私の好きな曲の話をします。④サンボマスター「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」
こんばんは。シリアスファイターです。
世間や自分の流行に流されずに、私がずーーーっと大切に聞き続けている曲を言語化してみようという取組の4回目。
今回は、サンボマスターが2006年にリリースしたシングル「全ての夜と全ての朝にタンバリンを鳴らすのだ」についてです。
この曲の前にリリースされたのが、バンドの知名度をグッとお茶の間レベルで引き上げることになった「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」だったこともあり、この曲がリリースされる時も、「次の新曲はタイトルが長い!」とか「カップリングに和田アキ子さんのカバー(「あの鐘を鳴らすのはあなた」)が!」とか、そんな触れ込みで音楽番組でも紹介されていたような気がします。
そんなことはお構いなしに、というか大して気になりもせずに聞いたこの曲は、そんなタイトルの長さを遙かに超えるnoteを書くには、充分すぎるくらい好きな一曲。
山口さんの緩やかで優しいアルペジオ(自身がよくライブで言っている「めちゃくちゃ上手いギター」そのもの)に語りを乗せたイントロから、木内さんのドラムを皮切りに、スーッとすきま風が吹き込むように軽快なAメロへ。
ここから曲が終わるまでの展開は全て、自然でシームレス。
終始聞き心地のよいメロディと演奏が続きます。
極端に、光or闇に心のメトロノームを振り切りたいと、定期的に思うことはあってもできないのが人生の常ですが、そんな気持ちも含めて、光も闇も詰まったこの曲が鳴っている間は、普段はとてもじゃないけど表にできない、ありのまますぎる私の思いが、静かに解き放たれていくような感覚に満たされます。
曲調が終始ポップで軽快さを失わないことも重要なポイント。
生きる上で割と深刻なテーマを歌っているにも関わらず、肩肘張ることなく、時には音だけに身を委ねて、身体を揺らしながら浸れる安心感も兼ね備えています。
全身全霊で叫んで、直情的に思いの丈をぶつけるロックンロールも多いイメージのあるサンボマスターですが、この曲に代表されるようなソウルミュージックのエッセンスもとても大好き。
(元々、ソウルとパンクの融合みたいなことをずっとやってるバンドという認識です。)
熱いイメージが先行している山口さんの歌声も終始、裏声を多用した優しいもので、ただでさえキーが高いサンボマスターの曲の中でも、この曲をカラオケで歌うのは至難の技です。
私には無理。
(余談ですが、私はカラオケでサンボの曲は歌えません。
どう歌っても様にならないというか、山口さんが歌って叫んでこそと思ってしまうのです。)。
ちょっと話が逸れましたが、そんなそっと心に染み入るソウルミュージックが終始展開される中、曲が2番に入る頃には、光と闇の話から、いつか終わってしまう人生のことにも言及されます。
光と闇のこと、生きることといずれいなくなってしまうこと、その2つをシンプルに把握した上で、間奏では、「お前のタンバリンを、思いを聞かせてくれ!」と言っているかのように、聞き手すら当事者にさせる力強いオイオイコールが巻き起こる中、ロックンロールを純粋に切望する山口さんによる渾身の語り、叫び。
聞いている私の想いと、サンボマスターの曲が手を取り合った先に、私だけのロックンロールが始まります。
辛い夜の先に明るい朝を切望しても、苦しい朝の先に優しい夜を切望しても、それは必ず訪れるものではありません。
それでも、タンバリンを、ロックンロールを私たちは常に鳴らし続けてるから心配すんな!という、ある意味無責任な包容力と力強さが心にあるだけで救われる夜があるし、朝があります。
だからふと辛くなった時、今しかない人生を生きるために、私だけのタンバリンを鳴らすのです。
パンパンパン!シャラシャラシャラ~。
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
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何気に半年ぶりでした…。