ほとけさまのおしえ「見えない仕事」

　テーマパークの「クリーンスタッフ」の話を聞いたことがあります。

　その人曰く、「僕らは姿を見られないように仕事をしているのだ」と。

　テーマパークの閉園時間に合わせて出勤し、開演時間までの間「夜通し」清掃作業をするそうです。

　昼間もクリーンスタッフはいますが、あれは「掃除のパフォーマンスを見せている接客サービス」であり、本格的な清掃作業は「夜通しの作業」になるそうです。

　まずは「水撒きとブラッシング」、そしてアトラクションの設備を「掃いたり拭いたり剪定したり整えたり」するそうです。

　真夜中のテーマパークは「ホラー感満載」で、特にホラー系のアトラクションは「恐怖感」が最高潮になるとか。

　そして最も気をつけていることは、お客様のいる間は決して「姿を見せない」ということだそうです。

　閉園時間が過ぎてもお客様が残っている時は「ひたすら」待機し、開演前には必ず作業を「終了」して姿を隠す。

　そんな影の努力があることをお客は「意識する」こともないでしょう。
　
　そしてその努力を意識させない「プロ意識」には頭が下がります。

　この時期は「草木」が芽吹き大きく育ちます。

　境内の敷地に容赦なく生える草や落ちる花びらを、「コツコツと」掃除する。

　そんなことを全国のお寺で「住職や坊守や役僧」が行っております。

　それは人目に触れることもほとんどなく、地道な行いになります。

　そういう人前で目立つようなことのない作業を淡々と行っていることに、少しだけ心を寄せていただけたらありがたいのです。

☆今日の一句☆

　目立たない
　　　　　仕事にこの世は
　　　　　　　　　　　支えられ