2023年もアルバムは最高でした。
こんにちは。シリアスファイターです。
今年も年末が迫って参りました。
そこのあなたは、いかがお過ごしでしょうか。
気付けば今年は40本近くのライブに行き(人生最多更新)、たくさんの音源に触れ、職場でも部署異動で仕事がガラッと変わり、引っ越しもありetc…あまりに怒濤すぎて振り落とされ…たことも正直ありましたが、それでも何とか大好きな音楽等を心の拠り所にして、ここまでたどり着くことができました。
以前、上半期が終わった時点で、コンセプトを設けて印象深い10曲をまとめてみよう、という記事を書きました。
ということで今回は、1年も終わったし、改めて1年を総括して10曲選ぼうかなとも考えましたが、テーマが定まらなかったり、上半期と被っている曲を改めて書くのは難しかったりと、若干の言い訳を挟みながら足踏みをしていた今日。
サブスクや配信全盛の時代で、曲単位で音楽を聞く方が時代に合っていると言えば全くその通りなのですが、CD全盛期に育ってきた私としては、やはり「アレ」だけはやっておきたいのです。
というわけで今回は、今年も心にぐっさりと刺さった「アルバム」について、厳選に厳選に厳選を重ねた挙句、熟考して何枚か選んでまとめてみました(14枚という中途半端な枚数ですが、私の中でキリよく1万字以内にまとめ切るためにこの数に絞りました。)。
私自身、CDを「買う」回数は減って、なんなら昨年よりもじっくり音楽を聞ける時間も減ってしまいましたが、「アルバム単位で音楽に触れること」はサブスクだろうが時間が無かろうがいまだに続けています。
ミュージシャンが続ける限りは、一生続いていくと思っています。
今年のSpotifyまとめでも、こんなデータ↓が出てきたくらいなので、自他ともに認めるアルバム好きと言って差し支えありません。
胸を張れ。私。
ミュージシャンの一定期間の音楽活動の集大成として、コンセプトを伴うものとして、その世界観に深く浸るためのアルバム。
以下は、発売日順に整理しました
EPやミニアルバムも含めるか悩みましたが、本当に絞りきれなくなったのでフルアルバム限定で。
今年を振り返るという意味で、大掃除の合間でもなんでも構いませんので、ゆるりとお茶でもすすりながらご覧ください。
それでは。
カネコアヤノ「タオルケットは穏やかな」
本当に数曲しか知らなかったカネコアヤノさんの音楽の扉を豪快に叩いて、今年3回もライブを見ることになるきっかけとなったアルバム。
1曲目と表題曲に代表されるような、何もかも吹き飛ばしながら、大きく包み込むような激しいのに優しいラウドな音像は、1人の人間である私のまま何度でも心を蘇らせてくれる、私の大好きなロックバンドそのもののようで、その後ライブハウス・ホール・野外と異なるシチュエーションで見た3本のライブは、いずれも一貫してその姿を体現していました。
それ以外で特にお気に入りは「気分」と「季節の果物」ですかね。
前者はどうにもコントロールが効かない心の調子が良い時も、悪いときもどちらにも寄り添ってくれるような高低差を持っていて、後者はご時世や周りの意見に簡単に左右されない自分自身を持って、周りに寄り添うことの意味を改めて自分に問いただしながら、自分のペースでステップを踏んで前に進んでいけそうな軽快さも兼ね備えている素敵な曲です。
不器用でも、不格好でも、そのままの自分ので大切なものの意味を問い続ける日々に、一生寄り添ってくれるアルバムの一つになりました。
女王蜂「十二次元」
アルバムの感想記事を挙げた時は、私の熱量に反してとても静かな反応(というか私の場合は大体それが普通)だったのですが、マガジンに載るでもなく、記事を挙げたポスト(ツイート)がリポスト(リツイート)されたわけでもないのに、ある時期になぜかグンとアクセス数が増えて、今年書いたnote記事の中でもアクセス数が比較的多い記事になったことが、私個人の中で話題となったことはさておき。
もうこの時↑散々言葉にしたとおりですが、バチバチのバンドサウンドが主体ですが、打ち込み要素も多く、ヒップホップも取り入れ、果てには一曲(この単位でいいのかも最早不明)丸々舞台上での語りもあり、バラエティに富んでいるにも関わらず、確固たる女王蜂の軸は頭からつま先までブレることはありません。
何を取り込んでも、全て自分たちのものにしてやろうという野心や気迫に満ちたものを全編から感じ取る内に、何回も新しい女王蜂がアップデートされていくような感覚。
10年近い構想期間を経てのアルバムとアヴちゃんはインタビュー等で語っていましたが、今の女王蜂ならそれを形にできるという確固たる自信があったことは、直近のアルバムツアーでもその演奏とパフォーマンスから肌で感じ取ることができました。
そんなアルバムに収録されている文字通りバチバチに過激すぎる「バイオレンス」、続くシングルの「メフィスト」で、TV歌唱の機会が沢山あったこともあり、自分たちの殻を何度も食い破るようなこのアルバムを出したタイミングで、女王蜂が良い意味で増す増す世間にバレていく様は、ファンの一人としても、今年を象徴するほどゾクゾクする体験になりました。
そうして命がけでバンドを続ける姿から、今日もあり余るほどのエネルギーを貰うのです。
a flood of circle「花降る空に不滅の歌を」
変わらない王道の骨太ロックンロールに載せて歌われるのは「THE 佐々木 亮介」であり、それ以上でもそれ以下でもありません。
今のバンドの力を全面的に信じているからこそ全てを曝け出したアルバムは、「終わり」を連想させるようなフレーズも多く、歌詞だけ向き合うとヘヴィで苦しくなる部分も多かったですが、そんな「終わり」までこれしかないと決めたロックンロールで転がり続けていくという、泥臭くも迷いのない宣誓に、このバンドに付いていきたいと思わせる説得力があります。
個人的には「カメラソング」のような、ほんのり寂しさが漂う中にある、優しさやかわいさが切り取られたような暖かい曲が好みですが、「Party Monster Bop」のようなライブでの化け方が凄まじいゴツゴツしたロックンロールは、すっかり盤石の体制になっている今のメンバーにしか出せないグルーヴに違いないと、ライブを見る度に思います。
死ぬまで死なないロックンロールの力を借りて、大爆笑で死ねるように、今は自分のできる範囲で、精一杯人生を生きてみたいと思えます。
ヤバイTシャツ屋さん「Tank-top Flower for Friends」
ロックバンドにとって、活動が制限されていたこの3年近くが本当に苦しかったことは、ロック好きの私も想像に難くないですが、その中でも新曲をコンスタントに出し続け、何ならコロナ禍前よりも密なスケジュールでライブハウスを廻るツアーを敢行し、とにかくストイックだったヤバTの、パンクロックバンドとしての闘いの記録。
発売当時はまだ制限緩和の初期だったので、何があってもこのパンクロックを止めないという、前作から続く反骨精神を強く感じるアルバムでしたが、夏にかけて、とうとう声出しやライブでの行動制限が解禁された今聞くことで、曲の真価が文字通り花開くという二度美味しい事態になっています。
特に、「ちらばれ!サマーピーポー!」の間奏部で、願うように綴られていたサークルモッシュが文字通り実現していたJOIN ALIVEでのライブには、感極まるものがありました。
活動や音源を通して、地道にタンクトップ(パンクロック)の種を植え続けた説得力を持って、これからますますライブバンドとして花開く様を、顧客の1人として見続けられることは嬉しい限りです。
UNISON SQUARE GARDEN「Ninth Peel」
前2作が、アルバムという枠に隅から隅までこれしかない!という正解のピースを当てはめて、精密機械のような完成度なのに、ド派手に人間的な熱量を伴う燃料を投下してロックバンドしているというとんでもないものだったので、今作もその流れでくるかと思いきや、それと比較するとかなり肩の力が抜けたアルバム。
「City Peel」や「Numbness like a ginger」のような曲が文字通りそういう曲になっていることも影響しているかと思いますが、いい曲を作って当てはめていったら、自然といいアルバムになったというのも納得で、随所随所で派手に暴走するタイミングもありますが笑、それを加味しても楽しく聞いている内に、あっという間に終わった…!という印象が過去一番でした。
個人的には今までで一番「歌詞」がスッと心に入ってくる曲が多いアルバム。
「命がある!
だから生きていくし、ロックバンドで遊ぶ!」
曲を書いている本人は、それっぽいこと言ってるだけなんて言っていますが、それっぽいことのように見えて、ただ「それっぽい」だけですまされないと思えてしまう私のような人間は、このロックバンドが自由気ままに音を鳴らし続けてくれていることに、大感謝するほかないのです。
凛として時雨「aurora is mine」
5年ぶりのアルバムらしいですが、体感だともっともっと待ったような気が勝手にしていた時雨のアルバム。
アルバムツアーなのに発売前に聞けるというまたとない機会のライブ参戦を経て、答え合わせのように聞いたアルバムは、全9曲とアルバムにしては少ない曲数に思うかもしれませんが、1曲に込められるフレーズの量、密度、濃さは全て濃厚コッテリラーメン級で、胃もたれ必死のラインナップ。
また、歌詞なんてさっぱり聞き取れないライブを経て、歌詞カードを見ながら聞くと、これまた何を言ってるんだ!笑と笑いが止まらない部分もあれば、ゾッとするほど自分の確信を突いてくる鋭い部分もあり、5年経ってもはちゃめちゃで色とりどりの凛として時雨は、全く変わりません。
むしろ演奏は・・・年々Sadisticさを増すばかりで、歌声はより表現豊かで情緒的になってきたというカオス!!
最初に聞いたのはサブスクでしたが、仕事帰り、夜の電車から真っ暗な外の景色を見ながら聞いた「滅亡craft」の美しすぎる轟音は今でも忘れられません。
こういうバンドが自分にとっての青春と呼べるものの1ページにいて、本当に良かったと思います。
無論、これからも。
ASIAN KUNG-FU GENERATION「サーフ ブンガク カマクラ(完全版)」
ほとんどは既発曲の録り直しですが、これは今の4人一体となったアジカンがバンドとしての青春を取り戻す1ページ…というかもう取り戻していたからこそできた、バンド感に溢れる完全新作のアルバムと解していいんじゃないでしょうか。
「藤沢ルーザー」の喜多さんによるイントロのギターフレーズは当時の比ではない太さと無邪気さで、バンドとして鳴らす音はとにかくマッチョになったことを開始数秒で証明してしまいます。
しかもただのマッチョで終わらず、ボディビルダーのように様々なポーズを決めながら、表情も無理に作られたものでなく自然と輝いているという有り様。
つまるところ、とにかく「バンドが楽しそう」ということです。
そうして改めて、「バンド最高だよね!アジカン最高だよね!」というフィーリングを大いに取り戻しながら、最後の新曲「和田塚ワンダーズ」は、個人的なアジカン史でも特に大切にしたい一曲になりました。
バンドが続く限り、青春は終わらない。
このロックが近くにある限り、私もまだまだ青春の真っ只中。
マカロニえんぴつ「大人の涙」
ライジングサンの素晴らしすぎた大トリの直後、ということを除いてもやっぱり凄すぎたマカロニえんぴつ。
EDMあり、歌謡曲あり、メロコアありと、ポップコーンのように次々と飛び出すアイデアを、最終的にポップにまとめ上げる様は見事すぎます。
しかもただポップなだけではなく、今作は全編に渡って「別れ」や「死」を連想させる雰囲気が漂っていることで、相当味わい深くなっています。
はっとりさんのことなので、狙って作っている部分も大いにあると思いますが、音楽愛を持って楽しく作っている様が伝わる音は、いやらしい意味を伴ったものではなく、自然と私の心に入ってきて胸を震わせてくれます。
既発曲以外で言うと、真っ先に気になったのはリード曲。
決して最悪の状況とは言えないのに、常に自分の近くにいる失った何か(人・物・感情…)を思うと、なぜだか悲してたまらなくなるみたいなことはよくある自分にとっては、このままどこかに行きたいのにどこにも行けないような気持ちと付き合うには、これ以上ない曲だと思いました。
いくつになっても、純粋な音に、純粋な気持ちで触れて、時には自然と涙が零れてくるようなことがあれば、それは人として生きている証拠という意味では、嬉しいことなのかもしれません。
WANIMA「Catch Up」
デビュー時から、強いメッセージソングも下心剥き出しの曲も、抜群のメロディと、底抜けに明るい人柄を持って届ける中で、聞いている私をメラメラに照らし続けてくれたバンドですが、ここ数年は一貫して、曲調はヘヴィに、歌詞はシリアスな曲が増えてきていたWANIMA。
その集大成のような20曲は、またデビューし直したんですか!?と言っても過言でないくらい、ギラついた輝きと実直なロックサウンドに溢れていて、力強く拳を掲げ続けたいことこの上なしです。
特にもう長いことお世話になっている「眩光」、アルバムに先駆けて配信された「夏暁」の2曲は特に秀逸。
デビュー時のWANIMA像に苦手意識がある人は、今のWANIMAを聞いてもらえればもしかしたら印象が変わるかも、と言うくらいにはガラリとタフなロックバンドに生まれ変わった一作。
もう昨年秋のツアー以来ライブに行けてないですが…そろそろまた、ワンチャンよろしいですか?
amazarashi「永遠市」
前作よりも音のバリエーションが格段に増えて、打ち込みから弾き語りまで、バンドサウンド以外の魅せ方が増した印象でした。
ライブでの再現をどうするのか予想が付かない部分も多かったですが、ライブでは生音の迫力が身体の芯までズシンズシンと響き渡る見事な表現に圧倒されました。
特に「ごめんねオデッセイ」はその「ライブ化け」の最たる曲。
真っ暗で広大な宇宙空間に、どこまでも規模を拡大するような音像と、秋田さんの無数の言葉が惑星のように散りばめられて、SF映画のようなスケール感を現実に投影してしまうという新境地だったように思います。
永遠なんてどうせないという諦めを持ちながら、それでも永遠に変われない自分だからこその表現で外の世界に接続することはできる。
ポジティブと言えるほど明るいものではないけど、その音に込められた意志に動き出す足があるとすれば、それはきっと間違いじゃないと思います。
Vaundy「replica」
「えっ!?…「アルバム」出すんですか…!?」で驚き+1。
いざ情報が解禁されると、新曲中心のDISC1+既発曲をまとめたDISC2という驚異の2枚組構成で驚き+2。
発売日にCDを買ってみたら、どこから開けるのか一見すると全く分からないドデカパッケージで、裏の設計図を頼りに開封する瞬間は物作りに没頭する少年少女のような心持ちになってしまうという点で驚き+3。
…と順調に驚きを重ねた先に聞いたアルバムの…特にDISC1で驚きと興奮と感動が✖️1億倍。
聞いたことのある、聞き馴染みのある誰もが好むメロディや音の中に、今まで以上に聞いたことのないようなメロディや音が混ざり合って、練り込まれた歌メロとともに、心にスッと染み渡るという、全く新しいVaundy体験。
何より、私がこの人の音楽に惹かれる最大の要因は「歌声」にあることを再認識させられました。
怪しげな「美電球」、囁くような「1リッター分の愛をこめて」、抑えきれない気持ちがサビ終わりで爆発する「黒子」、スタイリッシュだけど怒りと熱量をフル充電した「逆光 -replica」など…。
器用に歌いこなすだけでは成立しない、人間の可能性をフルに活かしたような歌声に吸い込まれてるうちに、一回聞いただけでほとんどの曲はサビが口ずさめるようになってるというビックリ音楽体験。
その音楽はまだ、何かのレプリカ(複製品)でしかないかもしれませんが、その唯一無二の魂の歌声が、曲を他ならぬVaundyさんでしか成立しないものにしていることを、改めてはっきりと自覚させられました。
King Gnu「THE GREATEST UNKNOWN」
先述したように、サブスクで曲単位で音楽を聞くことが増えたこのご時世に、全21曲、総再生時間1時間のアルバムを出すなんて、文字面だけ見ると無謀に思えてしまいそうですが、あえて語弊を恐れずに言うと、一曲一曲が世間を蹂躙する巨大なパワーを秘めているKing Gnuだからできる形で、しかもそれぞれの曲が喧嘩するどころか、1枚のアルバムとして丁寧にまとめ上げられているという怪物ぶり。
曲間を繋ぐインタールードが随所に配置され、既発曲も大胆にアレンジを変えたり、演奏パートを追加したりといった音のこだわりが細部まで感じられ、現物の歌詞カードに至っては全曲デザインどころか紙質まで違う始末。
あれだけ曲をコンスタントに作りながら、これはこれで1枚のアルバムにするために相当な熱量が注がれているのに脱帽…年末年始はどうか休んでください…🙏
誰だかよく分からない自分自身から始まり、成長して、終わりを迎えるまでの自分の人生を紡ぐようなアルバムを聞き終える頃には、このボリュームにもかかわらず、また頭から聞きたくなっています。
来年の札幌ドーム…本当にドキドキです。
聞くたびに何度でも蘇る、世間にとっては名もなき私への応援讃歌集。
羊文学「12 hugs (like butterflies)」
これを聞く直前に悲しいニュースで心が萎れていたことも影響していたかもしれませんが、聞き終えた第一印象はとにかく「暖かい」。
作品を経る度に、ポップで開放的な雰囲気も目立つようになってきた印象ですが、それは「明るくなった」というよりも、懐が深くなったというか、聞いている人を包み込む音が、塩塚さんの声が、「暖かくなった」という実感を、このアルバムで得ることができました。
「Addiction」〜「Countdown」までの流れは、激しい楽器パートや、緩くも前向きなコーラスや、突然のハードロックでも始まるのかという野太いカウントダウンコールなど、遊び心溢れるアレンジも豊富で、聞いていて思わず心からほっぺたがニッコリしてしまうのも、開放感を感じさせるポイントかもしれません。
そんな中で暖かい抱擁力を感じさせるのは、日々の後悔とか、自分のいたらなさとか、生きづらさとか、日々生きる中で嫌でも実感する(もしくは思い込んでるだけかもしれないけど、そう思わずにはいられない)想いがストレートに綴られた歌詞を載せたメロディや塩塚さんの歌声が、何より優しすぎて、心に染み込むから。
ライブで聞く機会もあり、かなり攻撃的な印象にだった「FOOL」ですら、ポジティブで暖かく(むしろ少し汗ばむ熱量で)抱きしめてくれるような印象を感じるアルバムは、ずっと側に置いておきたい心の毛布。
聞き終わって、誰よりも抱きしめてあげたいのは、今日も不器用ながら何とか生き抜いた自分自身です。
Chilli Beans.「Welcome to My Castle」
私の心のヒットチャートで言うと、カネコアヤノさんとChilli Beans.は特に今年急上昇した2組。
やっぱり今年をまとめるのであれば語っておきたいと思っていた最中に出た2ndアルバムはとにかく驚きの連続。
自由で快活な1stアルバムから全く想像が付かないほど、「doll」を筆頭にダークな歌詞世界とディープなバンドサウンドが映えるこの2ndフルアルバムは、ファンタジーの世界と捉えるとドキドキ成分多めのホラー映画のような味わいですが、現実の場面と重ねながら没入すると、抜け出せなくなりそうで恐怖すら感じなくなるほど、心が欠落しそうな感覚を引き摺り出されます。
それでも演奏している本人たちの音や歌唱に、ネガティブな印象は一切感じません。
それどころか、「どんな状況でも、私たちの思いのままにかっこよくて音にできて、かっこよく歌えてるでしょ?」と、貫禄の笑みすら窺えるほど自信に満ちたグルーヴは、聞いていて心地良いだけでなく、ひたすらにかっこいい。
自分を縛りつけてくる「何か」から決別して(お城の外へ一歩踏み出して)、優しい眠りにつくまでの、「Raise」以降の終盤のカタルシスはたまりません。
自分たちの音楽の力で、予想外の新しい道を開拓し続けるバンドの新譜を聞けた年末に、音楽好きとしてこれからの未来を期待しないわけにはいきません。
今回は以上です。
読んでいただいたあなたの感想や、今年の好きなアルバムなんかも是非お聞かせください。
さて来年はどんな年になるでしょうか。
私自身のことで言うと、来年もひとまず3月までは、今年に負けじとライブの予定が埋まってきています🔥
これからまた予定がガンガン増えようが、突然全く行けなくなろうが、一本一本のライブを、一曲一曲を噛みしめるように味わう時間を、少しでも長く持てればと思います。
そして1年間、一部分でも私の文章に触れていただいたそこのあなた、改めまして本当にありがとうございました。
音楽好きのあなたに、いつまでも音楽が寄り添い続けますように。
来年も音楽を好きなこと、言葉にすることとの闘いを勝手に続けていくとともに、止める気は毛頭ありませんので、よろしくお願いします。
それでは良いお年を!
と、今年最後みたいな挨拶をしつつ、今年中に行くライブは残っているので、noteはまだまだあげます。
また機会があれば、お付き合いいただければ嬉しいです😌