足摺七不思議。ときに、欲望に無自覚でいるとよくないんですよ。不増不滅の手洗鉢
「嫉妬」を受け止めないと「物の怪」になるんですよ。
同じく、「欲望」も受け止めないと「悪霊」になる。
不増不滅の手洗鉢
平安朝の中頃賀登上人とその弟子日円上人が補陀落渡海せんとした時弟子日円上人が先に渡海したので賀登上人は大変悲しみ岩に身を投げ、かけ落ちる涙が不増不滅の水となったと云ふ。
賀登上人の凄いところは、痛くて、苦しい。他者からは、見苦しいと見られるけれども「嫉妬」を受け入れたことです。
これにより、あたりに「物の怪」を生み出すことはしなかった。
上人が生んだ「物の怪」だったら、スターウォーズ「ダースベーダー」レベル以上でしょうね。
さらに賀登上人の凄いところは、欲望を自覚した。
補陀落渡海を自分の目標、大慾と思っていたが、
弟子日円上人が先に渡海した後、大慾が自分を駆り立てて、渡海を繰り返すことはなかった。
「渡海を求めていなかった」。渡海を求めている振る舞いをして、生きる「欲望に無自覚であった自分」を自覚する。
自分が生んだ、引き受けてのない「欲望」が、悪霊となる。
自分は、世の中へ悪霊を放ち続けていたことを自覚した。