第4回 完全単位制高校の理解
建前
指導のねらい
本校におけるSST活動の実践の目的とその手法、完全単位制高校を謳う本校と全日制高校との違いを理解し、教育活動としての運用方法を考察する。
指導内容
・SST活動の基礎と目的の理解及び実践方法
・完全単位制高校が育むべき生徒像
本音
Goくん
SST活動の目的は、良好な人間関係を築くために必要な活動である。背景としては、コミュニケーションが苦手な子供たちの増加がある。思っていることを言葉にできない生徒も多いのだろう。特に初めての出会いは、生徒にとって不安だらけである。その際、本日の冒頭で行ったじゃんけんで感情を出すゲームは有効だと感じた。お互いをリラックスさせる効果もあるため実践してみたい。
本校のシステムとしてノーチャイムや異年齢との授業は、ソーシャルスキルを育てる武器なのではないだろうか。SSTの活動に加え、普段の学校生活の中で生徒同士が時間を意識し、会話を多くすることで身につく力があると思う。グループワークでは、教職員の意識の再確認ができた。また、これまでの生徒の様子を知ることができ、来週以降の授業などに生かしていきたい。
Sinちゃん
ソーシャルスキルの定義やSST活動についての説明を受けた後、SST活動として「親しい人からの誘いをどのように断るか」、「○○高校のヘンナコト」についての話し合い活動を実践した。
初めは、生徒が上手に話し合い活動することも重要であると感じていた。しかし、実際の活動が必ずしも円滑でなくても、振り返りを行い、生徒が自分自身を見つめ直すことで学びを深めることができると助言をいただいた。成果を急がず、生徒たちが社会参画するときに役立つコミュニケーション能力を伸ばす指導を行っていきたい。
また、本校の特色について先輩の先生方からの話を直接伺うことができ、今後の学校生活のイメージをもつことができた。不安なこともあるが、生徒たちの主体性を尊重し、社会に貢献する人材の育成に当たっていきたい。
私から
現状、本校に入学する生徒は、全日制普通高校を多数派とするなら、それを選択しない、またはできなかった「マイノリティー」に該当するグループという捉え方ができます。彼らは種々の事情により、現時点では他者意識に課題を抱えており、それによって人間関係を構築するための資質・能力が未発達である場合が少なくありません。となると私たちはその資質・能力の伸長にフォーカスして教育実践に取り組む必要があるのですが、「先天的」に人間関係調整能力に困難さを抱える生徒に対しての手法、「後天的」に未発達の生徒に対しての手法は一律ではありません。
少人数教育が可能な本校の特性を活かし、個々の生徒に合った指導法・支援法を検討し、積極的に実践してみましょう。失敗を恐れず、いろいろ試してみてほしい。多くの失敗の中から確立した技術や手法そして何よりその経験は、近い将来、絶対的な強みに昇華させることができるからです。
失敗したら、または失敗する可能性があるなら、そのときこそ周囲の教員に相談し、彼らの経験則をみずからの血肉として取り入れるチャンスと捉えましょう。