
不可能は、気づかないうちに可能になっている。
いつの間にか、飛べるのに飛ばない「始祖鳥」になっている。
そのことに気づいて、落下して骨折をすることを恐れずに、思いっきり飛んでみたい。
飛ぶぞ!
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