【ネタバレあり ライブ感想文】ユニコーン「2023-2024ツアー「クロスロード」」@札幌文化芸術劇場hitaru 2023.3.1(金)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回はユニコーンのライブツアー、札幌公演のライブ感想文です。
現在も継続中のツアーですが、以下、明るく楽しく元気よく、演奏曲や演出に触れ続ける無邪気な文章が展開されますので、今後ツアーに参加される方につきましては、閲覧要注意でお願いいたします。
それでは。
私が存在を知った頃には解散していたユニコーンですが、2009年に再結成された際に、とてつもなく話題になっていた1173(いい波)に乗っかって聞いてみたら、その音楽性の振り幅…というか、自由すぎるくらいに音を、音楽を楽しんでいる様に、一瞬でトリコに。
楽しいと同時に、バンドは自由で、型にはまる必要はないんだということをその存在で示してくれた、私にとっては元祖のようなバンドであり、ライブも復活後、何度か見ている気がしていましたが何とびっくり、今回のツアー参加が12年ぶり…12年!?
思い起こせば見ていたのは、奥田民生さんのソロだったり、楽器隊3名が組んでいる電大という別バンドのツアーだったり、ユニコーンで出るはずだったライジングサンで、ドラムの川西さんの不調により、急遽民生さんとABEDONさんの2人編成のライブだったりと、そういえばユニコーンとしてのライブを見たのは、2011年のワンマン一度きり。
こうして干支が一周する間、いまだに現役で活躍されていることに、驚きとありがたみを隠しきれないまま、久しぶりのhitaruにレッツゴー!!
開演前の会場には、宇宙空間の中に漂流しているかのような、ぼわあっと広がるBGMが流れる中、ステージに組まれたセットは、まるで荒廃した古代遺跡のイメージ。
アルバム発売前に解禁されたEPと、宇宙兄弟のコラボムービーの延長線上にある空間を再現したようなステージにワクワクしながら、開演時間を待ちます。
ほぼ定刻通り暗転すると同時に、ステージ上空に緑色のレーザーで描き出されるのは「2124.03.01」。
今日この日からちょうど100年後の日付を示す時計は、どんどん時を遡り、今日の日付になると同時に大きな歓声が…!
時空を超えた時間旅行の末、タイムスリップするような感覚を底上げするように、宇宙船が襲来したかのようなスケールの大きいSEが、真っ暗なステージに流れ始めます…!
そして瞬間!
ステージ中央のお立ち台に既に姿を現していた5人に照明が当たると、歓声と拍手は一際勢いを増します。
まさしく、音楽界のアベンジャーズ襲来の様相…!
皆思い思いのポーズを決めてアピールしています…既に楽しすぎる…!
再び暗闇に包まれるステージで、各々の定位置にゆったりと移動する5人。
さあ、いよいよ時空を越えた音楽旅行が始まるぞぉぉーー!
…と思ったら、ステージの上手を照らし出すスポットライト上には、ちょこん。と密集する5人の姿が笑
民生さんは笛、テッシーさんはウクレレのような小さいギター、EBIさんはミニベース、川西さんはミニドラム、ABEDONさんはミニマリンバを構え、ちっちゃく可愛らしいセッションから始まる一曲目は、アルバム同様「クロスロード」。
スケールの大きさを演出する音楽と演出を全て出オチにしてしまうようなスケールの振り幅に早くも圧倒笑
そうして1番のサビ前まで演奏すると、大慌てで本来の定位置に戻る5人は、サビに入ると同時に陽気なバンドサウンドを聞かせてくれます。
原曲通りのアレンジをライブで再現するのが、こんなに大変だとは…笑
こうして2番に入る前にまた上手に戻り、サビになるとまた定位置に戻りと、コントのような忙しなさに包まれるステージから鳴らされる肝心の音楽は、安心安全安定のグルーヴ。
こうして楽しい楽しい音楽の時間旅行は本当にはじまりはじまり〜!
曲が終わるとともに、再び宇宙空間に漂うような浮遊感のあるサウンドが聞こえます…!
川西さんの力強いスティックカウントから、「Feel So Moon」で、イントロからクールにドライブするギターが、俊敏に心と身体を駆け巡ります!
これこれこれ!
なんて爽快なグルーヴ!!
民生さん「札幌ぉぉぉ!!!!」
イントロから民生さんのシャウトも絶好調で、たちまち眼前には見渡す限りのロックンロールの宇宙。
今日のライブがますます楽しくなる予感と実感を搭載した私のエンジンは、ますますうねりを上げて加速していきます…!
民生さん
「はい。こんばんは。ユニコーンです。
ご無沙汰ですね…。
ご無沙汰しすぎて、忘れちゃってるかもしれませんね…。
なにっしー、でしたっけ?」
緩いMCの入りとともに、早速いじられるテッシーさんを皮切りに、思い出せないフリを続ける民生さんによるメンバー紹介笑
EBIさんだけサラリと紹介され笑、その後、川西さんは「かわにっしー!?かわにっしー!?」とあだ名のように呼ばれ、「何どんでしたっけ?」とバリエーションがありすぎたABEDONさん、最後にはテッシーさんからの逆襲?笑として、「何おでしたっけ?笑」と、これまたバリエーションが多そうな振りから紹介される民生さん笑
その場で緩く、愉快なグルーヴが広がっていくユニコーンの皆さん笑
民生さん
「(ここは)何っ幌でしたっけ?」
手島さん
「…野幌?」
民生さん
「…いや、ここはそんなに喋んないとこだった。」
段取りを真顔で思い出した民生さん笑
そのまま弾き始めたギターフレーズはまさかの「与える男」!
唐突な過去選曲に、特に周りにいらっしゃった長年のファンのみなさんが大歓喜するリアクションを肌で感じながら、発表当時よりも太く身の詰まったギターの音色を全身で受け止めます。
民生さんがハンドマイクに持ち替えると、橙一色になったステージから放つ「ネイビーオレンジ」。
ステージを左右に歩き回りながら、目まぐるしく動めくシンセの音色と鋭いバンドサウンドに、どっかりと腰を下ろすように、太い声を響かせる民生さん。
間違いなく同バンドの曲である「Maybe Blue」を意識して作られたこの曲は、今のユニコーンが表現することで、当時のセクシーさに、たくましさがプラスされた香ばしい味わいに…!
民生さん劇場の後は、ステージ中央にスタンドマイクが登場。
民生さんがスタンドマイク横のカウベルを鳴らし始めると、フライングVのギターを構えたABEDONさんがスタンバイ。
曲はもちろん、「OAW!」。
歌詞に登場する銀色のスニーカーを履いたABEDONさんは、何度も右足を上げてアピールしながら、力強いギタープレイと快活な歌声を聞かせてくれます…!
サビに入ると、ステージ頭上のテロップに、「GO!テッシー!」というテロップがずっと流れ続け、それが面白くて一瞬曲に集中できなくなりましたが笑、そのテッシーさんによるめくるめくキラキラのライトハンド奏法で、ギター大好きキッズはメロメロ…!
ABEDONさんも負けじと間奏で熱のこもったギタープレイを見せてくれますが、その後の歌の入りが飛んでしまい、思わず笑ってしまう場面も笑
そんなお茶目さも含めて、トリプルギターの破壊力に完全にノックアウト…!
こうして次の曲の準備に入りますが、あれ?EBIさんがいなくなって戻ってきません。
ですがそれはお構いなしに、ABEDONさんによるMCタイム。
ABEDONさん
「札幌に戻ってきて、我々はユニコーンなんですけれども笑、今日も変わらずこの「4人」でやってきました。
インドの方の石油も大豊作で、ガンガン儲けたお金をふんだんに使いまして、普段ならこのホールも1階席しか使わないんですけど…」
民生さん
「普段1階だけなの!?」
ABEDONさん
「そう、普通のジャパンミュージシャン笑は1階だけなんだけど、2階も3階も、はたまたロビーやトイレまで貸し切りましたので、皆さんも存分に使っていただきたいと思います。
あ、もう今じゃロビーって言わないんですよ、なんて言うか知ってます?
ホワイエですよホワイエ!
今日書いてあったもん、矢印でホワイエって!」
奧田さん
「なにそれ!?ホントに知らないんだけど!
何語ですか?
トイレか何かですか?」
真実と虚構が混じった全く脈絡のないストーリーをあたかもそのように話すABEDONさんに、冷静にツッコミを入れ続ける民生さんという構図の漫才が、あまりにも面白すぎる時間笑笑笑
そんな「4人」でやってきたバンドのライブに、今日はスキーが上手いと噂されているスペシャルゲストがいるとのこと…!
こうして呼び込まれるのは、そんな紹介に吊られるように華麗にエアスキーを決めながら、アメリカの国旗のような色味の帽子とイカしたジャケットを羽織ったEBIさん!笑
「はーい!
健康の「健」に、「人」と書いて健人でーす!
札幌最高ぉぉ!」
登場からノリノリの健人さん(EBIさん)による楽しいクイズコーナーに突入笑
健人さん
「アメリカ横断!ウルトラクイズ!
北海道のお米といえばー?
お客さん(ゆめぴりか〜!の声)
ゆめぴりか…ですがぁ!
米に、米に、夢と言えばー?
お客さん(まいまいゆめ〜!の声)
まいまいゆめ…ですがぁ!」
会場のお客さんとコミュニケーションを重ねながら次の曲へ繋げていきますが、最終的には「お客さんは何も言ってないよ。」と民生さんにツッコミを受けながら、自分で答えに辿り着いてしまい、着地点を見失う健人さん笑
そうして見かねたように楽器隊が演奏を始めると、何事もなかったのように「米米夢」スタート!笑
スタンドマイクでノリノリの健人さんが、唯一無二のハイトーンボイスで陽気に歌い上げる様に合わせて、客席は物販で売られていたピンク色のペンライトが元気よく揺れていました…!
曲が終わるとサッと袖に履け、帽子とジャケットを脱いで、スッと定位置に戻るEBIさんに笑いと拍手が笑!
EBIさんの準備ができたことを確認すると、前曲のようなウエスタン調のビートを受け継ぐように、ズバっズバっと切り込む民生さんのギターから「頼みたいぜ」。
最後のサビは、「歌え歌え!」と何も言わずともジェスチャーで促す民生さんに煽られ、まさかの手島さんに歌をほぼ丸投げするというレアな光景も。
予定調和なしで、その場その場で楽しそうな方向に音楽の舵を切り続ける様に、私のニコニコニヤニヤも止まりません😊
そんな音楽の航海はまたも予想外の方向へ。
暗闇でセッティングを終え演奏される手島さんボーカルの「オカゲサマ」では、まさかのABEDONさんはトランペット、民生さんはサックス!
それでもイントロのフレーズは何だか上手くいかなかった様子で、首を傾げるABEDONさん(こちらには全くもって分からなかったですが…!)。
間奏では再びそれぞれのソロパートを完璧に決める2人に大拍手!
そんな2人の名前を呼ぶテッシーさんと、言うまでもなく手島さん曲ということで、その倍の声でテッシーさんを呼ぶ民生さん。
お互いの演奏を讃えあいながら、楽しいライブは続きます。
ここで民生さんはドラムセットにスタンバイ。
交代でハンドマイクを持ち、前に出てくるのはもちろん川西さん。
川西さん
「準備はいいかーい?」
イカしたサングラスをかけ、メンバーで1番年を重ねているはずなのに、1番歳を感じさせない肉体の持ち主に歓声が上がる中「1万トンバース」。
少し後ろ気味のテンポで、間違いなく川西さんしか歌えない味のある歌声を響かせながら、ABEDONさんとテッシーさんのギターの掛け合いに「いけ!いけ!」と身振り手振りで絡み、セッションを展開して盛り上げます。
曲が終わると、真っ暗なステージに川西さんのみを照らし出すスポットライトが当たり、川西さんの近況MCコーナーへ。
川西さん
「昨日の朝も、あの、ビックリするようなニュースがあったけど!
俺にもびっくりするようなニュースが、二つあった!
(下手に隠れていたABEDONさんに話しかけるように。思わず巻き込まれたABEDONさんは笑ってました笑)
一つは、外で寒くて飲み物を買おうとしたら、どの自販機に寄っても「つめた〜い」しかなかった!
もう一つは、Woltってあるでしょ?Uberみたいなやつ。
その宅配の人と道ですれ違って、3人とも自転車だったの!滑らないのかって!」
北海道のびっくり思い出話を嬉々として話す川西さん笑
川西さん
「そんなことがあったんだけど………少しゆっくりしようか!」
全く脈絡がない川西ワールドへようこそと言わんばかりに、下手に用意されていたビーチチェアに川西さんが寝そべると、そのまま「モッカ幸せ」をのんべんだらりと歌い始めました笑
流石にずっと寝ていたわけではなく、歌いながら歌詞に沿って各メンバーにちょっかいをかけたり、間奏部ではABEDONさんのギターとユニゾンするフレーズで、まさかのキーボード演奏を披露してくれたりと、もう川西さんの一挙手一投足から全く目が離せません。
たった2曲でここまで川西幸一を味わえるとは…贅沢極まりない時間…!
もうすっかり自由すぎる雰囲気が浸透しきったところで鳴らされる「風と太陽」の、妙な説得力に肩の力がさらに抜ける事態に。
意味があるようなないような、言葉遊びが連想していくような歌詞と、ひたすら風通しのよいメロディに、音楽は何一つ型にハマる必要がないと、言われなくても無意識に刷り込まれているような、ユニコーンというバンドを知った時に私が味わった感覚が全身を満たします。
音楽も、生きることも、自分が思ってるよりずっと自由。
そう不思議と思えてしまう風通しのいいメロディに浸りました。
そのまま民生さんはアコギに持ち替え、何だか力の抜けるタイトルとは裏腹に、手島さんによる哀愁漂う歌と演奏にじっと聞き入ってしまう「オラ後半戦いくだ」から、文字通りライブは折り返し。
するとこの次。
川西さんのカウントから始まったのは、まさかの「デジタルスープ」…!
待ってください…好きすぎるんです…!
Bメロからサビに向かう過程で段々と明るさを増す照明と、ぐんぐん成長して湧き上がるグルーヴが眩しくて…!暖かくて…!!
いつかデータだけの存在になっても、今ここで音楽に震える実感と動く心をギュッと捉えて、心から愛を込めて手を上げるこの瞬間の愛おしさは、何度ライブに行こうとかけがえのない瞬間であることは、死ぬまで、死んでも変わらないと信じられる時間。
時間を飛び越えるというツアーコンセプトにもぴたりとハマる選曲。
後半戦早々にこんな情緒になって…この後どうなってしまうの私…??
すると暗闇から聞こえるのは威勢のいいバイクのエンジン音。
照明がパッと明るくなると、フルフェイスのヘルメットを付けた5人による文字通りの、「バイカーズパラダイス」!
フルフェイスから放たれている(そういうわけではない笑)とは思えないほど、相変わらず瑞々しく、苦しさを感じさせないEBIさんの歌声に惚れ惚れしつつ、曲中のコールにたくさんの歌声と手が上がる客席…!
続く「ZERO」では、パソコンが置かれたDJ卓のようなものがステージ下手に登場。
そこに鎮座するABEDONさんは、何故かサビに入るまでフルフェイスを着用したままだったのは謎でしたが笑、大変そうだったのはEBIさんと川西さん。
最初のサビが訪れるまで出番のない2人は、ステージ左右の花道でずっとバンドロゴの旗を振ったり、お客さんとハイタッチしたりしていますが、サビの出番が近づくと大慌てで自分の定位置に戻り、素早くセッティングしてなんとか演奏に間に合うという剛腕振り!
一曲目の「クロスロード」を超える慌てぶりで見ていてハラハラしましたが笑、それでも演奏が始まるとそんなことは忘れてしまうほど安定したリズムと演奏は流石の一言…!
今度は民生さんがセンターに立つと、ゆっくりとステージ頭上にミラーボールが降りてきます。
イントロのビート及び民生さんの「札幌ぉぉぉ!」という雄叫びとともに、ギラギラと回り出すミラーボール。
「チラーRhythm」で、会場はたちまちディスコホールに…!
サビ前で決める「チラチラ〜!」というコーラスを、最後だけその場の即興で「ヘイヘイホ〜!!」に変えるというアドリブを魅せる川西さんに、思わず民生さんが笑ってしまうという最高に楽しいハプニング笑?もあり、終始笑顔と左右に揺れる色とりどりのペンライトに溢れる楽しいダンスタイムに…!
再びセンターのスタンドマイクの前に立つABEDONさんが、客席に向かってグッと腕を突き出して人差し指を立てると、その風貌はまるでロックスター…!
無鉄砲なエネルギーが溢れ出す「SAMURAI 5」のロックンロールが転がり続ける中、間奏ではABEDONさんを中心としたコントじみた(とても長い)MCコーナーへ!笑
「俺たちが交差点を歩いていた時…」と話し始めると、ステージの上手、下手にはそれぞれ大きな紙袋が。
とても大きな袋ですが、それを「拾った」と主張し続けるABEDONさんが中から取り出す物は、北海道にまつわる土産物の数々。
かわいい蟹の被り物は自分で装着、次に出てきたメロンの被り物は民生さんが装着し、会場中から「かわいいー!」の歓声!
その後も、札幌にあるテレビ塔のイメージキャラクター、テレビ父さんのヨーヨー型のぬいぐるみや、鮭の大きなポーチなど次々と物が飛び出す中、最後に出てきたのはまさかのいくら丼笑
それを「美味い美味い」と言って、食べ出して止まらないABEDONさん笑(その後EBIさんも食べ、民生さんが「いつまで食べるんだ。」と没収した側から、後ろを向いてコソコソと食べていました笑)
そうして再び曲を元に戻そうとするも、よく分からなくなったABEDONさんは、「交差点を」拾ってしまったり、予定していた歌詞を何度も間違えながら、最終的には100円玉を拾うという当初通りのオチへ。
ABEDONさん
「これは、警察に届けなきゃ。
警察の人いますか?」
と、会場にいた警察で働いているお客さんに渡そうと試みますが、近くに同じようなお客さんが沢山いたため、混線して誰に渡していいか分からず、曖昧なまま終了笑
さて、どうやって曲を再開しようかと悩むも、中々糸口が見えないグダグダな空気に包まれる会場を見たABEDONさんが一言。
「ザワザワしてるな…!
この空気がたまんないんだよな…!笑」
まるでマゾヒストのような発言に会場が爆笑に包まれる中、ようやく曲が再開されるとともに、最後のサビでは勢いよく銀テープ発射と共に、雪崩れ込む痛快なグルーヴ!
これぞ!!
無責任で無敵なロックンロール!!
もう10分以上やっていたであろう同曲を終え、色んな意味でヘトヘト…になっている場合ではありませんでした!
間髪入れずに暗闇から聞こえてきたのは、無邪気に暴れ回るテッシーさんのあのギターフレーズ…とうとう生で聞けた「大迷惑」!!
悲しみの単身赴任を、ええじゃないか状態の忙しすぎる音楽で吹き飛ばす様は、採用3年目くらいの若手社員から、中間管理職くらいの音像に変貌を遂げるも、曲に込められた簡単に例え難い悲しみは永遠普遍…!
最後の民生さんのロングトーンは、今この瞬間が過去1番に突き抜けて、最高に伸びる!伸びる!伸びーーーーーるカタルシス…!
決して若返ることはなくとも、歳を重ねる中で音楽はまだまだ楽しくなると、その音と姿勢を感じるだけで、本能で理解できるようなロックンロール…!
こうして盛り上がりもピークを迎えた中、ABEDONさんがギターを構えます。
民生さんと向き合い、お互いにリズムを取りながら奏で始めるアルペジオは「すばらしい日々」…!
聞いている間は、私にとって「寂しさ」で満たされてしまうこの曲。
今の自分を楽しんで、精一杯生き続けることに専心した先で会える「あなた」は、もうどう頑張っても生きてるうちには会えない誰かや、何かかもしれないとふと思うと、今日ここまでのめくるめくような、かけがえのない音楽の風景と思いが溢れて止まりませんでした。
おそらくこのライブはそろそろ終わるけど、それでも、この永遠のように続く美しいアウトロが、いつまでも終わらないでほしい、なんて楽しくてたくさん笑ったライブだからこそ、そんな真面目なことで身体も心もいっぱいになって、演奏している5人の姿と音を更に焼き付けようと、自然と全集中するような時間が過ぎていきました。
民生さん
「ありがとうー!」
ABEDONさんの優しいピアノから、訪れた最後は「アルカセ」。
すっかり寂しくなった気持ちはそのままで、終わる事実も変わらないけど、今目の前に、心の中に広がる、何度でも、何度でも広がり続けて、止まるところを知らないサビのアンサンブルと力強い歌声に、また何度でも、何歩でも、歩き出せそうな追い風が吹き続けていました。
すっかりセンチメンタルまっしぐらな思いを抱えたまま、それでも拍手だけはやめなかった私の両手は偉い👏
アンコールで再びメンバーが登場すると、北海道にちなんでか、松山千春さんの「大空と大地の中で」を唐突に歌い出す民生さん笑
民生さん
「あっ!間違えた!
はて〜しない〜♪、じゃなくて、はてしなーくつづくよーなー♪、だった!!」
ABEDONさんのキーボードを促し、本当のアンコール一曲目は、大きな拍手とともに、たおやかに再起動する雄大なアンサンブル、
「ひまわり」。
ゆったりと、でも確かにそこに咲いているに違いない自分の意志のような花を、鳴らされる音像の中にしっかりと確かめながら、このホールにしっかりと、二本の脚で立っている自分を認識します。
こうして、すっかり「真面目に音楽モード」が続いていたライブも、最後にはまた楽しくお別れ!
楽器を置いて、バンドロゴの旗を持って前に出てきた5人(ABEDONさんだけ、肩に動物のぬいぐるみ?を付けた、水色のギラギラジャケットに着替えて、旗も派手でした笑)が、同期のトラック乗せて歌う「100年ぶる〜す」でエンディング!
ステージの端から端まで5人で歩きながら、(最初、手島さんだけステージ上に置いてかれてましたが笑)曲途中、最初に登場したお立ち台に再び立って、用意されていた動物の耳のカチューシャを5人で装着するという愛らしさ!笑
ABEDONさんだけ、最後のサビ入る前に早々に外していましたが笑、かわいく、楽しく、客席でもたくさんの旗が揺れる中、愛おしくて仕方ない音楽の時間旅行はこれにておしまい。
最後には各メンバーがピックやらタオルやらをたくさん客席に投げ込む中、1人最後まで名残惜しそうに手を振っていた川西さんが、深々と客席にお辞儀すると、より一層大きな拍手に包まれる会場。
そのまま投げキッスで退場!笑
5人の時間旅行は、次の旭川に続いていくのでした。
歳を重ね、経験を重ねることで、成熟した豪快なグルーヴだったことは言わずもがなですが、そんな音楽的なスキルがどうとか、難しいことなんて考えるまでもなく、「音楽」でこんなに遊べて、感動できることが尊すぎたライブ。
何年経っても、こんな音楽が鳴らせて聞ける人生があるとしたら…それは悪くなさすぎます!!
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。