ほとけさまのおしえ「油断」
お盆休みも過ぎ、また明日から「仕事」という方も多いと思います。
そして子どもたちは「二学期」に向けて宿題をしたり夏休みの終わりを憂いたりしていることでしょう。
楽しいと思えることがあればあるほど、それが終わるときには「苦しみや悲しみ」が大きくなるものです。
そんなときに、ついつい集中力が欠けてミスをしたり、事故につながったりすることもあると思います。
なので「油断することなく」一日一日を過ごしていきたいと思うでしょう。
さてこの「油断」ですが、実は仏教から来ていることをご存知ですか?
お寺でお勤めをするときに灯明をつけますが、これはこよりで油を燃やして灯りをつけておりました。
その油を断つことがないように、いつも「気をつけていなさいよ〜」ということから来ております。
「比叡山延暦寺」の灯明は仏教伝来以来、油を断つことなく燃え続けておりますが、これは役僧みんなで心を留め気をつけているそうです。
そして親鸞聖人の御書にも「寝ても覚めても油断なく南無阿弥陀仏を唱えるべきである」と説かれております。
油断なくということは、つまりはいつ「何時でも心に留め置いて忘れない」ということです。
一方で、ともすればすぐに忘れて意識することもなくなってしまうことが、世の中には溢れております。
戦争のこと然り、地震のこと然り。
そして我が命には限りがあり、いつ終わりが訪れるかわからないということも「忘却の彼方に追いやってしまう」こともあるのではないでしょうか?
そういうことに意識を向け、油断なく過ごすことは、これからの生き方を支える「杖」になるのではと思っております。
☆今日の一句☆
油断なく
心の灯り
消さぬよう