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ほとけさまのおしえ「なんくるないさ~とケンチャナヨ〜」

 私の好きな言葉に「なんくるないさ~」があります。

 沖縄を訪れると、ちょっと路地裏の露店や土産物屋さんには「なんくるないさ~」と書かれたTシャツが「手頃な値段」で並べられております。

 「どうってことないよー」「大丈夫だよー」と言う意味があるのはご存じの方も多いと思います。

 また、韓国の言葉に「ケンチャナヨ〜」というものがあります。

 これも「大丈夫ですよー」と言う意味です。

 韓国ドラマで深刻そうな面持ちの主人公にちょっとおちゃめな友達が「ケンチャナー、アラッチ?」と明るく声をかけるシーンもあります。

 その昔韓国に赴いたときに、とりあえず「挨拶程度の言葉を話せるように」とおぼえた言葉です。

 でも、沖縄と韓国はそういうおおらかな言葉とは裏腹に、かつては「大きな戦禍」にさらされてまいりました。

 太平洋戦争末期の沖縄戦では、雨のように降り注ぐ艦砲射撃と火炎放射器や手榴弾によって数多くの命が失われました。

 また韓国も、大日本帝国の占領統治が終わるやいなや、今度は国家を二分する朝鮮戦争の戦禍により、数多くの命が失われた歴史があります。

 そんな二つの地域で、明日をも知れぬ命を灯しながら生き抜いてこられた方々はどんな心持ちだったのでしょう。

 きっと大きな不安と失望を「味わいつくされた」のではないかと思うのです。

 そんなとき「かすかに差し込む光」のように、「大丈夫だよ、なんとかなるよ〜。とにかく前を向いていこうよ!」という心が芽生えたのではないかとも思うのです。

 今年も「暑い夏」がやってまいりました。

 キラキラと波が輝く海の向こうには、「そんな想い」をされた人々がおられるということを心のどこかにしっかりと根付かせておきたいものです。


☆今日の一句☆

 大丈夫
   いつかざわわと
         キビは揺る 

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