ほとけさまのおしえ「トゥルーマン・ショー」
皆さんは「トゥルーマン・ショー」という映画をご存知ですか?
この映画は、人生のすべてをテレビのリアリティショーで生中継されていた男を描いたコメディドラマです。
離島の町「シーヘブン」で生まれ育った男トゥルーマンは保険会社で働きながら、しっかり者の妻メリルと平穏な毎日を送っていました。
しかし実は生まれた時から毎日24時間すべてをテレビ番組「トゥルーマン・ショー」で生中継されており、彼が暮らす町は「巨大なセット」、住人も妻や親友に至るまで全員が「俳優」だったのです。
自分が生きる世界に違和感を抱き始めた彼は、「真実を突き止めよう」と様々な試みをするという映画です。
トゥルーマンは、セットの中で育ち一度もその外側にでたことがないわけです。
ですから、その外側を見ようとしますが、なかなか「壁の向こう」には出られません。
でもそこに壁があると思うと「乗り越えたり突破したり」したくなるものです。
そしてもっと大きな世の中、知らない世界を感じてみたいと思うでしょう。
でもそれは同時に壁によって守られていた外に出るわけですから、様々な「リスク」に晒されることにもなります。
私たちも日々の暮らしの中で、リスクを恐れて「壁の内側」に戻りこもろうと思うこともあるでしょう。
家庭の壁、学校の壁、会社の壁、地域の壁、国境の壁、、、。
自由に暮らしているつもりでも、実は「壁の中で安心したり」、その逆に「壁に遮られて身動きが取れなかったり」することも多いと思います。
そして最近は「103万円の壁」という税制の壁なるものが話題になっております。
そしてその壁が動いたとしても、他にも様々な壁があり、結局「納税額」が増えるということもあるとかないとか。
お釈迦様もマガダ国の「城壁」の外に出られて修行をされ、親鸞聖人も当時の「僧侶の常識」という壁を突き抜けられました。
壁の外に出られて見えた「景色」はどんなものだったのでしょう?
きっと思うに、また「新たな壁が脈々と連なっていたのでは?」と思うのです。
仏教を学ぶとは、まさにこの壁の外に興味を持ってよじ登り、突き抜けていく「心の作用」なのでは?と思っております。
そう言いながらも、103万円の壁の内側で温々と暮らしているのですけどね!笑
☆今日の一句☆
壁越えて
外を眺めて
また戻り