読み返し読書 『小さなチーム、大きな仕事』
2018年の反省のひとつは、インプットするときの量を求めた分、質を少し疎かにしてしまったこと。特に読書がそうだったなぁと思っています。
“積ん読”が気になるタイプなので、冊数の目標立てて、買った本は見えるとこに置いておいて、自分にプレッシャー与えながら頑張ってぜんぶ読む…ということをやってたのですが、これが半ば義務化してしまい、なかなかツラかった。
量を投入することは大事なことでもあるので、100%悪いことばかりではないものの、読んだ内容を自分の中でちゃんと落とし込めてるか?と言われると、結構疑問もありました。
(読んで記憶に残らない本は忘れてもいいけど、「たぶんこのあたりに読んだ本、どこかに何かいいこと書いてあった…でもどこ…」って後からなるの避けたい。)
読書メーター始めたり、いくつかnoteに読書録をつけてたりもしてましたが、後半は滞り気味。なので、今年は潔く読書の方法を変えることにしました。
2019年の基本ルール
「2冊に1冊は、過去読んだ本から選んで読み直す」
特定のジャンルをいくつか読むと、だいたい書いてある本質的な部分は共通しているので(文芸は除く)、今までに出会った本から学び直しつつ、アウトプットや言語化を鍛える1年にしたいな〜と思います。
いま生活的に時間の制約もあるので、冊数の目標も解除!気になる本はひたすらAmazonのカートの「あとで買う」に放り込む作戦にしました。(視界に入れないのって大事。)
『小さなチーム、大きな仕事』
というわけで2019年、最初に読み返した本がこちらです。
2年ほど前に出会ったんですが、そのときは前職(中規模のレガシー出版社)10年目ということで、ピンとこない部分もありました。今はフリーでいくつかのチームにジョインしてるので、改めて読み直す価値あるか…!ということでチョイス。
いわゆるスタートアップの「リーン・スタートアップ」とも重なる概念もあるものの、改めて読むといくつか新しい発見があったので、その部分だけここで紹介しておきます。
・失敗から学ぶことは過大評価されている
冒頭からこんな「目から鱗」があったのにもかかわらず、覚えてなかったという痛恨…。どこかでやっぱり、失敗してナンボ、という気持ちがあったことは否めません。独立して1年半、いま感じるのは、小さくて細かい成功体験の積み重ねが自分を上に上げてくれるということ。
つい失敗してもいいから…と思いがちですが、やる以上は成功を目指して向き合わないと意味がないという金言だと思います。
進化は常にうまくいったものの上に築かれ、過去の失敗は引きずらない。(p17)
・中途半端な製品ではなく、半分の製品
小さく始めるときに、やりがちだなと自分を振り返っても反省。とりあえず「世の中に問うてみる」際に、“最小の機能であること”と“中途半端であること”は、ともすれば履き違えそうになります。
本当に重要なエッセンスのみにフォーカスしているか否かは常に意識しておきたい。これは記事を執筆したり編集するときも同様ですね。
すばらしいスタートが欲しいのならば、いい素材を見分ければいいのだ(p52)
・やることを減らす
これも痛すぎます。あれこれ考える前に動け、という言葉もありますが、そうして膨れ上がったタスクに身動きが取れなくなりつつあるこの頃。フットワーク軽く動くことは、フットワーク軽く「何かを辞められる」ことでもあるんでしょうね…
物事がうまくいかないと、人はその問題にさらに多くの人、時間、資金を注ぎ込もうとする。だがそうすると問題が大きくなってしまう。(p60)
・邪魔が入る環境では生産性はあがらない
リモートワークを始めて実感しています。むしろ今までオフィスで集中していた自分が信じられない…(もしや集中していなかった?)
少し前ですが、Twitterを始めSNSの通知をぜんぶ切りました。スマホにボタンも出ないようにしてます。Lineは緊急の連絡が来る場合があるのでオンですが、日中そんなに鳴らない。
悩ましいのがSlack。どうしても集中したいときはやはりPCだけオフにして作業しますが、ベースのコミュニケーションツールでもあるので。でも一定時間は切った方がいいんだろうな…と思い始めてます。
あなたの一日は、仕事の中断に包囲されている。(p78)
・競争相手以下のことしかしない
いいサービスにしたい!というとき、他に比べてあれもこれもできます、というのは取りがちな戦略。ここにもアラートが鳴らされます。
上の「やることを減らす」にも近いのですが、相手よりシンプルな課題を、シンプルに解決する。不毛な勝負は、かえってユーザーにとっての価値を下げることもなりかねません。
競合相手を打ち負かすには、なにごとも相手よりも「少なく」しかないのだ。簡単な問題を解決して、競合相手には危険で難しくて扱いにくい問題を残す。(p104)
・プレスリリースはスパム
異論・反論もいろいろとあろうかと思いますが、受け取り手視点の欠けたプレスリリースに溢れている、という指摘はグサグサと刺さります。自分もそういうリリースを出してしまったな…ということも実際あったなぁと。
個人の嗜好が多様化し、ストーリーが重視される時代に、誰に何を届けるかを描くことは極めて重要。たった1本のリリースでも、例外はないと思わないといけません。
意味あることをし、自分を目立たせ、忘れられない存在になる。それこそが最も価値あるニュースにつながる。(p130)
・大げさに反応しない
何か悪いことが起こると当然、再発防止のために施策を打つんですが、過度なルールづけはチームの動きを悪くします。この指摘は実際、いくつか新しいチームづくりに参加する中で、重要だなと思いました。
組織が大きくなるにつれ、歴史を重ねるにつれ、一度決めたルールは廃しづらくなります。(これは前職で体感済み。)性悪説で考えるといくらでもルールは必要になりますが、そのコストが馬鹿にならないものだということはもっと認識されてほしいなと思います。
ただ一人の間違いから規則を作らないことだ。規則とは何度でもあり得る状況を想定してつくるものだ。(p170)
・ひらめきには賞味期限がある
最後まで痛い…。そうなんですよね、アイデアは生もの。そのときにどれだけ反応できるか、周りを巻き込めるかが命だったりします。
一方で、降りてきたアイデアを行動に移すには、自分のリソースを常に残しておく必要があり。パツンパツンで走ると大事なそのときに反応ができません。これは今年中に自分も解決したいところです。
インスパイアされている間は二十四時間で二週間分の仕事ができるものだ。そういう意味ではひらめきはタイムマシンだ。(p175)
以上、簡単ですがアウトプットしてみました。やはり言語化すると定着が違う…!
過去に一度読んでいても、当時とは自分が変わっているので、その変化を楽しめる&発見があるのは振り返り読書のいいところですね。毎回読書録はつけられないかもですが、定期的にnoteでも更新していきたいなと思います。
今週末は、年始から話題になってる『ファクトフルネス』を読む予定。実はもう冒頭ちょっと読んでるんだけど、相当おもしろそうな予感がしてます〜。
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今回は、マガジン『gate, by sentence』へ寄せたnoteです。ライティングを学び合うコミュニティ『sentence』のメンバーが、毎月のテーマ or 自由投稿のかたちで記事を更新しています。
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