日本人よ、眠りなさい
日本人にとって、仕事や健康のための最善の改善策は「睡眠を取る」ことだ。
経済協力開発機構(OECD)の調査によれば、日本の平均睡眠時間は先進三十三カ国中で最低レベルであり、日本の社会人は世界的にも驚くほど短い睡眠で働いている実態がある。その背景には、睡眠時間を削って仕事や勉強をすることが美徳とされた風潮が、今もなお残っているのではないか。
しかし、睡眠不足は認知機能の低下やミスの増加、集中力や判断力の低下を招く。日本の睡眠不足による経済損失は年間約十五兆円とされ、これは東京都の年間予算やスウェーデンの国家予算にも匹敵する金額だ。忙しさの中で睡眠が真っ先に削られる現状は、健康面でも経済面でも見過ごせない問題となっている。
一方で、スポーツ選手の中には十分な睡眠でパフォーマンスを最大化している人もいる。メジャーリーグで活躍する大谷翔平選手は、一日十時間から十二時間の睡眠を確保していると言われる。一流アスリートである彼も忙しい毎日の中でも睡眠を大切にし、日々のトレーニングや試合に備えているのだ。
では、睡眠不足を解消するために具体的に何をすべきか。ここでは私が実践して効果的だと感じる三つの方法を紹介したい。
第一に、就寝一時間前には電子機器(スマホやパソコン)を見ない。ブルーライトが脳を刺激し、眠気を妨げるからだ。また、SNSや動画は時間を浪費しがちなので意識的に避けている。
第二に、寝室の環境を整える。適度な室温、暗い照明、静かな環境を作ることで、自然と眠りにつきやすくなる。自分に合った寝具を使うことも重要だ。
第三に、睡眠時間を一定に保つ。毎日同じ時間に寝起きすることで体内時計を整え、自然な睡眠リズムを作る。特に朝日を浴びることで体内時計がリセットされるため、朝の散歩やジョギングを心がけている。
日本には多くの社会的課題があるが、それを解決・改善していくためには、私たち自身が心身ともに健康であることが必要だ。しっかりと睡眠を取り、日々の仕事や課題に立ち向かうエネルギーを蓄えることが、日本のより良い未来につながるのではないだろうか。
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