社会を良くするプラットフォームとはどのようなものか?
社会活動をしていると、たくさんの「よい活動をしている人」たちと出会います。
個別に活動するのではなく、連携してコレクティブインパクトを生み出すためにはどうしたらよいだろうか?と考えて、プラットフォームについて考える研究会を半年くらい続けました。
現在の参加メンバーは、平方亜弥子さん、石川英明さん、安在直人さん、そして田原の4名です。第1フェーズでは、村越力さん、田口ランディさん、佐野浩子さんも議論に加わっていました。また、途中、馬場久美子さんが議論に参加しました。
研究会の経緯については、メンバーの一人の石川英明さんがこちらにまとめていますので、ご覧ください。
最初の段階では、「プラットフォーム=Webシステム」のような捉え方をしていたと思います。
しかし、毎週、対話を重ねていくうちに、「プラットフォーム=それぞれの活動を応援し合うネットワーク」のように認識が変化していきました。
最終的にたどり着いた問いは、次のようなものでした。
「社会活動のネットワーク主催者同士が繋がってメタネットワークが作られていくためにはどうしたらよいか?」
プロトタイプとして、研究会メンバーのそれぞれから5名ほど知り合いを誘い、25名ほどで未来フェスを企画しました。
未来フェスとは、決められた時間(たとえば5分)、各自が自分の話したいことを話していくというイベントです。
研究会メンバーの知り合いだから、きっと価値観が近いのだろうという予想があり、お互いの存在への興味関心が高い時間だったと思います。
イベントをきっかけに数名とZoomでミーティングをして、より深く知り合う機会が生まれました。
「ネットワーク主催者のネットワークを作っていく」という方法論は、様々な形に応用が利きます。
オンライン読書会エクスチェンジ
「著者=読者ネットワーク主催者」と捉えると、著者をゲストに迎えた読書会を単発で行うのではなく、相性のよさそうな2冊の本の著者を繋いで、2回読書会を行えば、お互いの読者ネットワークに相互に本を紹介することができ、さらに読者同士が交じり合う機会を作ることができます。
オンラインパネルディスカッション
あるテーマについて複数のコミュニティリーダーに10分ほど語ってもらう動画を作成し、参加者はそれを見てから参加。
自分が属しているコミュニティ以外の考え方に触れることができるのがポイント。
当日は、参加者同士が交じり合って動画の感想を語り合うところから始まって、それを受けてコミュニティリーダーが感想を述べるというライブ空間にする。
プロジェクトが自然発生するための土壌づくり
このようなメタネットワークを作る目的は、様々な社会活動のプロジェクトが自然発生するための土壌づくりです。
オンラインを活用した草の根活動のアップデートと言えるかもしれません。
何をやりたいかは、個々の意志やアイディアによって決まるので、プラットフォームの役割は、個人と個人とが繋がってスパークし、プロジェクトが生まれる機会の提供にあると思います。
スパークの確率を高めるためには、「すでに知り合っていてもおかしくなかった人たち」との出会いを作っていくこと。
そのために「親和性の高いネットワーク同士を混ぜ合わせていく」という方法論が有効だと感じています。
それは、何が起こるかは分からないけれど、何かが起こることを信じて繋がりを増やしていく活動です。そのための考え方や方法論が広がっていけば、カルチャーを共有している生態系が育っていくでしょう。その緩やかに、複雑に、有機的に繋がっているネットワークこそが、社会を良くするプラットフォームなのではないかというのが、半年ほど取り組んできた探究の私の結論です。
今後は、それぞれが自分のプロジェクトに取り組みつつ、月に1度、情報を共有し、年に2回ほど、共同イベントをやっていくことになる予定です。
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