ほとけさまのおしえ「お寺というもの」
皆さんは「お寺」と聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
山門をくぐると広い境内に本堂や庫裏や塔があって、「心穏やか」に過ごせる場所というふうに考えて見える方も多いと思います。
京都の寺院では「手入れの行き届いた」庭があり、しっとりとした雰囲気の中に「苔」が生していたり、「石庭」や「枯山水」にイメージを膨らませたりできるところもあります。
そして雰囲気を楽しんだり、「茶菓子とお抹茶」をいただいたり、お坊さんの楽しい「お話」が聞けたりするところでもあります。
そこに身を置くことで心をリセットしリフレッシュし、開放させたりするわけです。
でももともとお寺は、「それ以上」の役割があったのです。
江戸時代は寺子屋や庶民の争いごとの相談場所や戸籍の管理場所でもありました。
つまり「学校と役所と裁判所」の役割も担っていたのです。
でもそれは幕府によって庇護と引き換えに役割が与えられたわけで、それ以前は「信仰の場所」でありました。
そこで「御書」(法主様からのお手紙)をみんなで読み聞き、時には様々に想いを伝えあったのです。
そして毎朝夕にはお寺にお参りし、礼拝と感謝の気持ちを心に灯し続けたのです。
江戸時代以前は各家庭にはお仏壇がなく、地域のお寺が「みんなのお仏壇」の役割を果たしていました。
なのでみんなのお寺をみんなで維持管理し、地域の富める者は多くの「寄進」をされたそうです。
実際お寺の仏具には「寄進者のお名前」が書かれているものが沢山あります。
つまり「地域の皆さんのお仏壇」とも言えるお寺に喜捨することで「社会貢献」をしていただいていたのです。
そんな「お寺の有り様」は遠く過去のものになりつつあります。
そしてお寺の維持管理のために、コツコツと今から「積み立て」ていかなければと思い始めております。
☆今日の一句☆
親しめる
お寺はみんなの
お仏壇