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『美しき免疫の力 動的システムを解き明かす』を読んで:免疫の驚異と歴史
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今この瞬間も、私たちの体内で繰り広げられている免疫機能について詳述した本書『美しき免疫の力 動的システムを解き明かす』。ウイルスに対して人体がどのように免疫の仕組みで守られているか、そしてそのメカニズムを発見した科学者たちの歴史が語られています。
特に印象に残ったのは、1989年1月にジェンウェーが発見した免疫システムについての一文です。
『それまでは、「過去に体内に存在したことのないものに対して反応する」のが、免疫システムの存在意義だとされていた。それに対してジェンウェーは、「免疫システムは、過去に体内に存在したことがなく、かつ病原体由来のものに対して反応する」はずだと主張したのだ。』
この概念が今では当然のように受け入れられていますが、その発見がわずか30年前であることに驚きました。ジェンウェーの発見は、病原体や感染細胞に対して「決まった形状の」受容体を持つ「自然免疫」の存在を示しています。
本書では、人体の免疫システムがどれほど複雑で強力な防御機能を持っているかが詳しく説明されています。約95%の防御反応は、この「自然免疫」によって守られているとのことです。
人体の免疫システムは、生まれながらにして備わっている複雑な防御の仕組みであり、ウイルス感染から私たちを守っていることに感動を覚えました。
『美しき免疫の力 動的システムを解き明かす』