【ネタバレあり ライブ感想文】UNISON SQUARE GARDEN「TOUR 2023 ”Ninth Peel” next」@ Zepp Sapporo 2023.11.9(木)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はUNISON SQUARE GARDEN(以下、ユニゾン)、今年発売のアルバムを引っ提げた全国ツアーの「2周目」、札幌公演のライブ感想文です。
この後、継続中のツアーだろうとお構いなしに演奏曲に触れるという、非常に危険極まりない文章が展開されます。
これからツアーに参加される方は迷わずブラウザバック推奨でございます!
さあ!さあ!!
そうでない方は以下、是非お付き合いくださいということで早速。
4月のツアー1周目、札幌公演参戦時は、相も変わらず予想外のセトリで驚きと感動と興奮を誘い続け、何よりも過去曲の選曲と繋ぎという点では、過去最大の沸点に到達したことを今でも鮮明に覚えています。
それから4ヵ月後のRISING SUN ROCK FESTIVALでも、フェスにも関わらずノンストップでMCなしに叩きつけられるロックバンド体験に、まだまだ陽射しが強すぎた時間帯にも関わらず、大いに燃え上がるに至った次第。
そこから更に3ヵ月。
このスパンでまたワンマンにありつけることが有り難すぎて羊蹄山の如し。
このまま来年の周年イヤーに突入することを考えると、まだまだロックバンド漬けの生活は続きそうなんて思いながら、そこそこ繁忙期の職場を、翌日の自分に対する期待を胸に飛び出し、ライブハウスへ駆け出して行ったのです。
(ちゃんと仕事はしました。)
この日は本当に久しぶりに、1階スタンディングフロアで見るZeppでのライブ。
整理番号も私がこれまで見てきたZeppのライブでは最も早く、前から2列目という最高の視界を獲得できたこと(ユニゾンのライブだから、安心してこの位置に来れたということも、もちろんある)やら、無事間に合ったことによる安堵や興奮やらがブレンドされて、既に気が気ではありません。
開演時刻ほぼジャストで暗転する開場に、いつものSE、背筋を伸ばしてゆったりと歩いて登場するいつもの鈴木さん、準備体操バッチリのいつもの田淵さん、ステージ中央までスタスタ歩き、客席に向かって大きく手を挙げるいつもの斎藤さん。
もうすっかり見慣れたいつもの光景のはずなのに、それでも胸が躍ってしまうのは、この変わらないロックバンドが、今日も今日しかないド派手なライブをしてくれることへの期待しかないからに違いありませんでした…!
斎藤さんの優しい歌唱とギターによるサビの歌唱から入る、ライブアレンジの「スカースデイル」からスタート…!
歌い出しから、ときめきとどよめきに包まれた場内は、バンドサウンドが一体となったイントロで歓声が上がり、1番の演奏が終わるとまたもや歓声や拍手が自然と起こり出す、何にも強制されない自由な反応に溢れていて、ポジティブで清涼感溢れる幕開けです。
演奏はこの日のグルーヴを一つ一つ確かめるようなしっかりとした足取りですが、とにかく瑞々しく、心が潤います…!
曲終わり、ニコッとはにかむ斎藤さん…!
「UNISON SQUARE GARDENです…!
…………ようこそぉぉ!!」
聞き馴染みのあるイントロのセッションと斎藤さんのタイトルコールに、発狂する声が後ろから沢山聞こえた「天国と地獄」で、瑞々しく潤った心の水分が瞬時に沸騰して蒸発…!!
灼熱のライブハウス空間に変貌を遂げます…!
いつもイントロから大暴れしている印象の田淵さんは、まだまだ淡々とプレイに徹していて大人しい印象ですが、音は凶暴そのもの。
先ほどから一転してソリッドすぎる音像に、目眩が…(クラクラ)
曲終わりに袖からスタッフさんが出てきて、鈴木さんにヘッドホンを装着する姿が目に入ったので、続くは同期を使った曲…何が来る…!!??
…おお!「恋する惑星」!
星のような形のキラキラした照明演出とともに、とうとう後ろに携えられていたツアーロゴの電飾もカラフルに灯り出し、途端にお祭り感に溢れます!
Aメロから、超絶怒涛の前傾姿勢で、今にもずっこけそうなステップを踏みながら、縦横無尽にステージを移動しベースを弾く田淵さんは、とうとう身体的なエンジンもかかってきたようでとても楽しそうです!笑
コーラス部分では一緒に歌うお客さんも多数出現!
最後のサビでは、鈴木さんが連打し続けるクラッシュシンバルの破壊力が凄まじすぎて、ライブ自体がクライマックスかと錯覚するほどのエネルギーに満ちています!
ツアー1周目は終盤の大団円を彩ったこの曲も、今日は序盤の大団円?というかド派手なオープニングセレモニーといったところでしょうか…!?
間髪入れずに斎藤さんが治安の悪すぎる鋭いギターストロークを魅せれば、とうとうライブで聞けた「BUSTER DICE MISERY」…!
特に印象的だったのは間奏部。
心臓がギャっ!!と飛び出すように、原曲以上に悲鳴を上げていた斎藤さんのギターフレーズは、さながらホラー映画の様相…!
そのままぐしゃっとバンドサウンドが弾けるまでの過程のセッションは、とてつもない緊張感を帯びながらも、3人の音がバチっと揃うたびに、私の興奮の天井を突き破ります…!
ちなみにサビ終わりの、斎藤さんのフレーズに合わせて、怪しく首を捻りながらこちらにギョロッとした視線を送る田淵さんは、生で見るとこれまたホラー映画のような狂気を携えていてゾッとしましたが、これがまた私の興奮を誘います笑
そこから序盤のラストスパートは「23:25」!お久しぶりです!
イントロからステージ中央の前に出て、コックリコックリ首を動かしたり、何度もハニカミながら、イカしたギターフレーズを奏で続ける斎藤さんがあまりにギターヒーローすぎて…もう楽しい…!
これが30分尺のフェスやイベントでのライブだったら、堂々たるクライマックスのような盛り上がりで、これでようやく序盤戦が終わりか…と勝手に思い込んでいたら…
むしろ始まりだったとは!
まだまだライブはこれからだとハジけるド派手なロックバンドは、改めてド派手なストリングスの同期があるのに、しっかりロックバンドがド派手でかっこいいという説得力を、目の前で提示してみせます…!
ここまで6曲。
ニューアルバムからの曲はまだ2曲ですが、しっかりと美味しいところに配置される大事なシングル曲…!
これはアルバムツアーだったことを改めて再認識しつつ、まだまだ始まったばかりのライブへの期待感は、始まる前以上に高まり続けるばかりでした…!!
メンバーの名前を呼ぶ声も響く中、ここで沈黙のインターバル休憩。
中盤戦は、鈴木さんによる高速ハイハットとバスドラを皮切りに、スネアやタム連打の怒涛の波状攻撃を仕掛けるドラムソロからスタート。
途中からギターとベースが合流すると、少し怪しげに、でも確実に夜道を疾走するようなセッションに発展。
まさかそこから続くのが「ここで会ったがけもの道」とは…!
とんでもないレア曲枠で、私の隣で見てた方は喜びいっぱいという様子で、身体を動かしていました…!
ちょっと気怠そうな歌い方や、Cメロでの語りなど、原曲以上に多彩なボーカルワークを魅せる斎藤さんを筆頭に、全体的にハネるリズムが心地良いのに、演奏は太くタイトでごついというギャップにノックアウトです…!
そのまま再びアルバムツアーであることを思い出させてくれる「アンチ・トレンディ・クラブ」は、イントロのコーラスがカラッと気持ちよく突き抜けて聞こえて、4月よりも風通しの良い印象です!
そんな風通しの良さに拍車をかけ、ハネと抑揚が更に際立って感じられたのは「きみのもとへ」。
久しぶりの披露…?
鈴木さんのドラムイントロだけで、これまたフロアから悲鳴のような声もちらほら聞こえる中、イントロからステージに背を向け、両手を上に挙げてヒラヒラと楽しそうに揺れる田淵さんは、とてもかわいかったです笑
ポップ色が濃厚になったところで次は…
斎藤さん「新曲!」
………新曲!!??
私を含め場内がざわついた中、演奏されるのは確かに9月にリリースされたばかりの「新曲」…!
前曲のハネたリズムが身体に残っている状態で、この「ハッピー」な曲…!
ツアー1周目の時は存在しなかった曲が、中盤戦を彩る美味しすぎる位置に配置され、多幸感は無尽蔵に広がります!
幸せだなあ…!
まだライブでは数回しか披露されていないかと思いますが、既に安定感のある演奏でリズムが切り替わる部分も何なく乗りこなす3人は、ロックンロールのテーマパークの案内人か何かでしょうか…!
なんて浮かれたことを考えている頭に、間髪入れずに鋭い衝撃。
脳天を貫くあのトラップビートが…!
これはニューシングルお披露目ツアーじゃねえぞ!
アルバムツアーじゃ!
はっはっはっ!
頭の中の大魔王が高らかに笑う中、披露されるのは、全てのハッピーを混沌の渦に叩き落とす「カオスが極まる」…!
イントロからゴールを決めたサッカー選手のように人差し指を突き上げたり、サビ前のブレイクでは、仰向けに身体をぐにゃんとひっくり返しながら、拳で空を殴り続ける田淵さん!
斎藤さん、鈴木さんも鋭い眼光で超絶怒涛のプレイとボーカルに徹します。
最初はあまりの落差に何が起こったか分からずフリーズしていた身体も、みるみると燃え上がり拳が上がります…!
最後には豪快にジャーン!と一発鳴らして暗転。
凄まじい拍手と歓声に包まれ、中盤戦を終えます。
再び沈黙のインターバルでは、先ほどは鈴木さんと田淵さんを呼ぶ声が多かった印象ですが、そこに斎藤さん成分も増して微笑ましい場内。
3人は淡々と水分補給したり、休憩したりしていますが、こちらも来たる最後のブロックに向けて、一度気持ちを落ち着かせます。
すると真っ暗なステージで、スポットライトに照らされるのは斎藤さん。
原曲と異なり、静かに意志を込めるようなアカペラによる歌唱で、グッと想像力を掻き立てる「もう君に会えない」。
サビでは光の柱のような照明が、何本もステージ上に降り注ぎます。
もう会えない「君」が、その光の先にいるような。
そんなことを考えても会えなくて、虚しい気持ちになるのは分かっていても、このアレンジと演出の前を前にして、辛くても想像力は止まりません。
曲が終わり拍手が鳴る中、再び暗転するステージ。
長めの沈黙は、虚しくて空っぽな気持ちそのもののようですが、少しすると、ステージ中央上から、ぽーっと差し込む光の柱。
幻のような「今の君」を、ハッキリと見つめていたい…そう思わざるを得ない流れ。
ほのかに感じる切なさ以上に、今をしっかりと焼き付けたい気持ちを、オレンジ色の照明と暖かい演奏に重ねましたよ、私は。
すっかり今が愛おしすぎて暖かくなったところで、「鈴木さんを見ろ」とばかりに、田淵さんの親指が後ろを指していました。
今日は随分早かったなあと思って油断していたら、またまたこれまた本日2度目の鈴木さんによるドラムソロ。
先ほどよりも随分激しさを増す中、そこからギターもベースも負けじと細かいフレーズを応酬し続けるセッションに突入。
特に斎藤さんのギターは、終始具現化したレーザービームでも出てるのかと錯覚してしまうほど、細かいのに鋭く、太い音像に驚愕…!
鈴木さんの雄叫びに次ぐ雄叫びが更なる熱狂を生み出す中、イントロのリズムに合わせて斉藤さんによるタイトルコール!
「「ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ」!」
4月の時は序盤の起爆剤となっていたこの曲も、バラード曲からの流れと、これがライブの終盤戦であることの予感から、より「今この瞬間」を焼き付けたい気持ちに、拍車をかける曲にしか聞こえませんでした。
そこから一転、怪しくウロウロし始める田淵さんでお馴染み?の「世界はファンシー」。
怒りに満ち溢れ、再び精神的にも音楽的にも治安の悪さが戻ってきますが、獰猛かつ楽しそうに躍動する3人の姿を見ているうち、「ロックバンドが生きている」という実感に満たされて何だか嬉しくて安心してしまいました。
激しいのに楽しくてホッとするという謎の安心感を覚えているうちに展開するセッションは…あれ…?
…いや正直、アルバムを締める曲として、この2周目のアルバムツアーでは最後の曲だろうと勝手に思い込んでいたことは否定できませんでしたが、まさかの!「フレーズボトル・バイバイ」!
見事に裏切ってくれた!痛快!
斎藤さんが「ラストッ!」と言わなかったからおそらく最後の曲でないことを悟った瞬間、思わず大爆笑してしまいました!
これだから予測不能のロックバンドのライブに行くことはやめられません…!
「別れ」を連想する歌詞が多いはずのこの曲も、無邪気で愉快なグルーヴを携え、颯爽と突進してくる3人の音に乗っていると、自然と足が前を向いて踊ってしまいます。
原曲通りスパッと終わる、アルバムの終わりの歌。
そして斎藤さんが歌い始めるのは、アルバムのはじまりの歌。
イントロとともに、ステージ後方のツアーロゴである果物の皮のモチーフが、ゆっくりとむかれていくように光りを帯びる、ドラマチックな演出と曲繋ぎで胸がいっぱいになった「スペースシャトル・ララバイ」…!
忘れられない今日は、忘れたくない今日は、今ここにしかなくて、別れは必ずやってくるから、かけがえのない今この瞬間の大事な感覚を刻み続けたい…!
何度も繰り返し聞くうちに、このアルバムを通して勝手に深めていた想いを、とうとうライブを通して実感する日が来るなんて…!!!
特に想いが溢れて止まらなかったのは最後のサビ前。
少しずつテンポを落とし、文字通り小さくなっていく(デクレシェンドしていく)斎藤さんの歌声…
さよなら!の瞬間、今日1番のエモーションと声量で言葉を放つ斎藤さんに、私の生きたくてたまらない想いも、勢いよく打ち上げに成功しました…!
斎藤さん「ラストッ!」
高らかに、今を生きる力を取り戻したら、後はド派手に自由に、自分だけのステップを踏むばかりでした…!
Cメロの「生きてほしい!」のフレーズが、目の前のロックバンドに対しての思いであることに加えて、こんなにも私自身がまだ生きていたいに変わる瞬間が訪れるなんて…!!
「UNISON SQUARE GARDENでした…バイバイッッッ!」
大きな眼で客席をぐるりと見渡し、何やら手応えをじっくりと感じているような田淵さんを筆頭に、とても晴れやかな表情でステージを後にする3人。
うーん…充分満足なんですが、もう少し焼き付けさせていただいてよろしいでしょうか!?
アンコールを求める拍手が始まり、体感数秒で颯爽とステージに戻る3人というのも、ここ2年ほどですっかりお馴染みの光景になりました笑
「おまけっ!」
本編が終わり、文字通り「おまけ」だから!と言わんばかりに解放された音像と3人の力の抜け具合で、何度も浮遊する感覚を覚えた「ライドオンタイム」。
田淵さんはすっかり晴れやかな表情で、左手でコードを押さえるのはほぼ放棄状態!笑
ステージ中央に座ったりベンベンベン…と弦を弾いたり、くしゃっと笑ったりと、あまりに開放的すぎて、つい田淵さんばかり目で追ってしまいました笑笑
それでも演奏としては何なく成立していて、楽しいロックバンドはまだまだ終わりません。
と言いつつ、4月のワンマンから考えると次が最後の曲…
果たして何が来るかと思いきや…
聞こえてきたのは軽快なピアノの同期から始まる、私にとって気付けば大事になりすぎていたあの曲。
もうピアノが聞こえてきた時点で、全く堪えきれなくてポロポロ溢れてしまいました。
これ以上ないほど今を生きる力をしっかりと貰えて、しかもちゃんと私が生きる現実に返してくれるところが、UNISON SQUARE GARDENをロックバンドとして信頼できる、大事すぎる要素なんです…!
視界はかなり遮られてしまいましたが、それでも今日は1秒でも長く3人の音を、姿を焼き付けたい…!
同期のピアノフレーズと斎藤さんのギターフレーズがかけ合う間奏では、ギターフレーズに合わせて何度も斎藤さん目がけて突進していく田淵さんに、渾身のギターフレーズで応戦する斎藤さんという構図があまりに楽しすぎて、愛おしすぎて…!
これはこれで別の意味で堪えきれなくなり、もう心のダムを堰き止めるものは何もありませんでした。
このライブも「終わり」があるから、今、大好きなロックバンドが目の前で元気いっぱい躍動してる様が、こんなにも楽しくて愛おしくてかけがえない…!
色んな感情ごちゃまぜのまま、勝手に生きる力を貰ったロックバンドのライブ、これにて終了。
最後の退場時に、普段なら堂々とした立ち振る舞いで去っていく鈴木さんが、なぜか照れて後頭部を掻きながら退場していたのは微笑ましかったですが笑、気付けばまた残っていたのは、
楽しかったー!
最高ー!
また行きたいー!
そのためにまだまだ生きたいいいい!
そんな気持ちばかりでした。
私にとって「Ninth Peel」は、今を全力で生きるためアルバムだったことを、今を生きるロックバンドが目の前で、全身全霊で、奏で続けていた90分。
今までで1番、まだまだ「生きたい」気持ちを勝手に喚起させられ、この日も大好きなロックバンドの完全優勝大勝利でした…!!
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
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