ほとけさまのおしえ「牡蠣飯」
暑さが収まり、朝夕涼しめの風が吹くようになると、湧き起こってくるのは食欲です。
凡夫の慎むべき五欲の中にも位置づけられているこの欲望は、なかなか消し去ることができません。
というより、消し去ることはつまりは生命の終わりを意味します。
なので凡夫の我々は消さず上手に付き合っていく心持ちが大切になってくるわけです。
それにはじっくりと食欲と向き合い、自分の中の「欲望がどのように起こり、そして消えていくのか」をつぶさに観ずる姿勢が必要でしょう。
と何やら立派なことを言おうとしているようですが、実際やっていることは目の前のご馳走を「美味しく味わっていただく」ということです。
そして今日は広島県は宮島が見渡せる牡蠣小屋で、「牡蠣づくしの定食」をいただきました。
焼き牡蠣、蒸し牡蠣、牡蠣フライ、牡蠣飯、牡蠣の佃煮のフルセットに、一品で牡蠣の塩バター焼きを追加します。
全部で牡蠣を「ニ十個」はいただいたでしょうか。
その一つ一つに感謝して、目を瞑って鼻に抜ける香りや食感を味わっていただきました。
特に今回は「牡蠣飯」を初めていただきました。
磯の香りがご飯の一粒ずつに染み込んでいて、なんとも言えぬ美味しさでした。
ふと目を遠くにやると、「厳島神社の大鳥居」が小さく見えております。
この海で大きく育った命をいただき、とても力が「湧き出てくる」のを感じております。
☆今日の一句☆
育まる
牡蠣の命の
粒旨し