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仏教に学ぶ生き方、考え方「あることないこと」
「あることないこと」
「あることないこと」というと一般的には「あるのかないのかがはっきりせずにぼんやりとしている様子」を指します。「あることないこと言ってばかりで、、、。」と否定的な表現に使われます。逆にあるのかないのかしっかりと把握する、調べることは心もスッキリしますし、信頼される姿勢にも繋がりますよね?
でも仏教的に言えば、「あること」と「ないこと」は実は一緒と教えられています。
ちょっと何言ってるのか分かりませんよね、、、。でもよくよく考えてみればまさしく「あること」と「ないこと」は一緒なんです。
例えばお金がいつも足りないと思っている人がいたとします。その人は生活するのにギリギリのお金しかないので、他の人にあげずに全部自分の事に使っていました。「もっとお金があったら人にもあげられるのに、ないからだめだよ」といって、他人には少しもあげなかったのです。
ところが仕事が徐々に増え、お金が入ってくるようになるとどんどんお金が溜まっていきます。でもお金があればあるほどもっと欲しいという気持ちが湧いてきて、結局人にあげることはなかったそうです。
こういうことは実はよくあることで、結婚したいと苦しんでいる人が、結婚でき願いが叶っても、また夫婦の揉め事で苦しむ、ブランドのカバンを欲しいと思っていた人がそれを手に入れると、今度は違うカバンが欲しくなる、、、、というように数限りなくでてきます。仏教ではこれを有無同然(うむどうぜん)といってあってもなくても苦しみは一緒だと教えられています。
でも苦楽一如を知っているみなさんなら、もう気づいてますよね?つまり苦しみは楽しみでもあるんでしたよね!ということは、二つの教えを合わせると「なくても楽しい」いやいや「ないことこそ楽しい」となるわけです。
最近ミニマリストなる人がちょっとずつ増えていますが、ミニマリストが一様に口を揃えて言うことは、「ないことで気持ちが軽くなる」ということです。ないことこそ楽であり、ないことこそ幸せであるという考え方は、まさしく仏教の本質であり、この価値観が見直されていることは素晴らしいことだと思います。
あってもなくても同じなのに、欲しい欲しいと欲を持ち、それが叶えられずに苦しんだり怒ったり、妬んだりする、、、。人間の心は、いかに煩悩に支配されているかを実感させられますよね。
またまたちょっと背伸びしてこんなふうに解釈をしてみましたが、「また違った視点から物事を捉えられる」、これってやっぱり仏教の魅力的なところですよね!
☆今日の一句☆
あればある
なければないで
苦は一緒