校閲の仕事を文章化することについて。
【注:この記事は、アメブロへ2023年12月18日に投稿した記事を、筆者本人が内容を変えずに移植したものです。】
こんばんは。
12月は上旬に娘が2人ともインフルエンザになり、そのあと妻、そして私(陽性にはなりませんでしたが、数日間体調最悪だった)と、インフルエンザに振り回されて3分の2が終わってしまいそうです。仕事上でも、家族の看病で急遽在宅勤務にしてもらったりなど、メンバーに迷惑をかけてしまいました。普段の仕事で挽回しなければというところですが…。
さらに、書くことでもありませんが、先週金曜日は退勤後に異常な悪寒を感じ、地元の市の救急センターにタクシーで駆け込む、という初の経験をしました。その一日でおおむね治り、各種検査で陰性だったので原因は不明ですが、もう36歳、若くない。立派な中年なのだなと改めて感じました。ツライ。。
さて、気を取り直して。
Xのほうには書きましたが、青山ブックセンターのイベントに参加します。来年1/15(月)の夜です。ぜひお越しください!
『くらべて、けみして 校閲部の九重さん』刊行記念
こいしゆうか (著者) × 牟田都子 (『文にあたる』) × 甲谷允人 (新潮社校閲部員)トークイベント
「漫画創作秘話&新潮社校閲部ここだけの話」
https://aoyamabc.jp/collections/event/products/kouetsubu-0115
自分でも、自分がどんな話をするのか全く分かっていませんが、楽しい話ができればと思っていますので、よろしくお願いします。
さて、今日は「校閲の話をすることの難しさ」について、ざっとですが書いてみようかと。
最近よく思うのですが、「校閲の仕事においては、〇〇という状況の時は△△することが多い」みたいなあるある話をネット上に書いたとして、じつは同業者の間でも共感が広がるときとそうでないときがあるのだなと。あと単純に、面白い話になるときとそうでないときがあるのだなと。
その理由もはっきりしているのですが、「媒体や内容、環境などによって校閲手法が多岐に亘っているから」なのです。
たとえば、「表記統一は極力しない」という話をしたとしても、それは文芸作品における話であることが多く、約款、カタログの類、もしくは新聞などには実際、細かい表記基準が設けられたりしています。
かといって、いちいち「文芸作品の校閲においては」表記統一は極力しない、というふうに限定した書き方にしたほうがいいのか? というと、いちいちそうするのも面倒だったり。
あるいは、疑問の出し方についても、週刊誌のように多くの人が短い時間で理解しやすいような文章を目指す場合と、純文学のように基本的に原稿のままであることが望ましい場合と(あ、いや全ての媒体において原稿ママのほうがもちろん一番いいんですが)、もしくは約款、カタログなどの場合とでは、やっぱり千差万別なんですよねー。
やることの基本はどんな媒体でも状況でも一緒で「合わせ」「調べ」「素読み」の3つだけなんですが、その3つの詳細、内訳を見ると、本当に時と場合によって多岐に亘りすぎている。これが校閲という仕事の実態だったりするのです。
私自身も、書籍校閲から週刊誌校閲に異動した当初は、疑問の出し方の違いに大きく戸惑いました。1年半を経た今では慣れましたが、数年後に書籍に戻った時にはまた再度戸惑うことでしょう。
求められていることが媒体によって大きく異なるのです。いかに柔軟に対応できるか、というところなのですが、そもそもその「対応」ってどのくらい必要なことなのか、週刊誌全体で統一されているわけでもなく、結局はゲラごとに微調整する必要があったりもします。スピード感についても然り。
以上のことから、校閲のことについて、どの媒体でも当てはまるような話をするのって意外と難しい、と私は感じています。
抽象的な話ならいくらでもできます。しかしそれも、すべての媒体に、職場に当てはまるかはわかりません。
いや、でも、別にすべての媒体に当てはまる話でなくても良いのだとも思います。「自分はこうしている」「自分はこう考えている」で充分なのだと。
イキって「校閲者はこうすべきだ」みたいなことを書くのが僕はいけないのだなあと。
なんか「お笑い芸人は〇〇すべきだ」という話がつまらなくなりがちなのと一緒だなと思いました。
総論ではなく各論、あくまでも自分の細かすぎる話を書いたほうが実は面白いのではないか。私個人に限って言えばそんな気がしました。
また、そこから風呂敷を広げて、「校閲者にしかできない、文学の話」とかも、たぶん他の職業の人からすると面白いのだと思います。それは総論ではないので。
自分の仕事について文章化する時、やっぱりポイントというか、コツみたいなものってあると思うんですよね。少しずつ会得していきたいものです。
…まとまりがいつも以上にありませんが、また書きます。それでは!
追記1.「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」をサブスクで聴きまくってます。18年前の番組です。めちゃくちゃ面白いです。まだ100回分以上聴いてないと思うと、嬉しすぎて身悶えします。
追記2.今年も12/24(日)が勤務で○にたいのですが、M-1グランプリもその日で、敗者復活からじっくりリアタイしたい身としては二重に○に、です。娘のピアノ発表会にも行けません。いろんな賞レースがあるけどM-1だけはとにかくちゃんと真剣に見たいのです。ネットを遮断してTVerで聖夜の深夜にしっかり見届けようと思います。
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