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ほとけさまのおしえ「大悲心」
先日、あるお宅に法要でお邪魔させていただいたときのことです。
ご仏壇の上に「大悲心」という言葉が額装して掲げられており、施主様からその意味を問われたことがありました。
施主曰く、「大きな悲しみの心とはいったいどういう意味ですか?」とのこと。
悲しいという文字が心のどこかに引っかかっていたのでしょう。
たしかに「大きな悲しみの心」がお仏壇の上に掲げられていたら、ちょっと気になりますよね?
でも実はこれは仏教の「根本的な心持ち」に繋がっている言葉だと言えるでしょう。
悲しいという言葉が入る仏教語に「慈悲」という言葉があります。
慈悲は「他を慈しむ仏様の心持ち」を表しております。
たしかに「慈しむ」という言葉は気持ちを向けて救っていただくという意味合いがあり、ありがたいと感じるでしょう。
でもそれだけではなく、私たちの心に寄り添って「一緒の心持ちでいていただく」という働きもあるのです。
つまり辛いことや悲しいことがあったとき、なんとか手を差し伸べて救おうとするというよりは、「一緒に隣にいて」いただいて、「一緒に悲しんで」いただけるような存在でしょうか?
そこには仏様と私たち凡夫の間に「格差」や「立場の違い」はないのだと言えます。
仏様の救いとは上から手を差し伸べて「引っ張り上げる」ようなものではなく、「一緒に悲しみ共に歩いていただける」ようなお姿なのではないかと感じております。
そして、それが一部の人だけに向けられるのではなく、「全ての人々にあまねく」向けられている。
そんな「大慈、大悲の心」で接していただける仏様に、いつも見守られていることを実感していただければ、きっと「安心して日々を過ごしていけるのでは?」と思っております。
☆今日の一句☆
ほとけさま
ともに悲しむ
心持ち