ほとけさまのおしえ「卵と鶏」
卵から「鶏」が生まれ、大きく育つと「卵」を生みます。
では一番最初は卵があったのか、それとも鶏がいたのか?
そういう「論争」が時々起こっております。
そしてそれはしばしば宗教においても起こっています。
つまり「宗教が先か?人が先か?」という問いです。
宗教とは「人がよりよく生きるための生き方や考え方を体系化したもの」とも言えるでしょう。
でも道を究め信仰が深まると、宗教のために「命を捧げることも辞さない」という考えも出てきます。
そしてそれを「賛美」するような考えも出てきたりします。
ではお釈迦様はそういう考えについて、「どう」答えられたのでしょう?
有名なのは、「旅人と大きな筏(いかだ)」の話です。
ある旅人が「大きな河」に差しかかり、途方に暮れていました。
するとある人が大きな「筏」を作り、旅人に渡します。
旅人は筏に乗って「快適に」大河を渡ることができました。
喜んだ旅人は、「この大きな筏を担いで旅を続けよう」と言いました。
さてこの旅人を「賢い」と思いますか?それとも「愚か」だと思いますか?
そう弟子に問うとみんなが「愚かでございます」と答えました。
それを聞いてお釈迦様は「そうであろう。仏教も筏と同じだよ。」と言われたということです。
つまりお釈迦様は、「旅を続ける(人として生きる)」ことを大切にされ、仏教はそれを「支えるためのもの」だと示されたのです。
そのことから、「人の命」こそ一番先に考えるべきであり、「仏教のために命がおろそかになるようなことがあってはならない」と言えるのではないでしょうか?
☆今日の一句☆
お釈迦様
生きる教えを
残さるる