マサシ@一生、巡礼者

とにかく聖地を巡り学ぶ人。その旅行記と勉強についてはnoteにて。巡礼旅で撮り貯めた資料写真はInstagramでhttps://www.instagram.com/blessed_backpack/

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マガジン

  • シュウカツ!! 職業:巡礼者 勤務地:世界の聖地

    「世界の聖地を見てきます!!」 450日かけて3大宗教中心に世界の聖地を巡った旅人の回顧録

  • 寺院設備学の構想

    「仏具や法衣の教科書を作りたい。」から始まった日本の伝統工芸の中の一つ、仏具工芸の世界を整理するもの

最近の記事

中国の寝台車に乗ると思い出すこと。

昆明発成都行き寝台列車の喫煙所国慶節の混雑のために予定に反して昆明に3日間潜伏するハメになった僕。 国慶節5日目にしてやっと移動を開始する。 寝台車のチケットを手にしれ日本出発当初から予定していた中国最初の目的地・成都に向かっていた。 僕には成都にどうしても立ち寄りたい宿があった。 そして明日以降は国慶節が終わるまでその宿に泊まる手筈になっている。 『どうして宿なんかが最初の目的地かというと。』 この宿、ある時期において中国を旅するバックパッカー界隈ではちょっと有名に

    • ハードモード突入!?中国でいきなり詰む。

      中国・昆明 「ホンマに宿がなーーーーーーーい!!!!」街の至る所に『酒店』『大酒店』と看板が掛かっているのにどこの宿に行っても追い返される。 「また?嘘でしょ!?そんなことあるん????」 中国・昆明駅前、午前1︰30過ぎ。 2時間近くも探し回り、疲れ果て、「国際酒店」と書かれたノートをヒッチハイカーのように胸元に掲げた僕は雑踏の中で途方に暮れていた。 どうしてこうなったか。 その真相を知るのはこの30分後なのだが、まず12時間ほど時を戻そう。 この日の正午過ぎにベ

      • 都市計画を妄想するという鍛錬は旅に何をもたらすのか。

        ベトナム・ハノイ大教会 聖ジョセフ教会厳密には参加したと言い切れないが生まれてはじめてキリスト教のミサに参加したのはベトナムのハノイだった。 日曜の夕方18時からハノイの中心地にある聖ジョセフ教会には近隣の信者が集まっていた。 彼らに混ざって僕は教会の最後方に立っていた。 テレビで聞いた讃美歌の音。 資料映像でしか知らなかったその光景の傍観者としてアトラクションを見ているような気分だった。 この時はまだ厳密に言ってミサの参加者ではなかったと思うのには理由がある。 旅の

        • サカナに関するエトセトラ.

          木魚のデザイン木魚にはサカナの意匠が施されていて、日本だけでなく他の仏教国でもこのデザインが採用されている。 通説では寝る時も目を閉じない魚のように寝る間も惜しんで修行に励むことを表現しているとされるが、諸説ある。 実は何故こうなったかわかっていない。 いつからどうしてこうなったかは資料がみつかっていないのだ。 この諸説についての文献を少し紹介しようと思う。 (ベトナム・ハノイの博物館で見つけた木魚) まず、大正時代に東京工業大学の小室信蔵先生が書かれた『図案の意匠

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        • シュウカツ!! 職業:巡礼者 勤務地:世界の聖地
          13本
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        記事

          傷を負った祈り、呼吸する聖域。

          「よく見ていてください。この木とこの木を組み合わせます。」 複雑に切り抜かれた二つの木組みのパーツは一定の角度からはめ込むと元々一つの木だったかのように一つの形を成す。 「どうぞ。やってみて下さい。」 僕の手の中でもう一度二つの組み木に戻ったパーツを僕は手品のタネを探すように色々な角度からのぞき込む。 木と木がそれぞれ違う形の手をしているのに向きを合わせるとピッタリと一つの形になる。 「すごいもんでしょ。」 もう一度組み上がった複雑な組み木に視線を寄せる。 「ここ

          傷を負った祈り、呼吸する聖域。

          地獄の深夜バスでカブ天国に行ったらカブ地獄だった話。

          物語は前回のセーブポイントから続く。 ちなみに旅のセーブポイントとは日記やブログ、SNSの更新ログを指していると僕は思う。 無事に護送用トラックでバスターミナルに着くと一台のバスに人集りができている。 どうやらあのバスが僕らのなるバスのようだ。 乗客は次々と荷台に荷物を詰めて、乗車する列を作っている。 他に何台かトラックが止まっているので我々のようにして、ここに運ばれてきた人たちが他にもいるのだろう。 ナオ君と急いでメインのバックパックを荷台に放り込むと我々も乗車の列に並

          地獄の深夜バスでカブ天国に行ったらカブ地獄だった話。

          賢者の石と同じ材料を使った工芸品がある。

          賢者の石は身近にある?辰砂という鉱石を知っていますか? 天然の硫化水銀の塊で日本では古くは「丹」(に)という名前で呼ばれていた赤色の金属のことです。 水銀を作る材料であり、日本では朱塗りの漆器の赤い色を出すための染料に使われています。 そしてあの不老不死の霊薬「エリクサー」とか「賢者の石」とかの材料とも言われているものです。 そもそも朱塗りの漆器って? 朱塗りの漆器を簡単に説明すると・・・・。 『ウルシという木の樹液に赤い染料を混ぜてできる塗料を木製の器にコーティン

          賢者の石と同じ材料を使った工芸品がある。

          香りはどこから来るのか。

          前々回の柄香炉において香を焚く習慣がユーラシア大陸全体に広がっていたことと香を焚く香炉は4000年も前には今あるような柄の付いたものを使っていたことに触れました。 今回はこうした原料がどこから来ているのかの部分にフォーカスしたいと思います。 香りには二つの役割がある。お香は空間を清めたり、畏敬の念を表明するための装置としての役割と日常のフレグランスや芳香剤などの空間に色を添える目的やリラックス効果を目的とした楽しむための役割の二つがあります。 歴史的な道筋としては宗教上や

          香りはどこから来るのか。

          オープンワールドゲームとしての考察

          「人生はドラクエだ」と言い切る大学の先輩がいる。 「旅はドラクエだ」と言う青年と旅をした。 「人生は旅だ」という言葉があったりもする。 ただ僕はバックパッカーの旅はオープンワールドゲームそのものだと思う。 日本を含めた広大なフィールドをバックパッカーはそれぞれの目的のためにプレーヤーとして駆け回っている。 僕のような聖地を巡ることを目的としたプレーヤーをはじめ様々な目的を持った旅人たちに出会った。 大学の卒業旅行、思い出作りの青年たち。 カメラを片手に世界の絶景を求めて

          オープンワールドゲームとしての考察

          聖都ルアンパバーン、英語の授業を受ける③

          ルアンパバーンとは14世紀から18世紀からラーンサーン王朝という王国の首都だった街である。かつての王宮は現在は博物館として改装され当時の調度品や王族の生活を覗く事ができる。 街全体が世界遺産に指定されており、その中にたくさんの仏教寺院があり、ラオス仏教界において最も重要な聖地である。 主な寺院は塩の取引で財を成した商人を称える為に王様が建てたワット・シェントーンや他にも王様の作ったワット・マイやワット・セーンなどである。 街の朝は早くて、まず5時から各寺院の修行僧が街を一

          聖都ルアンパバーン、英語の授業を受ける③

          よい龍(ドラゴン)の見つけ方とは?

          実は地球の神龍(シェンロン)はどんな願いでも叶えてくれるのに1番偉い龍じゃない。 そりゃそうだろう。ナメック星の神龍(ポルンガ)がいるんだから。 しかしポルンガも最高位の龍ではない。 二匹共(二人共?)高位ではあるが最上位ではない。 ただこれは「龍」として見た場合の話で僕らの知っている龍には実は階級がある。 各地の龍の特徴 まず龍の生息地は主にユーラシア大陸を中心に広がっている。 東アジアの「龍」・西洋の「ドラゴン」と「ワーム」・南アジアの「ナーガ」様々な龍と言われる生

          よい龍(ドラゴン)の見つけ方とは?

          聖都ルアンパバーン、英語の授業を受ける②

          船は夕方には曳航地のパークベンという小さな村に着いた。波止場には船の到着を待っていた宿屋の客引きが旅人を捕まえるために待ち構えていた。 船が接岸すると船内にどっと客引きたちが乗り込んでくる。 リバイが一人の客引きと話をして僕たち3人で泊まれる部屋を確保してくれた。 他にブランダさんとフランス人カップルが同じ宿にいくことになり、6人で今夜もトラックの荷台に乗せられる。 シャワーなんか気の利いた設備はないが、広々したテラスのあるレストランを併設したメコン川を見下ろす宿だっ

          聖都ルアンパバーン、英語の授業を受ける②

          聖都ルアンパバーン、英語の授業を受ける①

          「いくぞ!マサシ!」 二人はさっさと甲板に降りていく。 僕はカメラを手に今から始まる船旅への期待に胸をはずましている。 「ちょっと待って!!!」 今日から僕らはこのフアイサーイの村からラオスの聖都ルアンパバーンに向けてメコン川を下る2日間・約30時間の船旅に出る。 以前から船でルアンパバーンに向かうルートがあることは知っていた。 街そのものが世界遺産でラオス仏教では重要な聖地として栄えたかつての王都である。その聖都に向けてメコン川を下る船の道がある。 いつかはこの船に

          聖都ルアンパバーン、英語の授業を受ける①

          パーティーを始める条件とは

          旅を始めた時、はっきり言って僕はまるで英語が話せなかった。 もちろん英語についての多少のことは知っていたが、ただそれは英会話というよりは英語の知識という程度のものだ。 僕の通っていた高校は週三回・毎朝、英単語テストがあるような学校で3年間毎日単語帳を予習復習することが義務のようになっていた。 ただテスト範囲は単語帳を毎回2ページづつ進めるのだけなので、次第に2ページ分の丸暗記をしてその時ばかりを乗り切るような勉強法になる。 また受験生だった頃は覚えるべきものや覚えてお

          パーティーを始める条件とは

          古代の祭礼具・柄香炉

          お香文化のはじまり 仏前や神前で香を焚くという儀式は古代から中東や北アフリカ・アジア地域一帯に広がる風習です。 そして日本での香を焚く習慣は中国から渡ってきますが、根底にはインドの文化を継承しています。 日本よりずっと暑いインドでは身の回りのさまざまな悪臭を払うために香を体に塗ったり、燻す習慣がありました。 またそうすることが客人を迎える上でのマナーでもありました。 この習慣が仏前の供養に取り入れられ、仏様を礼拝所に迎える儀式において重要なプログラムになります。儀式を始め

          古代の祭礼具・柄香炉

          タイでイスラム教の手ほどきを受けた話

          「その12匹の動物のなにがすごいの?」 「すごいんだよ!干支がこのタイにもいたんだよ!」 僕はタイで知り合ったモロッコ人のアブーとチェンマイのカフェにいた。 干支は古代中国の甲骨文字に起源を持つアジア一帯とロシアにまで広がった概念だ。 しかしまだこの頃の僕はそのことを知らず、タイで干支のデザインがあったことに興奮していた。単純に自分たち以外の民族が使っている事実に触れることができたことが嬉しかった。 ただアブーには僕が言ってることもこの興奮も全然伝わらなかった。 「

          タイでイスラム教の手ほどきを受けた話