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輸入肉の恐ろしい実態と肉食の環境負荷のこと。

1.肉食は健康に良いのか?

お肉、食べてますか?

「肉食の人ほど元気!」
「お米を食べずに肉を食べることのが健康的」

といった意見が、最近増えましたね。

肉食は健康に良いのか?
ということは、正直難しい問いです。

玄米菜食を提唱する
マクロビオティックでは
「肉はほどほどに食べれば良い」が基本。

ヴィーガンなどは一切の動物性食品を食べません。

一方、ケトン食やmec食、パレオ食など、
ふんだんに肉・卵・チーズ・乳製品をすすめるものもあります。

いったい、どれが健康には良いんだと言いたくなります。笑

学者ではないので
「肉食の是非」を論じようとは思いません。

ただ、個人的な考えは
「肉食はなるべく控え質の良いお肉を少し頂く」
です。

理由としては、

・身土不二の考えからも
お米・お野菜・発酵食品を中心とした
伝統的な和食が日本人には合っている。

・現代の畜産の現状、肉の質がひど過ぎる。

・肉食は地球環境への悪影響があり過ぎる、持続可能でない。

という辺りです。

具体的に書いていきますね。

2.現代の肉の質はひどすぎる

まず、現代の肉の質ですが
かなり酷い状況です。

スーパーで、野菜より安い価格で大量に売られていますよね。

先日、お鍋用に白菜を買おうとしたら
半玉で250円しました。

一方、豚肉が1P198円とかで売られています。

お肉が安すぎるんです。

鶏手羽元など
10本くらい入って
200円とかで売っています。

野菜よりお肉が安いなんて
違和感がありませんか?

そう、安い訳には裏があるんです。

遺伝子組み換えでできる飼料

まず、飼料。
家畜にあげる穀物飼料(大豆やトウモロコシなど)は
99%以上外国産の遺伝子組み換え作物(GMO)です。

そして、人用と違い
大量の農薬・化学肥料が使われています。

より安く、効率的に作るためです。

GMO作物を食べると
がん、肝臓障害、不妊など
様々な悪影響が指摘されています。

日本は蚊帳の外ですが
世界各国では大規模な反GMO運動が展開されています。

実際、繁殖に使うための
母豚・母牛の飼料には GMOトウモロコシは入っていません。
繁殖障害(家畜の不妊症)を起こしてしまうからです。

生産者もGMO作物が危ないことを
経験で知っているんですね。

でも、牛・豚・鶏などの家畜の飼料には
GMO作物は何ら規制が掛かっていません。

「体内で消化されるので問題がない」
とされているためです。

人も牛・豚・鶏も同じ動物です。
当然、食べるもので出来ています。

遺伝子組み換え作物をふんだんに食べて育った動物のお肉が
それを食べる人間に何ら影響がないと思いますか?

薬漬けの状態

また、現在の畜産では
飼料に加えて
抗生物質
ワクチン
が投与されます。

しかも大量に、です。

通常の畜産の環境は
狭い小屋内での密飼い。
糞尿も垂れ流し。

一生、身動きが取れず繋がれっぱなしの状況です。

そういう環境では
ストレスが掛かり
病原菌も繁殖しやすい状況です。

なので、予防として
大量の抗生物質やワクチンを
餌に混ぜて与えます。

ちょっと古いですが
いかに家畜に使われる抗生物質の量が多いかの図。

畜産用で使われている抗生物質は年々増加しており、
2011年では人間用の抗生物質の4倍の量を使用していることがわかります。

画像参照:ThinkProgress

つまり、薬漬けの状態なんです。

肥育ホルモンの恐怖
加えて、アメリカなどの輸入肉には
成長促進のための肥育ホルモン
が投与されています。

肥育ホルモン剤は
より早く、より大きく肥育するために
与えるドーピングのようなもの。

画像参照:畜産動物に投与される ”抗生物質&ホルモン剤” の怖ろしさ!!
モンサント社が1990年代に開発し
アメリカではあっという間に広がりました。

経済効率を上げるために
アメリカ牛の99%に投与されていると言われます。

その量も恐ろしく
「赤身肉部分で米国産牛肉は国産牛肉の600倍、脂肪においては140倍ものホルモン残留が検出された」
(2009年 日本癌治療学会学術集会)
という報告もあります。
(ちなみに、国産牛肉に残留しているホルモンは
牛本来が持っている天然ホルモンと考えられます)

日本国内の食肉への投与は
現段階では認められていません。

しかし、
「肥育ホルモンを投与した食肉の輸入はOK」
とされています。
完全にダブルスタンダートですね。

肥育ホルモンには
エストロゲンというホルモンが主に使われ
その悪影響はあらゆるところで指摘されています。

・半田康医師・藤田博正医師らの研究による「牛肉中のエストロゲン濃度とホルモン依存性がん発生増加の関連」という発表があった。(2009年に開催された日本癌治療学会学術集会)

・EUでは1988年にホルモン剤を家畜に使用することを禁止し、翌年にはアメリカ産牛肉の輸入を禁止。このためにEUとアメリカの間で“牛肉戦争”が起こったが、これは今も続いている。(文春AERA)

そして、やっかいなことに
肥育ホルモンで使用されるエストロゲンは
熱に強く分解されにくい物質です。

ステーキに焼いた程度では分解されず、
消化吸収過程でも代謝されず、
体内に取り込まれていきます。

最近、急激に増えいている「立ち食いステーキ」や「格安焼肉食べ放題チェーン」などは
確実に安い米国産牛肉を使っていることでしょう。

なるべくそういったものを食べずに
安心で信頼できる国産のお肉を
たしなむ程度に食べたいものです。

3.地球環境への負荷

肉食は地球環境への負荷が大きいのも問題です。

原始人に様に、
自分たちで走り回り、
自然に住む動物を狩猟する時代はよかったです。

循環型の社会が完結していました。

でも、今の畜産は違います。

1kgの牛肉を生産するには約1万Lの水が必要です。
小麦1kgの50倍の量と言われます。

牛肉1kgを生産するために
穀物8kgが必要とされています。

ここ40年間で、
南米の40%の熱帯雨林が消えました。

家畜用飼料の栽培のための
大規模プランテーションになったのです。

画像参照:Bluez Planet

畜用飼料の栽培には
生産効率を上げるために
大量の農薬や化学肥料が使われます。

それらは、地下に沁み込み
地下水を汚染します。
川や海へも流れ込み、
海洋汚染を引き起こします。

2017年の世界の飢餓人口は8億2100万人。
9人に1人が飢えに苦しみ
毎日5万人近くが飢餓で亡くなっています。

一方、先進国では飽食のため病気になっています。
成人病や生活習慣病、ガンや原因不明の病気が激増しています。

日本では年間1700万トンの食品廃棄物が排出されています。
そのうち本来食べられるのに廃棄される「食品ロス」は
年間約500~800万トン。(農林水産省食料産業局 2010年度推計)

国際的な食糧援助量は年間約約400万トン。
つまり、その2倍近くの食品が
日本では食べられるのに捨てているのです。

肉食の話からちょっと飛躍してしまいましたが・・・
食べ過ぎている肉を
一人ひとりが少しでも減らせば
社会はだいぶ変わるんじゃないでしょうか?

(過度で無駄な)肉食が減る
→肉の需要が減る(適正な持続可能な需要に落ち着く)
→家畜用の飼料等が人間用の食べ物の栽培になる
→食料飢餓が減る・飽食による病気も減る

また、多くの家畜の飼育環境は悲惨です。

人間優位・経済第一の環境になっており
動物本来の自然の形からはほど遠くなっています。

豚は身動きが一切取れない
密飼いの不衛生な小屋で
一生を終えます。

豚の知能は犬以上って知っていますか?
一般的な養豚環境ははっきり言って
動物虐待のレベルです。

画像参照:肉用に飼育される豚の実態

それも結局は私たちが
安い肉を
大量に求めるため。

安い肉を作るには
畜産生産者さんも効率を上げて
家畜を飼育せざるを得ないんです。

地球環境への悪影響
飢餓問題
動物愛護の観点
から、
僕は肉食至上主義には疑問があります。

環境にも安全にも動物にも配慮された質の良いお肉を
ちょっと高いけど少量を大切に食べれば良いと、
思っています。

4.質の良い本物のお肉の選び方

では、質の良いお肉は
どうやって選べばいいのでしょうか?

まず、飼料。
遺伝子組み換えではない飼料を
食べさせているものを選びましょう。

理想を言えば、
近所の農家さんや自家栽培しているお野菜くず・穀物類を食べさせているところ。

しかも、それらが無農薬・無化学肥料等であれば完璧ですが、
まずそんなところはほとんど見たことがありません。

牛ならば、
グラスフェッドで(穀物ではなく牧草を与えられている)
放牧状態で育ったものがベスト。

が、そういった牛肉は
まさに超高級品。

ハレの日しか食べれません。

でも、本来牛肉とはそういったもの。
現代人は、質の悪いお肉を日ころから食べすぎなんです。

抗生物質・ワクチン・成長ホルモン剤の投与も気を付けたいところ。
そういった化学物質を餌に混ぜたり
安易に投与していないかを確認しましょう。

外国産の家畜には成長ホルモン剤(肥育ホルモン)が
ほとんどの確率で投与されています。

安いからといってなるべく買わないことをお勧めします。

あとは、飼い方。
一般的な密飼いではなく、
広いところで放牧している飼い方が理想です。

豚などは、放牧してやると
走ったり泥んこ遊びをしたりと
本当に元気そうに育ちます。
まさにストレスフリー。

そういう環境で育つとおのずと病気にも掛かりにくくなり
抗生物質やワクチンなどに頼らずに育てることができるんですよね。
人間と同じです。

自然の環境に近いところで大切に飼われ
飼料も安心安全のものを与えらえた牛・豚・鶏肉は
本当においしいです。

噛むほどに味わいが広がり
少量でも大変な満足感があります。

牛や豚は赤身が中心で
良質な脂が適度についており
肉本来の旨味が濃厚です。

良質な赤身肉には、
微量栄養素が豊富に含まれています。

具体的には、
・ビタミンB群
・鉄分
・亜鉛
・その他ミネラル
あたりです。

特に牛肉の赤身肉は
オメガ6とオメガ3のバランスが素晴らしいです(4:1)。

体に良い質の良い油のこと
でも書きましたが、
現代人はオメガ6が過剰な傾向であり、
オメガ3が不足しています。

オメガ3は
アレルギーや炎症を防ぎ
ガン予防やアンチエイジングに効果がある
といわれています。

逆にオメガ6は
炎症やアレルギー、ガン、血栓の原因
となります。
(ただ、オメガ3が良くて、オメガ6が悪い、という訳でなく、
大切なのはバランスです!ここ重要)

オメガ3は青魚、亜麻仁油・えごま油などに豊富に含まれていますが、
良質な牛肉の赤身肉からも摂ることができるんですね。

とはいえ、
放牧のグラスフェッドの牛肉など
普段から食べると家計に大打撃。。。

基本は、青魚、亜麻仁油・えごま油などから
オメガ3は摂ることがおススメです。

5.安心安全な牛・豚・鶏肉の畜産生産者さん

環境にも動物にも人にも配慮された
おすすめの畜産生産者さんを紹介します。

熊本県阿蘇の井さんの赤牛

熊本を代表する放牧牛といえば、
井さんの赤牛。

標高800mに位置する阿蘇郡産山村に牧場はあります。

たくさんの草と、豊かな池山水源の飲み水で育つ井さんの草うし。
抗生物質などの薬剤は一切使用しません。
子牛の頃から雄大な阿蘇の草原の中で育ち、広々とした牛舎で暮らす草うし達は、正にストレスとは無縁。

赤身が主体のお肉は、肉自体のうま味・甘みが強く、どこまでも柔らかい。
そして、食後の胃のもたれが、全くない極上の牛肉です。

熊本県菊池市の武藤さんの走る豚

熊本県菊池市からさらに車で1時間程度行ったところにある「やまあい村」。
山数個分という広大な敷地からなります。

広大な敷地内には、完全平飼いの鶏舎、原木椎茸の栽培場、
畑や田んぼ、果樹園、そして自然の山を生かした養豚場が点在。

広大は豚舎では、豚が放牧され
走ったり、寝転んだり、遊んだり、思い思いに過ごしています。

抗生剤や薬剤にも基本的に頼らない・投与しない方針で飼育。
飼料は非遺伝子組み換えの半自家配合飼料に、
自家製の野菜くずや米くず、さらにご近所からいただく有機野菜などバランスを考えて与えています。

肉質がきめ細かく脂身にも旨みが凝縮されています。


想いや信念を持って畜産をされている生産者さんのお肉は
確かにスーパーで安く売っているお肉に比べれば高いです。

でも、自然にも人にも優しく
何より健康的でおいしいです。

ひとり一人が気付いて、日々の行動を少しだけ変えるだけで
社会はよりよい方向に変わっていくと思います。

この記事をきっかけに、一人でも多くの方が一歩を踏み出してくだされば幸いです!

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