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「オールドタイプ」と「ニュータイプ」どちらを選択しますか?
本書のテーマは、今まで生き抜くために必要だった「正解を出す力」に価値がなくなったということだ。
これまで高く評価されてきた、真面目で責任感の強い「優秀な人」は「オールドタイプ」として今後、価値を失っていくだろう。
反対に、「自由でわがままな人」が「ニュータイプ」として豊かな人生を送ることになる。
なぜ、これまでの「優秀な人」より「自由でわがままな人」の方がより高い価値にシフトしていくのか。これらが、どのように社会変化と共にシフトしていくのか解説していこう。
あなたは「オールドタイプ」と「ニュータイプ」どちらを選択する?
著者[山口周]
電通、ボストンコンサルティンググループ等で戦略策定、文化政策、組織開発などに従事。「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」でビジネス書大賞2018年準大賞。その他にも数々の著書がある。
■「ありふれたモノ」と「失った意味」
生活に必要なモノは、手に入るような時代なった。私たちは、モノが飽和した状態で物質的な問題は、ほぼ解決している。
人類は「今日を生きることに困らない」という長年の夢が叶ったにもかかわらず、多くの人が人生において本質的なものが抜け落ちている感覚で生きている。
それはなぜか?「意味を失った」からだ。
モノが過剰にあふれて、その価値を減らしていく。一方で、意味が失われて、その価値を増やしていく。
このように、オールドタイプは「役に立つモノ」を作り続け、その価値を落としてくし、ニュータイプは「意味を与える」ことによって価値を上げていく。
例えば、今日はお昼にコンビニのおにぎりを食べたとしよう。そのおにぎりは「役に立つ」だろうし、簡単にどこでも買えて便利だろう。
しかし、そこに大量生産されたおにぎりを食べる「意味」を感じるだろうか?もちろんコンビニのおにぎりにも、多くの人が関わっていてストーリーがある。
では、今度は週末に友人や家族とハイキングに行ったとしよう。何時間も歩き、景色のいい場所で、皆で腰かけて手作りのお弁当を食べるとしよう。
そこで食べるおにぎりに「意味」を感じないだろうか?
モノが飽和した状態では、ありふれた「役に立つモノ」より「意味のある」モノのほうが価値を感じる。
仕事も同じだろう。「役に立つモノ」と「問題の解決」が飽和状態になれば、仕事の本質的な意味は薄れていく。
生産性が向上しつづければ、本質的な仕事は減るはずだ。でも、そうはならない。
生産性の向上の先に、何を成し遂げたいのか?それをする意味は何なのか?
本質的に意味のない仕事を生み出していないか?
本書では、そういった仕事を「クソ仕事」と言っているが、生産性を追求するオールドタイプがこの「クソ仕事」を作りだし、周囲のモチベーションを破壊すると言っている。
反対に、ニュータイプは仕事の目的と、意味を生み出し本質的な価値を言語化できる。これらは人を魅了し、モチベーションを与える。
もう一度聞こう、あなたは「オールドタイプ」と「ニュータイプ」どちらを選択する?
■意味を与えられた人の「豹変」
日本において「働く喜び」を感じている人は、全体の14%である。その他の調査も含めれば8~9割の人は、仕事の「意味」や「やりがい」を感じていない。
これは「モチベーション」という経営資源が希少になっているということだ。
ただ、漠然とKPIや目標を掲げる「オールドタイプ」と、目的や意味を訴える「ニュータイプ」とでは、組織における成果に違いが出るのは当たり前だ。
「最近の若者は、モチベーションが低い」ということを聞くが、そういった評価を下すのは典型的な「オールドタイプ」と言えるだろう。
部下のモチベーションが低いのは、上司が「意味づけ」出来ていないか、そもそも、部下がしたくないことをしているかだ。
実際は、若者の方が「良い社会に変えたい」と思っている。
また、モノが飽和した状態でモノや報酬をいたずらに与えても、効果が薄い。
経営資源の中で1番「可変性」があるのは、人、モノ、金のうち「人」である。
「ニュータイプ」は、「人」に意味を与える。意味を与えられた人は、経営資源を増やすのだ。
例えば、新約聖書の話でイエスと12人の弟子の話がある。この12人は弟子の中で偉いのは誰だとか、イエスが処刑されるときも助けようとせず逃亡したらしい。
しかし、この弟子たちは後に「炎の伝道師」として世界に影響を与えた。
ヨハネ以外の11人は悲惨な拷問を受け殉教しているが、なぜ逃亡するような弟子たちが拷問を受けてまで、信仰を捨てなかったのか。
それは、人生に意味を与えられたからだ。布教をする意味を与えられ、彼らの能力や行動は変化していったのだ。
意味を与えられる人が、どれだけの価値があるのか計り知れない。
歴史の偉人から、会社内、漫画やアニメに至るまで偉大なリーダーは、「意味」を与えている。
■「遊び」と「偶然」と「イノベーション」
私たちは、普段の生活や仕事の中で「失敗」や「エラー」を取り除こうとする。そして、生産性を高めてより効率よく成果を出そうとする。
しかし、自然界に目を向けてみると、この「エラー」という部分が排除されていないということに気づくだろう。ではなぜ、自然淘汰という強力なシステムが働いている中「エラー」はなくならないのか。
それは、偶然が生むイノベーションにある。
例えば、アリの話をしよう。アリはエサを見つけるとフェロモンを出しながら巣まで仲間を呼びに行く。他のアリはフェロモンを頼りにエサを持ち帰る。
では、エサの獲得効率を最大化するには、このフェロモンを正確にトレースすることにある。と思うだろうが違う。
ある実験では、「正確にトレースできるアリ」と「一定の確率で間違えるアリ」を分け、「正確にトレースできるアリ」だけのコロニーと「一定の確率で間違えるアリ」を混ぜたコロニーでエサの獲得効率を比べてみた。
結果は、「一定の確率で間違えるアリ」がある程度含まれるコロニーの方が中長期的には、効率が高かった。
それは、最初に見つけたルートが必ずしも最短距離ではないからだ。道を間違えるアリによって、偶然的に最短ルートが更新されていくのだ。
つまり、「短期的な非効率」も偶然のイノベーションによって「中長期的な高効率」に繋がるのだ。
イノベーティブな企業も同じことをしている。生産性を求めるだけの「規律」ではなくてそこに「遊び」を入れている。
例えば、アメリカの有名企業「3M」という会社では、研究職の労働時間中の15%を自由な研究を行っていいというルールがある。
そして、それと同時に過去3年以内の新商品が売上高の一定比率を上回っていないといけない。
つまり、戦略的な「規律」と「遊び」によって15%の経営資源をイノベーションに投資しているのだ。
「何の役に立つのか」ばかりを気にしていれば「偶然の最短距離」を見逃してしまう。
現実的には、道を間違えて、うろうろと散歩している「ニュータイプ」がイノベーションを起こしている。
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■ヒトリゴト
個人的な意見だが、私は仕事において「モチベーション」を管理することはあまり意味がないと考えていた。
なぜなら、嫌なことがあった日には最高のパフォーマンスを発揮できないと思っていたし、その逆もあると。
しかし、その考え方は「意味づけ」されていないだけでは?と気づいた。
強烈な「意味づけ」を持っている人は、それだけで嫌なことを乗り越えられるパフォーマンスを発揮できる。
簡単に言えばモチベーションとは1つの「スキル」だと言える。このスキルがないことをモチベーションが足りないと言い聞かして、パフォーマンスを発揮できない。
しかし、モチベーションというスキルを獲得する、または与えるためには「意味付け」をしなければならない。
それをせずに、目標の数字を淡々と追っているだけではダメなのだ。
例えば、皆で山を登るのに、「どういうルートでいくか?」とか「ペースが遅い」とか言う前に「山頂で誰も見たことない景色を見よう」という情熱を植え付けるのが先なのだ。
だが、現実的には難しい。誰しもが心から、山頂からの景色を見たいとは思っていないからだ。これは、自分自身も当てはまるかもしれない。
結局、何が言いたいかというと「好きなこと」が根源にある。
「好きなこと」→「意味づけ」→「モチベーション」→「成果」となるのではないかと考えている。
当たり前のことを、言っているだけだと自分でも思う。
しかし、何百冊という本を読んで思うことは、どんなロジックやフレームワークより「好きなこと」をしろ!ということなのだ。
では、あなたは自分の中の「好き」を「成果」に繋げる「ニュータイプ」を選択しますか?
もし、そうならもう少し下にスクロールして、左の方の「スキ」を押してみよう(笑)
私の情報が少なからず皆さんのお役に立てればと思います。
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