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毎週誰かが新曲を発する。

毎週誰かが新曲を発する。ちゃんと良かったり、どこか良くなかったりする。
果たして、作られた物に生命一個体として全身全霊で向き合えているか?と、毎週水曜日に必ず思う。まるで研究者が恐る恐る顕微鏡を覗くように。マウンドのピッチャーがキャッチャーのサインに首を振るように。


およそ一年前に世界を模ったあのアルバム。もう誰もあの曲の話をしなくなった。奪われ続ける心と裏腹に、トップソングという名前の山から滑り落ちていって、まるで代表曲でもないかのように、システムが弾き殺す。みんなの世界はあの頃から、もう大きく変化してしまったのだろうか?


音楽が悪いんだろうか。鑑賞者が悪い?アルゴリズムのせい?時代の歪み?
渦巻くまま。気持ちはどんどんと暗く、ただ日々が過ぎて、さらに音楽は聴かれなくなっていく。だるそうに踊る女の子と、くだらない誰かの名言のコピペと、ハプニング映像が今日もハートマークで湧き立つ。誰も悪くない。きっと音楽も聴かれなくなったりはしていない。


ある時、中学生の頃に聴いた音楽を改めて聴きたいと思いふと再生する。無くなってしまう星や虹の歌。美しいハーモニー。君たちの新しい歌は、きっと世間に馴染めなくて素晴らしい。僕はそれを愛したい。でも愛せない。自分ですらも中途半端に変わってしまった。君たちも少しずつ変わって、順応しようとしている、それがとても好きだ。


作っている曲がある。どうせこれもすぐに聴かれなくなる?1%の確率でもそうじゃなければいいな。(確率って無粋で野暮だね!!)簡単に世界は変わらない。知ってるでしょう?みんな。伝えようとしても、思いのままいても、息苦しいだけだって。

だから好き勝手にやらせてもらう。酸欠になるまで歌う。最後の一文字まで精査して、バカみたいな労力と変態的なこだわりでもって作り切る。苦しみ切って、それを幸せだと笑う。
「苦しむことも幸せなんじゃない?」

あと40年それをやり続ければ、その時に残るものが何もなくても、それでいい気がする。

2024.05.07深夜
〜05.09改稿

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