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【ライブ感想文】The Birthday「The Birthday TOUR 2022『GO WEST.YOUNGMAN』」@サッポロファクトリーホール 2023.1.8(日)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はThe Birthdayの全国ライブツアー、札幌公演のライブ、感想をまとめました。
私はミッシェルガンエレファントやROSSOよりも少し前にThe Birthdayから、チバユウスケさんの音楽に入っていった人間ですが、当時はカッコいいけど、あまりにも渋すぎて自分の趣味にストンと落ちてこないというのが正直なところでした。
印象が変わったのは、ギタリストがフジイさんに交代した後、シングルで出た「なぜか今日は」という楽曲で、当時初めて音源で聞いた時はとても素朴な印象でしたが、たまたまその後のフェスで初めて見たライブで聞いたその曲に、ゴツゴツした原石を持った手でそのままブン殴られたような衝撃を受けたのを覚えています。
そこからかなりの年月が立ち、音源こそ追っていたものの、ライブを見ることはなかったバースデイ。
今改めて、というか見れるうちに一度ワンマンライブに行ってみたい!という好奇心からチケットを取り、本来は10月開催予定のライブでしたが、チバさんのコロナ感染により延期、振替公演となったこの日。
レンガ造りの渋い外観(中は一般的なホールですが)からして、このバンドのイメージにピッタリなホールで、これでもかと浴びるバースデイの音楽を心待ちにしながら、いざ新春のサッポロファクトリーホールへ。
当初のアナウンスではオールスタンディングとのことでしたが、結論椅子席だったこの日。
寒空の下、イカつくてイカした外見の方たちに囲まれながら、比較的ナヨナヨした外見の私は何だか色んな意味でドキドキしながら開演を待ちます。
18時5分過ぎ、突如SEが鳴り止むと同時に会場が暗転。
淡々と現れた楽器隊3人に続き、フロントマン、チバユウスケさんはひらひらと手を煽りながら登場、ステージ中央でゆっくりとお辞儀をした後、ギターを構えておもむろに一曲目、「トランペット」を歌い始めました。
シンプルなステージ、シンプルな照明が照らし出す中、シンプルなバンドサウンドで地に足つけたミドルテンポなロックチューンは、ただ聞いているだけで胸が熱くなります。
続く「COME TOGETHER」でも同様で、じっくりと耳を傾ける人もいる中、嬉々として腕を振り上げる人もいて、会場はこれ以上ないほど自由な空気に包まれます。
余計なものが何もない、純度の高いロックだけがある空間…最高に気持ちいい…!
そんな私の気持ちを察知したかのように、モータウン感炸裂の「アンチェイン」でテンポアップしたグルーヴに、益々気持ちが高まっていきます。
「あけましておめでとうございます、The Birthdayです。」
このタイミングのライブでなければ聞けなかった、クハラさんのクールな挨拶を挟み、メンバーが機材のチェンジを終えると、何の言葉も合図もなく、全てを察したかのように絞られる照明…。
フジイさんとチバさんが向き合って鳴らされる渋いギターの掛け合いから、「ある朝」→
「BECAUSE」と、再びミドルテンポのロックナンバーをじっくりと聞かせてくれます。
そこから続くは「声」。
やるとしたらライブ終盤が多いのかなと勝手に思っていたくらいには、疾走感と多幸感のあるこの曲。
まだお客さんは声を出せない状況でも、サビでの各メンバーのコーラスに、チバさんの「声」に呼応するかのように上がるたくさんの手を見ながら、会場いっぱいにバラバラのまま広がる無数の声が聞こえるようでした…!
開放感そのままに、真っ青な照明に照らされながら駆け抜ける「スカイブルー」で、ファクトリーホールに気持ちのいい風が吹き抜けます。
曲終わり、登場時から着けていたグラサンを外したチバさん。
クハラさんのドラムから始まり、静と動を何度も行き来する「LUST -チェリーの入ったリンゴ酒を見て想うこと-」では、中盤および終盤に挟まれるセッションパートの凄まじいこと…!
特にフジイサンのギターとクハラさんのドラムを筆頭とした、激しくもザラついた音のぶつかり合いには息を呑み、セッションパートが終わるたびに拍手が起こります…!
10分近くある曲とは思えないほど、聞き応えたっぷりの展開が続いた同曲から、続けて演奏された「抱きしめたい」には、本当にやられました。
俺は決めたんだ あのクズ共から
世界を奪い返すって
それで青に還すんだ
その後でお前を 根こそぎ抱きしめてやる
バースデイの中でも特に大好きな、絶望から一縷の希望?みたいなものを見出そうとするラブソング。
原曲の何倍もスケールの大きなアンサンブルと、チバさんの歌声と言葉を、ただただ心で受け止めるうちに、また人生を生きる決意と力が自然と身体に流れ込んでくるような時間でした…!
ここでギターを置き、おもむろにマイクスタンドに手を置いたチバさんが口を開きます。
「機材車のハイエースって知ってる?
あれ乗ってさ、真冬のさ…しかも、真夜中の道走ってると、若い頃思い出すよね…笑」
と、はにかむチバさんの様子から、この日の好調ぶりがうかがえたところで笑、文字通り真夜中の「24時」では、ヒライさんのグルーヴィなベースがグイグイと曲を引っ張り、カッコよさにプラスして熟練の大人の色気を感じさせます…!
そのままチバさんのハンドマイクモードが続く「DIABLO 〜HASHIKA〜」。
はしかみてぇな愛でもいいだろ別に
曲中のキラーフレーズをチバさんが決めるたびに、客席が沸きに沸きまくります。
徐々に温度が上がってきた会場。
再びチバさんがギターを取り、「あの娘のスーツケース」で、更にザラついたロックンロールを聞かせたところで、ヒライさんのベースから幕を開けたのは「LOVE ROCKETS」 …!
まだ先月見たスラムダンクの映画の記憶も鮮明にあったので、正直この曲は待ち望んでいました。
バースデイにしか出せないアウトローなかっこよさが詰まったこの曲をライブで聞けるのはたまらなく幸福…!
楽器の音が一つ一つ重なりながら、サビで大爆発するまで、未来だけを見据えて放たれるロックンロール。
喰らったら最後…愛まみれでブチ上がりました…!
曲終わりの静寂から、ここでチバさんが一言。
「………座ってもいいんだぞ…。」
あの渋いしゃがれ声でそんな優しいことを言うので、つい笑顔になってしまいました笑
何の同調圧力もなく、自由に楽しんでいいということをその音楽と姿勢で伝えてきたバンドのフロントマンの一言には、これ以上ない説得力があったし、実際この日のライブは終始そんな空気で本当に居心地がいいものでした。
新しいEPから「咆哮」で木霊するチバさんの声の余韻を引きずりながら、「ギムレット」へ。
小さな愛だ!
曲中、何度も繰り返されるフレーズを、時に歌い、時に叫ぶチバさんの声と、徐々に大きくなる音に身を任せるうちに、確かにゆっくりと心が暖かくなっていく感覚が確かにありました。
そろそろライブも終盤なのかな…と微かに思い始めていましたが、本編ラストを飾ったのは「ブラックバードカタルシス」。
私はライブで聞くのは初めてでしたが、サビに入った瞬間、真っ黒なエネルギーの塊がこちらに向かって一直線に突撃して爆発するような衝撃で、原曲の軽く100億倍のカタルシス。
去年のジョインアライブで聞けなかったことを本気で後悔するレベルで、決してハッピーでもなければ、アップテンポでノリノリでもないこの曲が、ラスボスのようにどっしりと腰を構えて最後に演奏されたことに、バースデイのロックバンドとしてのかっこよさが凝縮されていたように感じました…!
当然のように鳴り止まない拍手に応え、アンコールはフジイさんの哀愁漂うアルペジオが、夜の街を駆け抜ける風景に重なる「ヘッドライト」から。
どことなく寂しく、険しく、でも確かに駆け抜けていくしかないと言わんばかりに静かに駆け抜けていくようなグルーヴが会場を満たしたところで、雪崩れるように「READY STEADY GO」へ!
ゴツゴツとした道でも、自由にガンガン行こうぜ!と言わんばかりに無邪気なエネルギーを蓄えたグルーヴで猛突進してくるバースデイ!
1番終わりで、クハラさんも溢れ出る何かを叫んでいましたが、こちらもついつい叫びたくなるくらいの衝動で、がっちりと握り拳を突き上げさせていただきました…!
さすがにこれで終わりかな…と思いましたが、まだまだ足りねえ!と言わんばかりに拍手は鳴り止みません!
私もこれでもかと手を叩いていると、そのままダブルアンコールへ!
クハラさんは、高校の同級生?だったというイベンターの方から貰った、サッポロクラシックの限定缶を飲みながら、
「やっぱりビールはクラシックに限りますね!夏頃に石狩か岩見沢でやりたいですね。俺が勝手に言ってるだけだけど笑」
と言いつつファンを沸かせます…!
私も、ライジングサンのレッドスターフィールドとかで見たいなあ…なんて妄想しつつ…。
「寒いので帰り道はお気をつけて。」
の一言から、軽快なドラムのビートを叩き始めると、3人のメンバーも再度登場。
曲始め、おそらくはにかんでいたチバさんの軽快なハーモニカも登場し、最後の最後は「ローリン」!!!
ここまでの硬派な雰囲気から一転して、このバンドのライブで1番じゃないか!?と多幸感たっぷりの会場!
中盤でのクハラさんのドラムソロも、ビールという名のガソリンを注入したからか圧倒的です!(私が勝手に言ってるだけ)
道はひとつで まだ続くから
ROLLIN' BABY IT'S ALRIGHT
もう引き返せない、当たり前のように一度しかない人生だけど、ロックンロールを信じて突き進めば大丈夫だ!!!と言わんばかりに繰り返される「ROLLIN' BABY IT'S ALRIGHT」のフレーズに、新年早々縁起が良すぎました!
「サンキュー!ありがとー!」
何度も感謝の言葉を伝えたチバさん、クールに手をあげつつ応えたヒライさん、フジイさん、そしてクハラさんは、去り際に手を挙げてピース!
何の根拠もないけど、今年も自分の信じるロックバンドについていけば間違いないと確信できる、圧倒的に純粋で愛に塗れたロックバンドでした。
セットリスト
1.トランペット
2.COME TOGETHER
3.アンチェイン
4.ある朝
5.BECAUSE
6.声
7.スカイブルー
8.LUST -チェリーの入ったリンゴ酒を見て想うこと-
9.抱きしめたい
10.24時
11.DIABLO 〜HASHIKA〜
12.あの娘のスーツケース
13.LOVE ROCKETS
14.咆哮
15.ギムレット
16.ブラックバードカタルシス
アンコール
1.ヘッドライト
2.READY STEADY GO
ダブルアンコール
1.ローリン
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。