仏教に学ぶ生き方、考え方「人はいったい何を残せるのか?」
お坊さんをしていると、人の死というものが、とても「身近」に感じられます。
死というものは、むしろ生きていれば「当たり前に訪れる」ものと言ってもいいでしょう。
そして、思うのです。
人は命終えていくけれども、いったい何を「残して」いけるのでしょう。
多くの人がまず思い浮かべるのは、「財産」でしょう。
確かに形がありますし、それによって潤う人は多いと思います。
でも不思議と人からもらったものというのは、「砂にかける水」のようにすぐに吸い込まれて、形がなくなるものです。
また家やマンションが財産だと思う人もいるでしょうが、そういうものも結局は古くなって維持していくのが大変になり、壊すにしても多額の「お金」が必要になります。
つまり財産だと思っていたものは、実は「負債」に変わったりもするのです。
そして形あるものはどんどん変化し、なくなったり「重し」になったりします。
そういうものに価値をおいて、「人生の時間」を使うのはいかがなものでしょう?
でも命終えていっても、いつまでもなくならず、「輝き続ける」ものもあると思います。
それは「生き方や考え方」です。
その人が自分の命と時間を使って、「何にどのように」向かい合ったか。
そこから得ていったものは、みんなに共有されいつまでも「生き続けていく」のではないでしょうか?
そしてそこに「仏教の考え方」が含まれているような生き方ができればと思っております。
☆今日の一句☆
その姿勢
命終えても
生き続く