ほとけさまのおしえ「誹謗中傷」
最近メディアを騒がせていることに「選挙」があります。
先日は「米大統領選」がありましたし、「衆議院議員選挙」の余波も未だ収まっておりません。
また某地区の知事選でも「異様な盛り上がり」を見せております。
選挙でいつも感じるのは「誹謗中傷」が平気で飛び交うことです。
自分をアピールする時に一番手っ取り早い方法は、「相手を貶める」ことです。
しかし実は仏教では誹謗中傷は厳しく「戒められて」おります。
それは「業」という考え方があるからです。
業とは「行い」のことを言います。
そして業は決して「消えること」はありません。
よく業は消えていくもの、忘れられていくものと捉えがちですが、実はずっと残り貯えられて、やがて「自身の身に返ってくる」のです。
これを「業力不滅」といい、三世にわたって残ると言われております。
三世とは「前世、現世、来世」のことを指し、現世での行いは来世も残り続けるのです。
そして業には「身口意」の三つの種類があり、「十悪」という戒めが説かれております。
その中でも口業、つまり口から出る言葉による悪業が4つあり、それらを厳しく戒めております。
①妄語(もうご)
言葉によって他人を誑かすこと
②両舌(りょうぜつ)
争いを構えさせ、仲違いさせる発言をすること
③悪口(あっく)
汚く罵って他者を悩ますこと
④綺語(きご)
飾り立てた無意味な言葉で道理に乖くこと
口業は決して消えることなく残り続けます。
そして「自分の口から出た言葉」にやがて縛られ苦しめられ、身を焼き心を砕かれるのです。
世の中の政治家や議員を見ていると、そういう方がたくさんお見えになることを感じることができるはずです。
そして悪口によらず妄語を慎み、両舌を諫め綺語を収め「実直に生きる人」に、結局は「人々の信頼」は集まるのではないかと思っております。
☆今日の一句☆
気をつけて
口から出たもの
帰ります