【ネタバレあり ライブ感想文】a flood of circle「Tour 花降る空に不滅の歌を」@札幌ペニーレーン24 2023.4.14(金)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回はa flood of circle(以下、フラッド)のライブツアー、札幌公演のライブ感想文です。
例によって継続中のツアーですが、演奏曲に全曲触れたため、これからツアーに参加される方は以下、閲覧要注意です。
それでは。
いきなり私の話ですが、個人的に4月の平日はとっっっても繁忙期のため、ライブを入れるのは基本的に控えています。
おまけに今年度は、そこに引越しやら職場の部署異動も重なったため、まだまだ落ち着かない日々が続く4月中旬。
でも、心のどこかで諦めきれない気持ちを抱えたまま、傑作アルバム「花降る空に不滅の歌を」を通勤時間に相変わらず聞いていました。
アルバムについては以下の記事に、しこたま想いをぶつけました。
こうしてライブがある週、見通しがある程度経ってきたライブ2日前…。
「…ギリギリ間に合うんじゃないか?」
そう思ってしまった私の夢を叶える奴は私しかいませんでした。
ということで、家族の許可も取り、仕事終わりに早足で電車に乗り込み、早足すぎるあまり結果的に開場時間にすら間に合ったペニーレーンに突撃した記録です。
仕事終わりで明らかに浮いている身なりの私でしたが、会場に流れる空気は自由そのもの。
開演を待つ時間に心細い気持ちは一切なく、直前のサウンドチェックでスタッフさんがテツさんのギターを鳴らし、いつもながらの爆音に会場中がギョッ!とすると、いよいよか…!と期待感が高まります。
時間通り暗転する会場に、いつものSEとともに渡邊さんを筆頭にメンバーが姿を表すと、フラッドのペニーレーンワンマンではおそらく初?の観客の歓声が上がります…!
そういえばフラッドのライブで堂々と声出しできるのは本当に久々(個人的には2019年のライジングサン以来?)で、会場中のポジティブな雰囲気も相まって、私も思わず声が出ます…!
「おはようございます。
a flood of circleです。」
一曲目はニューアルバムから「バードヘッドブルース」。
CDでも、サブスクでも、全く物足りなかった、サビになった瞬間のグルーヴの破壊力足るや…!!!
初っ端から沸点を振り切る勢いで燃えるフロアの光景も含めて、自然と胸が熱くなります…!
間髪入れず、佐々木さんの鋭いギターフレーズから「The Beautiful Monkeys」。
鳥→猿、理性を失った動物のように、頭空っぽにしてこのロックンロールパーティを楽しめってことか!?
…そりゃ楽しむわ!!と観客の鋭い手が先ほど以上に上がりまくり、私も踊りまくり!
「札幌ーー!!!」
イントロから、佐々木さんのハスキーなシャウトが轟いた「ミッドナイト・クローラー」で、既に私の心のダムは決壊してしまいました。
何かと環境の変化に振り回され続けたここ数週間の中で、それでも今日も辿り着いたペニーレーンで、何があっても止まらない爆音のロックバンドが、生きるためのガソリンを獰猛な勢いで注入してくるものですから、身体に納まり切らず目から溢れ出しても仕方ありませんでした…。
一旦ギターを置いた佐々木さんは、そのままハンドマイクに持ち替え、私はライブ現場で初聞きとなった「Black Eye Blues」。
冒頭から空になったお茶割りの缶を頭上にぶん投げ、ステージ上を左右に動きながら言葉を次々に叩きつける佐々木さん。
声が出せるフラッドのライブの強みが大いに生きるこの曲…。
自然と私も「woh oh oh!!」と叫びながら、この日のロックンロールパーティの共犯者になったような心持ちに思わずニヤニヤしてしまいます…!
「初めましてこんばんは!the pillowsです!」
佐々木さんが本物の如何様師ぶりを発揮するスタートダッシュを決めた「如何様師のバラード」では、とうとう佐々木さんが客席フロアに降りてくる事態に…!!!
フロア中央まで練り歩きながら歌い続ける佐々木さんは、付近で見ていたお客さんの髪型を「かわいいね!」と褒めたり、別のお客さんに手持ちのお茶割り缶を持たせて、近くの柵によじ登って歌い、その周りに観客が入り乱れるなど、予定調和ゼロのカオスな展開に楽しすぎてニヤニヤが止まりません!!
如何様なんて通用しない、目の前で繰り広げられる本物が全てを物語るライブハウスの光景に歓喜しながら、とうとう生で聞けた「Party Monster Bop」!
「あるわけねえだろ!!そんなもん!!!」の痺れるようなシャウト…ご馳走様でした…!
打席に立ち続け、傷つき続け、転び続けながらも、大好きなこのパーティを手放さないロックンロールバンドに、全力の歓声で応えました。
「札幌は食が充実してていいね…コンビニにお茶割りとハリボーも売ってるし。」
唐突に(おそらく) The Beatlesの「Penny Lane」 の一節を、流暢な英語で優しく弾き語り始めた佐々木さん。
今日の会場名にかけて連想されたであろうセレクトにニヤニヤしつつ、少し歌うと「ここから先は知らなーい♪」とおどける佐々木さん笑
なんだか和やかな雰囲気に包まれる会場に優しく、切なく刻みつけられた「カメラソング」。
前半の曲連打で、しゃがれた佐々木さんの声はさらにしゃがれたブルージーな色気を醸し出していて、一転して優しいストロークを奏でるテツさんのギターフレーズと素敵なマッチング…。
曲の持つ「優しさ」や「孤独で切ない情景」が浮かぶという意味で共通点が多いなとふと思った「人工衛星のブルース」。
ステージ上にオレンジ一色の照明が灯る中、届かなくても願いを込めて歌い続ける意志を紡ぐこの曲は、何があっても諦めない意志を刻んだ今回のアルバムツアーにピッタリすぎる選曲。
じっくりと集中して、目の前の光景を刻みつけました。
「ミサイルよりも遠くに飛んでくようなロックンロールを!」
奇しくも数日前にJアラートが鳴り響いた北海道でしたが、そんなものより私が見たかったのは、「花火を見に行こう」で、満開のロックが花を咲かせるところ。
いつしかすっかりライブで聞き慣れたこの曲が、今日も変わらずペニーレーンを、私の心を彩ってくれるこの景色に、ただただ感謝の気持ちしかありませんでした。
この日唯一の、少し長めのMCタイム。
数年前のライジングサンにて、今回のアルバムのジャケを手がけた奈良美智さんと話した思い出を、はにかみながら語る佐々木さん。
(どうやら奈良さんがジャケットを手がけたアナログレコード(限定生産で数が300枚ほど?)を、佐々木くんのために取っておくと言われたまま、その後特に何もなく、結局自分で買っちゃった笑というエピソード笑笑)
「このアルバムがあるのは、北海道のおかげでしょ。
(ライジングサンには)次いつ呼ばれるかな…勝手に行って、入口とかで歌ってようかな…笑」
いや、そんなサプライズあったら、どこいても猛ダッシュで入口いっちゃいますよ…(本気)
でも…まだ期待してますから…本出場…!(大本気)
「嫌われる覚悟はできてる!
でも好きなものがあるから怖くない!
愛を込めて…くたばれ!!!!!!」
サビのコーラス、テツさんのギラついた眼差しに突き刺された「くたばれマイダーリン」。
それにプラス、印象的だったのは渡邊さんのドラム。
原曲での一回一回のアタックの強さにプラスして、小気味良く跳ねるリズムがより強調されているような印象で、何だか楽しげな雰囲気すら感じられる大胆な進化に胸が躍ります…!
胸の高鳴りに従うように、暖かくなってきた北海道の春に羽ばたく「バタフライソング」では、HISAYO姐さんのこぼれる笑みも眩しく、「フライ!バタフライ!」の会場中の歌声も響き渡り、多幸感いっぱいに!
曲終わり、渡邊さんのゆったりと力強いドラムから、アルバム表題曲の「花降る空に不滅の歌を」へ。
飛んで、散って、それでも枯れない心をありのまま歌うような、前曲からの完璧な流れで、これでライブが終わってもおかしくないような切なさと興奮で思わず緩んだ頬から、笑顔が溢れっぱなしなことが自分でもよく分かりました…と、はっきり覚えてるわけじゃないですが、絶対そうだった確信があります。
それでもまだまだ終わらないパーティは、誰1人見たことがないエンドロールへ向け、終盤戦へ。
テツさんの重たいギターストロークから、真っ赤な流星群のような照明がステージに降り注ぐ「STARS」。
再び骨太のロックンロールとともに、まだ見ぬ星を探しに転がり始めます!
(本当に久しぶりに聞いた…!)
「このまま行くぞ!」
佐々木さんの力強いタイトルコールからの「GOOD LUCK MY FRIEND」で、どこか切なさを漂わせながら、ロックンロールは加速していきます。
曲そのものの持つ力もありますが、とてつもない速さで駆け抜けていく2曲に、もうすぐライブが終わってしまう…と感じざるを得なくなったことによる寂しさも大いに感じてきました…。
そんな私の思いなんて知ったことかと、曲終わりに何かをぶった斬るようなギターフレーズ。
その余韻を残しながら、メンバー4人がステージ中央に向かい合い、渡邊さんのカウントともに雪崩れ込むのはもちろん「プシケ」。
曲中盤の、メンバー紹介をしながら音が一つずつ重なっていく展開に、声出しの歓声で応えられる日が久しぶりにやってきました…!
本当に嬉しかった…!!!
「a flood of circle!!!!!」
佐々木さんのコールとともに、前方三人がお立ち台に上がり、その様を支える渡邊さんのドラムという構図は何度見ても胸が熱くなりますが、今日再び歓声とともに迎えられたこの瞬間は、今日しかないものとして記憶にしっかりと刻みつけられました。
興奮を抑えきれないかのようにテツさんは、ギターを高々と頭上に掲げ荒ぶったご様子!
「ぶっ飛ばせ、札幌おおお!
俺たちとあんたたちの明日に捧げます!!」
「プシケ」からの「シーガル」。
もう何度も見た流れなのに、過去一攻撃的に聞こえたテツさんのイントロのギターリフ…!!
この日は開始早々、佐々木さんのギタートラブルにより、2番の間奏終わりまで、佐々木さんはハンドマイクで絶唱する展開に…!
でもそんなこと全く気にならないほど、テツさん、HISAYOさん、渡邊さん、3人の楽器隊の演奏は盤石で力強く、佐々木さんのボーカルは絶好調。
最後には佐々木さんのギターを入れ替え、いつもの編成の4人は更に絶好調で最高という、この数分間で今のバンドがどれだけ最強か証明する二度とない「シーガル」…!
曲終わり、おもむろにお立ち台にマイクスタンドを置き、佐々木さんが歌い出した途端、猛烈に溢れ出しました。
ただただ佐々木さん自身を曝け出した歌を、眼前で剥き出しの姿で演奏する姿を見ているだけで、今の自分自身と一対一で向き合わざるを得なくなりました。
どれだけ懸命に生きてても、ダサくてカッコつかないこともあるし、転びまくるし、どれだけライブが楽しくても不安や悩みは鬱陶しいほどまとわりつくけど、それでも自分の好きなことには正直に、何があっても全力で向き合い続けると決めた佐々木さん、フラッドの姿は、あまりにも潔すぎて、大好きなロックバンドそのものでした。
喉がちぎれんばかりの勢いで叫ぶ佐々木さん。
私も、まだまだ生きたいという思いを込めて拳を掲げ、声を上げました…!
「俺は諦めねえぞ…。
まだ生きてる!
みんなも生きてる!おめでとう!!」
今日も生き抜いて、またこのライブハウスで出会えた観客に、これ以上ない言葉とともに最後に鳴らしたのは「本気で生きているのなら」でした。
余計なものを一才省いて、その音と言葉で最後まで、本気で生きる意志を、好きなものを貫く意志を紡ぎ切った4人は演奏を終えると、足早にステージを去りました。
当然のように、まだ本気が有り余ってますと言わんばかりにアンコールで手をぶっ叩き、間も無くアンコールが始まったのですが、過去1番潔く素早いアンコールでした。
登場し、各々の楽器を構えた途端早々に佐々木さんが歌い出したのは「The Key」。
久しぶりに聞きましたが、清涼感と力強さでよりタフな雰囲気に様変わりした印象で、「hello new world」のフレーズは思わず大きな声で私も歌ってしまいました…!
また新しい世界に一歩踏み出したところで、そのまま間髪入れずにラストは「ベイビーそれじゃまた」…!
途中ドラムがちょっともたついて?、渡邊さんは笑っていたし、間奏で佐々木さんはHISAYOさんに向かってステップを踏んで楽しそうだし、テツさんはアンコール登場からタバコをふかしてマイペースにギターを弾いているし、バラバラなままの4人がはちゃめちゃに躍動して、あっという間に終了。
「アイラブユー札幌!
明日は旭川ね、それから、またそのうちどっかで!」
次に会えるのはライブハウスなのか、フェスなのか分かりませんが、また必ず会いに行きます。
全力で迷って転び続けても、諦めずに本気で生きてる限り最後には笑うのは俺たちだ!と信じて、生の爆音と喉がちぎれんばかりの絶唱で転がり続けた最高のロックンロールパーティ…!
この日のライブが終わって強く刻みつける言葉は一つだけでした。
まだまだまだまだ、死んでたまるか!!!
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
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