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ほとけさまのおしえ「瓦」
今朝は一本の電話で目が覚めました。
それは「瓦屋」さんからのお電話でした。
お隣のお家が瓦を上げるので、クレーンを一日駐車場に停めさせてほしいとのこと。
快諾をして電話を切り、「三年前」のことを思い出しておりました。
自坊は三年前に「瓦の総葺き替え」をいたしております。
鬼瓦の隙間から雨漏りがあり、棟瓦もズレて傾いていたので、落下の危険性もありました。
しかし、お寺の瓦の葺き替えはそう簡単にはできません。
なんと言っても瓦の枚数が違います。
普通の家で約二千枚の瓦が必要ですが、自坊の瓦は「一万枚以上」になります。
それをすべて新しくして、しかも「鬼瓦や棟瓦」は特注のものが必要です。
さらに高さ「十メートル」の足場を四方に囲うように組まなければなりませんし、雨樋などの新調も必要です。
瓦は「淡路」から取り寄せ、棟瓦と鬼瓦は「三州瓦」を取り寄せてもらいました。
当然それなりにコストもかかりますので、御同行様へ「御懇志」のお願いもさせて頂きました。
それだけでは足らず、瓦に「ご法名」を書いて一枚千円で奉納していただいたりしました。
その数は五百枚を超え、おかげで「習字」が少し上手くなった気がします。
そんな葺き替え工事を、「棟梁」さん三人で三ヶ月かけてしていただいたのです。
大変な作業でしたが、これであと「百年」は大丈夫と安心しております。
そしていろいろなお寺の瓦を拝見すると、御同行様の想いと世話方や住職の苦労があってのことだと「想いを馳せる」のです。
ちなみに自坊の瓦の葺き替えはインフレが始まった頃でしたが、今しようとすると「二倍以上」はかかるそうです。
あのときに思い切って葺き替えをさせていただいてよかったと思っております。
そしてもし菩提のお寺が修繕のご懇志をお願いしていたら、ぜひ「快く」応じていただければありがたいと思っております。
☆今日の一句☆
青空に
映える瓦の
美しき