新田将貴
『チェンジ ザ ワールド』という長編小説を配信しております。配信予定日時としては、月, 火, 木, 日曜日にお昼12:00を予定しております。 この小説を描こうと思った動機は、現在もそうですが中東やアフリカなどで起こり続けている内戦やテロについて、無関心でいてはならないというものがありました。また、無関心でいなかったとしても、海外で起こる悲惨な戦争やテロに、無力感を覚えることは今も当時もあまり変わっていない気がします。無力感を覚えつつ、なんとかならないのかというそれぞれの思いが複雑に相互作用して、世界を変えていく、チャンジ ザ ワールドな小説です。 小説の舞台は、ちょうど米軍のアフガニスタン撤退直後であり、時期的にもタイムリーかなと思い、配信することにしました。 少々長い小説ですが、マガジンを作成いたしましたので、読んでいただけると幸甚でございます。
京都を原型とした、近未来国家を舞台にした長編SF小説『ライトソング」をkindleとPODでリリースいたしました。 noteのマガジンでも、独占配信いたします。AI、量子力学、意識、宇宙といったハードSFのエッセンスと、自然死しない超絶身体能力の不良少年たち「レイ」が織りなす、破壊力満点のSF叙事詩です! 読んでいただけると幸甚です。新田
パニック障害や複雑性PTSDを乗り越え再生しようとする青年の姿を描いた、自伝的小説です。交通事故やパニック障害・複雑性PTSDの発症、心身の治療描写は事実を描いたノンフィクションです。 【あらすじ】 留学でフロリダに渡ったマサは、突然猛烈な恐怖に見舞われ、制御不能の恐慌状態に陥った。その後の医師の診察でパニック障害と判明する。さらに、12年前に蒸発し、まったくの音信不通だった父親の突然の帰宅を切っ掛けに、幼少期の虐待の記憶が蘇り、複雑性のPTSDを発症する。 しかしどんなに過酷な状況に陥ろうとも、諦めず生きることに希望を見出そうとするマサの再生をドキュメンタリータッチで描き出した長編小説――。筆者の実体験を基にPTSDの治療に有効とされるEMDRの描写は、淡々と展開されるダイアローグが圧巻の迫力を生み出している。
【あらすじ】 元高校野球のスター選手で、今はデリバリーヘルスの店長の成元。夜な夜なバッティングセンターに訪れる。 その強烈なスイングを見込まれてか、店主源田から『イチマンエン』という奇妙な深夜の賭けバッティングを持ち掛けられる。仕様は昼間のゆるい軟式とは打って変わって、時速150キロの硬式球。 野球狂源田が仕掛けた『イチマンエン』の真意とは!?プロ野球が手に掛かりそうなところから一転、男たちの人生は横滑りしてしまった。深夜2時、野球を捨てられない男たちの真剣勝負が幕を切る。
kindle版長編SF小説『ライトソング』ただいま無料配信中です。秋の夜長のお供にどうぞ! --- 京都を原型とした近未来国家が舞台の本著。AI、量子力学などのハードSFのエッセンスと、不良少年という異質ジャンルを見事に融合。「既視感ゼロ」の衝撃的破壊力のSF叙事詩
I think, therefore I am in summer::2, A concept art of cumulonimbus, high detailed, --quality 2 #Midjourney
最近界隈で噂のmidjourneyというAI描画ツールで、Tシャツをデザインしました。印刷するかどうか分かりませんが。。各花をGogh風で描いてもらいました。根がかなり保守的で、流行りをうがって見てしまうので、やらねばという思いで使ってます。 自分の耳を切ったりしながら作風を生み出してきた先人への敬意があたまをもたげて、変な徒労感はあったり、でもAIもコンピューターサイエンスの知の累積だしなとか、色々考えたり。著作権はもちろん犯していないのですが。 ただ、最近PCを替えて
妻と娘が結婚して初めて帰省した。さっきまでわたしも一緒にいたのだが、帰宅の際、縁側の窓から、娘にじっと見つめられて、胸が詰まった。 娘が生まれてから2年半ほど経つが、ひとりのよるは初めてだ。へんな感じだ。
Twitterのプロモーション画像を作りました。おそろしくシリアスな小説もセール対象なわけで、それを歳末のかまぼこ(かまぼこ屋さんごめんなさい)のセールちらしのようにコテコテに仕上げる自分のデザイナとしてのプロ意識は嫌いではありません。まずは購買意欲を刺激しなくては。 お正月休みの読書タイムに、拙著を少しまぜてやってください。画像をクリックすると、amazonにリンクいたします。ぜひ!
スカイビルで上映された79年のブルース・スプリングスティーンのライブをみました。 ロック特有の不穏さや危うさがどこにもなくて、どこまでいっても健全で、最高のエンターテイメントでした。 クラレンスがサックスのためを作るとき、プリンス・フィルダーよりしっかりした体幹にグッと体重が乗るんです。 会場中の何万の観客が一緒にクラレンスとタメをつくって、1音目に、うはぁーって感じで吐き出すようにその音色に酔いしれます。あんな演奏できるひと、あんまいないですよね。 River、死ぬ
お父さんが一番好きみたい。 おにぎりいったん置いといて。 もうお姉さんやから。 娘は2歳にして自在に副詞を操る。生きることに関わるから動詞はもちろん大事で、次に副詞と言うわけだ。 因みにお父さんが一番好きみたい、はわたしと二人のときにしか言わない。小悪魔な素養もあるのか?
シモツマには昔の戦争で、おジィが狙撃兵をして、イギリスの兵隊を何人も殺したということを聞いたと話した。それを聞いて、とりあえず家にじっとしていることが我慢ならなくて、学校へきたんだといった。 「ああいう大きなサイトで、無記名のやり取りじゃなくてさ、もっと開けた、なんていうんだろう、今俺とヨウがこうやって話しているような感覚で話したほうがいいんじゃない? じゃないと、今回来た変な、自己顕示欲だけが強い回答が来ると思うよ」 シモツマの意見はもっともで、ただの掲示板的な姿勢をと
自衛隊が実質的な軍隊に変質する法案が通る数年前に、イラクの非戦闘地域に自衛隊が派遣されたが、偉い人間が、安全な地域と口で勝手にいっただけで、別に安全な地域という保証はどこにもなかった。 でも当時の首相は、自衛隊が赴くということは、その地域は安全なのだというめちゃくちゃな理論を展開して、戦争をしている国に、あっさり自衛隊を送り込んだ。そして今回も憲法改正をしないで、解釈を変えるという、また変な表現で、嘘をついてみせた。 「解釈」、僕はこの言葉が大嫌いだ。言葉が持っている意味
数年前、当時の内閣は自衛隊の派遣先を、安全な地域という限定を取っ払って、武器を携帯して米軍に帯同できるという法案を通した。パキスタンで増加し続けるイスラム過激派を掃討するために、アメリカはアフガニスタンから兵を越境駐留させ始めた。 インドで起こった同時テロ以降印パの関係が悪化したことも越境駐留の理由のひとつだ。アメリカ大統領は各国に軍事応援を求め、日本は戦後初めて戦闘地域に自衛隊を送り込んだ。 アメリカは数年前からの不景気で、同時多発テロ後のように、莫大な軍事費の予算を通
巨星が爆発し、一時的に太陽がふたつになった。スーパー菊武三式は打ち合わせどおり、地球から六〇二光年離れた、通称ミニットマンが超新星爆発を起こしその影響が地球に届きつつあることを発表した。会見を見るまでも無く明け方はまだ金星ほどの大きさだったミニットマンは正午頃には満月並の大きさになり、眩しくすらあった。 テレビ各局は伝手のある天文学者のスケジュールを抑え、急拵えの特集を組んで超新星爆発のメカニズムを極彩色のCG映像を使って説明した。地球への影響は? というキャスターたちの質
久しぶりに燻らせる煙草は旨かった。自分も国の両親や兄弟に電話をするべきだと思った。でもあの強烈な青い閃光を見てしまってから、何を両親に伝えていいのかわからなかった。妙な感覚だが、もし仮に超新星爆発の影響でガンマ線やエックス線の影響に晒されるならば、それも仕方ないのかもしれないと感じていた。宇宙の営みの小さな一部に潔く運命を任せるのも、悪くないだろうと思った。煙草の苦味を味わっていると明石の声が聞こえてきた。 「あっ、かあちゃん、敏幸。うん、わかっとうけん。あんねかあちゃん、
喫煙所のベンチに腰掛けると明石がよれた煙草のケースをユーハンの口元に差し出した。今日は私も吸いたい気分ですと言ってユーハンが一本抜き取り、明石が安物のライターで火をつけた。ああ、おいしいですね。ユーハンは思わず声を漏らした。喫煙所から東の空を窓ごしに望むことができる。すでに夜は白み始めていた。 「今だったら、この方角だよな、ミニットマン」 「はい。黒体放射が始まったら、しばらくは太陽の左下あたりに見えると思います」 「マックスでもさ、一〇個とか、そんなもんじゃん、ニュー
「ちょっと一本吸いに上がっていいかな」地下五階で行われた会議は終わり、明石が天井を指差した。地下施設内は全面禁煙だ。チェーンスモーカーの明石は普段の勤務中は煙草を吸うことはないが、緊張を強いられる場面を采配してきて消耗した。 明石は地上にある喫煙所にユーハンを誘った。ユーハンはチェレンコフ光の猛烈な瞬きに意識を失いかけた。暗い所で激しい光の点滅を見ると誰でも悪心を覚えたり、平衡感覚を失ったりする。ユーハンは一瞬被爆したのかとキモを潰したが線量計は反応していなかった。水中で生
せっかくいいねをたくさん付けていただき始めたので、もう少し適切な自己紹介をしたほうがいいかなと思い、推敲しました。 仕事は個人事業主としてデザイナをしています。Webが主戦場で、ここ数年はリモートデスクトップアプリのプロモーションを手掛けています。クリエイティブディレクションに回ることもありますが、ほとんどの場合カンプやモックアップまで自分で制作しています。コーディングは苦手で外注の方に依頼をしています。 時世的に個人事業主は一種の流行りになっていると思います。わたしの場
やっとのことで施設に辿り着くと、暗闇から青白い光が浮かび上がっていた。まだニュートリノは水に反応し続けている。ユーハンの興奮は最高潮に達した。ユーハンは逸る気持ちを必死で抑えながら、光へ近づき、足元の窓に這いつくばるようにしてガラスのなかを覗き込んだ。眼下には五〇メートルプールを円柱状にしたほどの巨大な水槽内部が広がった。 真っ青な光の海に一瞬にして包まれた。無数の青い光のリングが次々に生み出され、そして消えていく。網膜は無防備にその深遠な青色を受け入れ続けている。時間と空