見出し画像

上半期を終えて 〜真面目すぎる私が、何度でも自分を取り戻すための10曲〜


 こんにちは。シリアスファイターです。


 2023年も折り返しを迎えました。
 早過ぎます。
 「時間さん、まあまあ落ち着いて落ち着いて…」と言っても止まらない時計の針を見ていると、一番落ち着きがないのは自分だなと思う今日この頃、この記事を読んでいるあなた様は、いかがお過ごしでしょうか。


 私は4月からのガラッと変わった新生活やら、やることがガラッと変わった仕事やらに心機一転向き合い続け、慌ただしく振り回され続けながらも、それなりに充実した日々を過ごしています。


 そんな中、「上半期が終わる。」という絶好の口実を見つけたので、ここで一旦腰を下ろして、上半期に聞いた印象的な曲の感想でもまとめようかと衝動的に思い筆を取りました。


 当初は、よくある「ベストソング○選!」みたいなノリでまとめてみようと総ざらいしてみましたが…、よく聞いた曲が多すぎる…、「選!」できない…。


 全部書いてたら下半期も終わってしまうしな…うーん………


 …そうだ、日々に振り回され、自分を見失いかけることが増えてきた今、そういう自分が生き返るために聞いていた曲を選んでみよう…!


 ということで、数時間ほどの自問自答を経て、見失いかけた自分を取り戻して生きる力をもらった10曲というテーマの元、上半期の自分の音楽事情を振り返っていこうと思います。


 以下、順番は順位とかではなく、楽曲発表順で整理しています(概ね合ってるはず)。
 私の中では全部オンリーワンでナンバーワン。



 ただ、音楽が好きで、音楽と生きていて、なんなら音楽に生かされていると少しでも思っているあなたであれば、私と似たような部分が少なからずあるはずなので、この記事で一部でも自分自身の音楽体験と重ねて、好きな音楽をより好きになったり、改めてそういう気持ちを確認していただければ嬉しいです。


 それでは早速。


リーガルリリー「60W」



 今年に入ってからは余裕がなくて音源の感想文はほとんどまとめていなかったのですが、唯一この曲だけは、曲単位で書いていました。


 最初のギターリフが豪快に鳴った瞬間に、心がみるみる輝きを取り戻していくのが手に取るように分かったんですよね。
 (意訳:ロックンロールでワクワクドキドキが止まらなくなったんですよね!!!!!!)



 ここまでアップテンポに駆け抜ける曲は久々の印象だったリーガルリリーですが、曲が速いからといって、優しい言葉選びやこのバンドの曲を聞いている時に感じる寂しさや不安が消えることはありません。


 心の中の葛藤を叩きつけるような中盤のセッションはとてつもないカタルシスですし、それを経て、一瞬ブレイクした後、再び疾走するサビへ向かう展開はたまりません。


 不安も迷いも葛藤も全部抱えて、突っ立っている若者でしかいられない時でも、確かに光る轟音が生きてる実感を取り戻してくれます。


くるり「愛の太陽」

 先ほどのリーガルリリーが「夜」のイメージだとすると、こちらは「昼」。


 優しいギターのアルペジオから、終始一貫したテンションで太陽がジリジリと照らし出すような淡々としたセッションが続きます。


 こんなにも太陽に照らされているはずなのに、曲に登場する人は自分の想いをどこかに押し込めてしまっている様子で、歌詞に耳を傾けるうち、太陽の温もりすら忘れてしまいそうになってしまいます。

 そこはかとない 心の隙間
 太陽が射してくるだろう
 何も見えない 何も感じない
 そんなことは未だないくせに

愛の太陽


 中盤、「nanana〜」とコーラスを口ずさむうち、まだまだ心が動くことに気付いた時、それまでと全く同じようにループするサビのメロディと歌詞は、ほんのりと体温を取り戻します。


 それに気付けたら、後はまた歩き出すだけです。

米津玄師「LADY」


 淡々と刻む少し気怠そうな鍵盤の音色から、徐々に軽やかなステップを踏み出したくなるように広がるアンサンブルに繋がる過程がシームレスすぎて気持ちいいポップミュージック。


 例えばどっちか一人 ひどい不幸が襲い
 二度と会えなくなったら

LADY


 ただただ気怠い日常が続くだけでなく、ふと大切な何かとの別れを想像させる2A。


 想像が膨らめば膨らむほど、そこから先の曲展開がとっても愛おしくて仕方なくなります。


 どんなに疲弊していても、ちょっとの想像力を持って、日常に寄り添うような優しい音楽に触れるうち、心も身体も軽やかに。


 私は不思議と、寝る前に聞くことが多かったです。
 心穏やかに眠れる…zzz。


SUPER BEAVER「グラデーション」


 「儚くない」とどっちにするか、手首が取れそうになる勢いで「どちらにしようかな」を繰り広げるほど迷いましたがこちら。


 新しいことが重なりすぎて、正直かなり疲弊していた時期に、投げ出せそうで投げ出せない、人生を全うする勇気をど真ん中でくれたビーバー。



 考えて、何かを選び取って進むプロセスが、3月までの何倍もの勢いで振りかかった4月。


 選び取らなきゃいけないのに、白黒も善悪もハッキリと付けられない「曖昧」な自分にモヤモヤしてして立ち止まってしまいそうな中、そんな「曖昧」に、ストレートなロックンロールと派手なストリングスアレンジで正面から向き合ってきた人間らしさ満載のビーバー。

 裏腹な態度 拭えない後悔
 そんなつもりなかった じゃあどんなつもりだった
 傷つけるとわかって 口にした言葉
 そんなつもりなかった じゃあどんなつもりだった

グラデーション


 中盤の一瞬のブレイクで力強く問いかける渋谷さんの声とともに爆発するバンドのアンサンブル。



 とてつもないカタルシスとともに、自分の意志と向き合うことを強いられる歌詞は、読んでいるだけだと辛くなることもありますが、ロックンロールに乗せることで不思議と、自分の選択と理想に素直に向き合うことができます。

 連なった本当でグラデーションになった
 曖昧の中から 愛を見つけ出せたなら
 信じられたなら きっと

グラデーション


 曖昧が連なった先に、その人なりのグラデーションが、愛があるという表現、とっても潔くて美しいと思いました。


 人の数だけ答えがある。
 だから自分の答えに、考えた先の行動には誇りを持てるように、この曲を聞くたびに踏ん張れます。


女王蜂「メフィスト」


 正直、女王蜂は何聞いても元気が出ます。


 曲から姿勢から何から何まで、自分のやりたいこと(女王蜂)、好きなこと(女王蜂)を、徹底的に突き詰めて、表現している様がどう切り取っても伝わってくるから、自ずと自分も自分でいていいかも…!と思えてしまう凄みがあるんです。


 アニメ「推しの子」主題歌ということで、アイドルがテーマのこの曲。
 優雅で軽快なストリングスに心踊らされるところから始まり、一気に海の奥深くまでダイブするようなサビに辿り着いた時のカタルシスと、偶像と実像の自分を行き来するように裏声と地声の大跳躍を何度も繰り返すぁゔち(アヴちゃん)さんの歌声。


 アイドルソングでないことは無論ですが、ただの偶像としてアイドルではなく、自分の意志で自ら命懸けでアイドルを、女王蜂を全うするその姿勢が、いたる所から噴き出しています。


 全く瞬きを許さない曲を聞き終わった時には放心していても、数秒後には「…凄い!」と興奮を抑えられない、そんな私がこんにちは。


羊文学「FOOL」


 こちらも「永遠のブルー」と二者択一。
 (心の)花占いに没頭した末に決定。


 休日、部屋着のままだらだら過ごして、「今日何しよっかなー?」なんてぼーっと考えながらギターを弾いてたらこんな感じの曲できてた!…のかどうかは分かりませんが、そのくらい羊文学の中では力の抜けたラフなギターフレーズとボーカルから始まる一曲。


 わからないの?
 初めから常識とか正義では心は奪えないのよ

FOOL


 どんな曲も、初聞きの時は歌詞を見ずに音だけ聞くことの多い私ですが、サビの雄大なアンサンブルとともに歌われるこのフレーズだけは、初めから一言一句正確に心の中に入ってきました。


 どんどん開放的になる一方、いつもどこかで闘っているような姿勢は変わらない羊文学のロック。


 芯は変わらず、幹がどんどん太くなるバンドの歩みに、まだまだこれからだ!と、心が前を向いてしまいます。


amazarashi「スワイプ」


 自分を取り戻す云々と最初に言いましたが、決してポジティブな意味だけではありません。


 久しぶりにダークな側面が全面に出たamazarashiのこの曲は、怪しい村奥での儀式めいた祭りのような、妙に明るく不気味なバンドサウンドを携えています。


 そんな曲の歌詞に出てくるフレーズは、日々を淡々と生きている中では忘れ去られてしまったり、無意識のうちにスルーしてしまったり、見ないフリをしてしまう物事に、徹底的に陽の光を当て続けます。


 大抵の人は自分のことで精一杯な世界の中で、全てを全て、自分事として受け止めるなんて到底無理だし、私もやろうとした瞬間心が潰れてしまうのは想像しただけでも明白です。


 だけど、この曲を聞いて、少し心がざわついた自分がいることに嘘は付けません。


 少なくとも、自分の中に「?」が産まれたその瞬間をスワイプせずにびしっと捕まえて大切に、その時できることを悔いなく考えて行動することくらいはできるかもしれません。

結束バンド「光の中へ」


 イントロが始まって10秒で、気持ちいいギターと、気持ちいいベースと、気持ちいいドラムだけが鳴り響いた瞬間に、ギターロック大好き人間の自分が目覚め、歓喜の大歓声と拍手を送りました。


 曲を書いたSAKANAMONの藤森さん然り、アレンジの三井さん然り、歌唱担当の喜多ちゃん(長谷川さん)然り、「ロックが好き」という衝動がこんなにも高い純度で解き放たれるもんですから、こんなの好きになっちゃうしかないじゃない!!!


 頑張ったって爪弾き(つまはじき)
 それでも爪弾き(つまびき)
 届けていこう 不器用でも
 束ねていこう 何処までも

光の中へ


 もうアニメが終わっていることもあってか、4人(主にぼっちちゃん)の想いを想像する以前に、すっかり自分のこととして捉えるようになっていた歌詞は、どこまでもストレートに入ってきます。


 何があっても、どんな形でも、届けること、伝えることを諦めたくない。
 私にとって、そんな時に何度でも聞きたいロックアンセムになりました。


Chilli Beans.「you n me」


 もうすっかりハマってます。Chilli Beans.。


 型に捉われない自由な空気を纏い、自分たちの好きな音楽を奏で続けるその姿勢と、(未だ生で見れていないけど)とにかく本人たちが至極楽しそうなライブパフォーマンスは、見ているだけでこっちもウキウキしてしまいます。



 一方歌詞はキラキラ明るくポップ一色ではなく、この曲の主人公も、想像の中でモヤモヤとした気持ちをずっと抱え続けて頭がおかしくなりそうといったご様子。



 そんな中でも、シンセのキラキラした音色も大胆に取り入れたサビで広がるバンドサウンドに、時にクールに、時に可愛く、時に楽しくはしゃいでるうちに、自分の大切な気持ちを取り戻して日々を手繰り寄せます。



 想像も幻想も妄想も飛び越えて、自分の好きな音に飛び込んでみることで、見える景色もあるかもしれません。


 Chili Beans.の純度100%の音楽には、そう思わせるには充分な説得力と自由が、逞しく宿っています…!


GLIM SPANKY「Odd Dancer」


 上半期ギリギリセーフ、もう聞いた瞬間に、「渋い!好き!」と唸りました。



 この時代に逆行して、歪んだギターが全面に引っ張るロックンロールに、私のような、この時代にとっての物好きは興奮してしまうのです。

 軽快なリズムに合わせて、レミさんのハスキーボイスと、亀本さんの歪みまくったギターがこれでもかとユニゾンするサビ…んーーー!気持ち良い!!



 震えても、迷っても、奇怪な日々を、奇怪な自分のまま、自分の意志で踊り続けて、何度でも取り戻す自分自身…!


 ということで以上です。


 書いていてふと思いましたが、おそらく私自身、「聞いている時にちゃんと一人になれる」音楽が好きなんだと思います。
 自分が自分でいることを、勝手に肯定されたような気にさせてくれる音楽というか…(これはいつか整理して書いたい気がする…)


 じゃあこのテンションでアルバム編をやろうかというとそういうわけでもなく、それは年末まで取っておきます笑。


 とはいえ、曲の感想を共有したり、ライブ前に知り合いと「楽しみ〜!」みたいな会話を繰り広げるのは好きなので、この記事に対する感想や、「上半期はこんな曲もよかったですね〜」みたいな話など、よろしければお聞かせください。
 フォローしてる方のnoteなどで書かれているものは勝手に覗かせていただいて容赦なく心を込めてスキやコメントを付けさせていただきますね笑。


 今回は以上です。


 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
 下半期もよろしくお願いします。


 音楽好きなあなたが、少しでも心に響く音楽とともに日々を生きられますように。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集