MBAってぶっちゃけどうなの!?通ってみた感想は??
2021年3月26日、2019年4月より通っていた明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科(MBS)を卒業し、念願のMBAホルダーになった。
しかし、一方で「MBAなんて意味ない!」「肩書だけで実践に役立たない!」という意見も多く聞く。そこで、今回は自分がMBAに通って感じたことを想いのままに書いてみる。
そもそもMBAって何?
うん。そうだよね。みんながMBAって言われてすぐにわかる訳ないよね。まずはMBAって何するところかについて簡単に説明する。
MBAとは(グロービス経営大学院より)
MBAとはMaster of BusinessAdministrationの略称。日本語では経営学修士号、または経営管理修士号と呼ばれる学位であり、経営学の大学院修士課程を修了すると授与される。よくMBAは資格(国家資格や業務独占資格等)と混同されるが、MBAは資格ではなく「学位」。
なるほど。MBAとは経営学修士号であり、経営学の大学院修士課程を修了すると得られるようだ。では経営学の大学院とは具体的に何を学ぶのだろうか?筆者が通ったMBSでは主にマネジメント領域、マーケティング領域、アカウンティング領域、ファイナンス・リアルステートメント(不動産)領域、ビジネス・ロー領域の5つの専門領域から履修が可能となっている。(明治大学MBA)
では、どうやって通うのか。主に2つのパターンがある。一つは「昼間型」。大学生のように日中に大学院に通ってMBAを取得する。もう一つは「夜間型」。平日の夜間(19時~22時前後)と土曜日(1日)に通ってMBAを取得する。
MBAに通うための費用は国立であればまだ安いが、私立であれば2年間で300万~500万円くらいかかる。それでも世界のMBAから見たら日本は安い方らしい。※専門実践教育訓練給付金等の補助制度もある。
なぜMBAに通おうと思ったのか?
そもそも筆者がなぜMBAに通おうと思ったのか?その理由は筆者が前職の野村アグリプランニング&アドバイザリー㈱(NAPA)時代に遡る。農林漁業分野の調査・コンサルティングを行う中で、全国の先進農業経営者とのネットワークが広がる中で、その子供達がちょうど同世代が多く意気投合した。
彼(彼女)らはいわゆる次世代経営者であり、レジェンドとも言われる偉大な親を継がなければならない。一方で、子供の頃から「農家・漁師」の子供として過ごしてきたものの、親が「経営者」という感覚を持っていなかった。しかし、この激変する農林漁業分野の中でいつの間にか親が有名な経営者になってしまったのである。
それに驚いたのが子供達である。農業や畜産、漁業を継ぐつもりで大学や専門学校で「生産」の勉強はしていたが、「経営」については学んでいない後継者も多く次世代経営者として不安を抱えていた。そこで、将来的には同世代である筆者が彼(彼女)らの右腕となって経営を支えたいと思い、MBAに通おうと決心したのである。
通って良かったこと①:勉強が楽しい
では、実際通ってみてどうだったのか?まず一つ目が「勉強が楽しい!」ということである。よくこれを言うと「元々勉強が好きだったんでしょ?」という人が多いがホントにそうではない。学びたいことが明確だから勉強が楽しいのである。
自分は大学時代は立教大学経済学部に通っていた。しかし、高校時代の筆者は「医者になりたい!」と言いながら理系から脱落し文転。次は「弁護士になりたい!」と法学部を目指すも挫折。そんな経緯もあり「潰しが効く」と言われた経済学部に。つまり、経済学部に興味すらなかったのである。そんな状態で勉強しても身に着くわけもなく、「大学を卒業すること」が目的となり、簡単な授業でいかに単位を稼ぐかに注力していた。
しかし、MBAでは自分が学びたいことが明確!しかも、筆者はコンサルティング会社に出向し、見よう見まねでマネジメントやマーケティングを始めたので、自分が経験した実践ノウハウを後からアカデミック(学問的)に学ぶことで、より早く・深く理解もできた。その結果、学ぶことが楽しくなり、自分が苦手な分野でも「チャレンジしてみよう!」と科目を履修するようになった。
余談だが、アメリカでは高校卒業後に働いて、やりたいことや学びたいことを見つけてから大学に通うのが当たり前だと聞いたことがある。それはとても理に適っているように感じる。
通って良かったこと②:人脈・視野が広くなる
次に良かったことが「人脈・視野が広くなる」ということである。これには2つの意味の視野がある。一つ目は「異業種」との繋がりによって自分の知らない業界の人と繋がれることである。
会社に在籍すれば、その業界での競合や取引先との繋がりはできる。私も野村證券時代は金融業界、NAPA時代は農林漁業でのネットワークはできたものの、他の業界との繋がりは少なかった。しかし、MBAには様々な業界の人達が集まるので、自分の職業とは接点が全くない人から話を聞くだけで刺激にもなるし、目から鱗のことばかりで視野が広がる。
もう一つが「多様性」という意味での視野である。MBSには大学を出てそのままMBSに通う20代から筆者のような30~40代の中間管理職世代、そして50代まで幅広い世代が通っている。また、留学生枠もあり、海外からの留学生もいた。そのため、授業でグループディスカッションを行うとそれは、ジェネレーションギャップや異国との文化の違いなど、様々な価値観がぶつかり合い、それがまた楽しいのである。
そのため、上下関係や国籍関係なく仲良くなるために筆者が必ず「あだ名」で呼び合うようにしていた。それについて「年上にあだ名で呼ぶのは失礼kだ!」という人もいたが、年齢は違えど大学では同期!いちいち気にしていたら面倒なので「あだ名」で呼ぶようにしており、それは一定の効果があったと思う。※あだ名については本人の了承を得た場合のみで読んで欲しいあだ名も自分で決めてもらっていた。
通って良かったこと③:本気の人が多い
最後に良かったことが、「本気の人が多い」ということである。冒頭に述べたがMBAに通うための費用は決して安くない。よっぽどお金に余裕がある人以外は必死になって勉強する。つまり「本気」の人が多いのである。そのため、授業では積極的に意見を出し合うし、プライベートで話したり飲んだりしても愚痴ではなく建設的な話になることが多い。
これはあくまで持論であるが、働きながらMBAに通おうと思う人は、自分も含めてどう考えても「変わった人(変人)」である。特にMBAのメインターゲットとなる経営管理が必要となる30~40代は、会社でもある程度の役職につき責任も大きくなる中で、さらに仕事後の夜間や土曜に通うのはかなり精神的にも肉体的にもしんどい。
しかし、2年間そんな過酷な環境を一緒に過ごすからこそ、MBAの中で業種や世代、国籍を超えたコミュニティが生まれ、自分自身にも大きな変化が生まれるのだと思う。
結論:MBAに通って損はない!むしろ、良いことだらけ!!
いかがだっただろうか?
自分で実際に通ってみた結果「MBAは通った方が良い!」と自信を持って言える。特に筆者の場合は、MBAの入学と同時に起業するという人生のターニングポイントを2つ同時に迎え、死に物狂いであったことは間違いない。
私のような人は稀だとしても、実際にMBAに通って「お金がもったいなかった!」「時間の無駄だった!」という人は少ないのではないだろうか?
ただ一つ言えるのは「MBAを生かすも殺すも自分次第」ということである。
本文を読んで少しでもMBA、特に明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科に興味を持って貰えたら幸いである(笑)