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ほとけさまのおしえ「壁」

 自坊の境内には「ブロック塀」があります。

 また皆さんのお家も、周囲を「塀で囲って」みえる方も多いと思います。

 「壁や塀」があると、「ここからが家の敷地ですよ~」ということがわかりやすいですよね?

 でも最近、「塀は要らないのではないかな?」と思い始めております。

 たしかに囲うことで、守られた気持ちになり安心もできるてしょう。

 でも壁や塀があると逆にこちらからも「出にくく」なります。

 つまり壁や塀があると守られる反面、そこから出られなくなり、「閉じこもってしまう」こともあるのではないでしょうか?

 そして、それが「心に及ぼす影響」は大きいと思います。

 自らを守ろうと思って作ったものが、外のものを「異質で怖くて、関わってはいけないもの」と思わせるものになってしまってはいないだろうかと。

 そしてパレスチナ西岸の「ガザ地区」はまさにそれを「体現しているのでは?」とも思うのです。

 「天井のない監獄」とも言われておりますが、双方の人々の心の中にも「出たくても出られない監獄」ができてしまっているのではないかと。

 そして監獄に閉じ込められて安心している人はいないように、私たちの心に「壁や塀を作らないような生き方」こそ自由に安心して生きられるのではないかとも思うのです。

 仏教の「慈悲と智慧」の教えは、そういう壁を少しずつ「削って」くれるのではないかと期待しております。


☆今日の一句☆

 ほとけさま
     壁はなくとも
          守らるる

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