二十歳の自分に言ってやりたいこと

将来のことなんて急に言われてもねえ。
でも、その将来ってのはもうすぐそこまで来てる。
スーツを着て、髪の毛を黒く短く整えて、
そんな仲間達をちょっと遠い目で見たりなんかしてさ、
正直乗り遅れたなあなんて思ってるだろ。さては。実は。
音楽を選ぶことを決して逃げ道にしてはいけないよ。
それでも自分で作った曲のことが愛おしいね、良いねって言ってもらえることが、
どうしても楽しいし、何より嬉しいんだよな。わかる。
まあ死ぬ気で頑張れよ。死なないから。
巻き込んだ人たちを絶対に不幸にしてはいけないよ。
本気を出すのは今からでも遅くないから。

自分なんて、って言う言葉はあまり使わない方がいい。
特別な人間になりたいと思いながら、
それでも自分がものすごく普通な人間だと言うことを自覚しているね。
何者になんかなろうとしなくていいよ。
君は君にしかなれないし。
虚勢を張るのもほどほどに。
話を少し盛る癖も止めた方がいい。
背伸びしてると足元すくわれちゃうよ。
まあせいぜい今のうちに沢山失敗して、痛い目を見ておくことだね。
でも誰に不器用だと言われても、一生懸命、誠実であろうとする、
君のことは嫌いじゃないぜ。

随分と、
自分ひとりでは解決できない問題を抱え込んで、
身動きでくなくなってるよね。
もう誰に相談していいのかわからなくなってしまったね。
我慢しすぎてもうよくわからなくなってしまったね。
家族を、仲間を、友達を、もっと頼りな。
ひとりで出来ることなんて、たかが知れてるんだから。
もっと自分のことを、周りのことを信じなさい。

でもね、実はね、
君にはひとつだけ才能があって、
それは最後の最後まで”悩む力”があると言うところだと思う。
自分が、バンドが、大切なものの全てが、
どうしたらいい方向に行くのか、
どうしたら幸せになれるのか、
最後の最後まで必死に考えることが出来る。
それは才能だと思うんだ。使い方を間違えると欠点でもあるんだけどね。
悩んで悩んで悩み抜いた答えは、
きっと後悔が少ないと思うから。
まあ頭でっかちになりすぎるのも良くないけれどね、
その調子で死ぬまで悩むといいと思うよ。

自分ひとりを幸せにするので精一杯。だよね。
わかる。現実は超シビアだし。しんどいことばかりだし。
誰かの不幸の上に誰かの幸せは成り立っているのかも知れない。
それでもここからは、二十歳を迎えた今この瞬間から、
自分プラス1人、
本気で誰かの幸せを願うことが出来たらいいなと思うよ。
綺麗事に聞こえるかな。まあいいじゃん聞いとけよ。今日くらい。
ほら、巡り巡って君の元に帰ってくるかも知れないし。

新成人の皆さんおめでとうございます。
長い独り言に付き合わせてすみません。
どこかでばったり会ったら一杯奢りますので（二杯目以降は応相談で）。