友達を招待したくなるサービスとは何かを考えてみた
株式会社Peer Lodge代表のまささいとうです。いいねや視聴回数が見えない音声コミュニティ「Peer Radio(ピアラジオ)」をつくっています。
ピアラジオは、招待制で運営しているコミュニティです。
先日、「ピアラジオは、居心地がよくて誰かに教えたくない自分だけの行きつけのカフェみたい」という言葉をもらって、すごくしっくりきました。
ピアラジオは、匿名かつ自己開示的な内面の投稿が多いサービスのため、本当に親しく1対1で悩み相談をするような友人以外には使っていることを伝えづらい、という性質があると考えています。
ユーザーの方が居心地の良さを感じてくれているのはすごく嬉しいことですが、こういう行きつけの隠れ家カフェのような場所には、なかなか友人を招待しづらそうだとも感じます。
どうしたら、行きつけの隠れ家カフェのようなピアラジオに友人を招待したくなるだろうか。友人を招待したくなるサービスとは何だろうか。
今回はそのあたりについて考えてみました。
招待する相手はサービスによって異なりそう
①親しい友人
②顔見知り程度の知人
③見知らぬ他人
対人関係を大きく3つに分けて考えてみます。誰かを招待するという行為は、①か②の相手を招待するということになります。
行きつけの隠れ家カフェには「①親しい友人」を招待するイメージはありますが「②顔見知り程度の知人」を招待するイメージはありません。
ピアラジオも、これと同様のことが言えそうです。
「恥の逆U字曲線」と呼ばれる、
失態を見られて恥ずかしいという感覚は「①親しい友人」や「③見知らぬ他人」よりも「②顔見知り程度の知人」くらいの相手に対して最も感じる
という理論があります。
自己開示的な内面の投稿は、「①親しい友人」や「③見知らぬ他人」よりも「②顔見知り程度の知人」に聴かれてしまうと、恥ずかしい。
これが、ピアラジオにおいて「②顔見知り程度の知人」の招待が増えない理由だと感じています。
反対に「②顔見知り程度の知人」を紹介しやすいサービスは、ユーザー拡大しやすそうです。
MEEETなどはまさに「②顔見知り程度の知人」の招待を上手く設計していると感じます。
ウィーク・タイズ(弱い絆)という考え方があって、適度に顔を合わせる程度の人間関係の方が有益な情報をもたらしてくれる、というものなのですが、
MEEETなどは、このウィーク・タイズ(弱い絆)の考え方の元で広がっていくサービスと考えられそうです。
親しい友人は何人くらいなのか?
親密度における人間関係の階層については、以下のように言われています。
第0階層:3~5人(危険な時に駆けつける、お金の相談をする、助けを乞う、秘密を打ち明けれるとても親密な友達)
第1階層:12~15人(月に1回程度会うような親密な友達。「シンパシーグループ」と呼ばれる)
第2階層:45~50人(距離のある友達)
第3階層:150人(友達の限界であるダンバー数)
ピアラジオに招待したいと感じる「①親しい友人」は「第0階層:3~5人」もしくはそれ以下ではないかと考えます。
1人が数人を招待するというイメージはあまりなく、1人につき多くても3〜5人を紹介するというのが適切な見込みではないかと思います。
顔見知り程度の知人の招待が増えていくには?
「②顔見知り程度の知人」の招待は、一般的にはサービスの拡大において重要になりそうです。
現在のピアラジオは、自己開示的な内面の投稿も多いため「①親しい友人」もしくはアプリ内でつながった「③見知らぬ他人」にしか聴かれたくない、という性質があります。
例えばこれが、投稿内容が「趣味」のようなライトなコンテンツ中心のサービスになっていくと、「②顔見知り程度の知人」の招待も見込むことができるようになると思います。
ただ「それはピアラジオである意味があるのか?」「stand.fmやRadiotalkで別に良くない?」とユーザーの方はきっと感じるだろうと思いますし、僕自身もピアラジオである意味はなさそうだと感じます。
ピアラジオが今後取っていくべき施策
ここまでの内容を踏まえ、今後ピアラジオが取っていくべき施策は「②顔見知り程度の知人」の招待を増やそうとするのではなく、
「①親しい友人」を招待してもらえるようにするにはどうすれば良いか、もしくは「③見知らぬ他人」同士が集まる中でも安心でやさしいコミュニティであり続けるためにはどうすれば良いかを考える、
このあたりになってくるのではないかと思います。だいぶ整理されてきました。具体的な施策などについても改めて考えてみたいと思います。
おわりに
いいね機能がなく、視聴回数が見えない音声コミュニティ「Peer Radio(ピアラジオ)」をつくっています。
気になられた方おられましたら、よろしければユーザー登録いただけたら嬉しいです^^