【ネタバレあり ライブ感想文】eastern youth 「35周年記念巡業~EMOの細道2023〜」@ 札幌ペニーレーン24 2023.11.19(日)
【11.22日追記】
曲順について、読んでいただいた方から指摘を受け、4曲目と5曲目が逆だったかもしれません…。
ただはっきりした情報がないため、以下の文章はひとまずそのままにしています。
あくまで個人の感想文ということで、その点ご理解ください。
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はeastern youth、結成35周年記念のライブツアー、札幌公演のライブ感想文です。
例の如く、熱量増し増しで演奏曲にも言及している文章ですので、今後ツアーに参戦される方については、以下の文章は閲覧注意でお願いします。
それでは。
私が好きなライブの魅力を一つ挙げるなら、手を挙げてよし、声を出してもよし、踊ってもよし、突っ立っててもよし…と、周りの迷惑にならない範囲で、好きな音楽に自由に没頭できることが挙げられます。
私の知る中で、そのライブの魅力を最も携えたロックバンドがeastern youthです。
更に言えば3人のライブは自由なだけでなく、聞いている人を自然と「一人」の人間にしてくれるところがまた魅力。
同調圧力は皆無。
ただ己の存在だけを真心込めて、ありったけの爆音と叫びで放つ3人の演奏を受け止めるうちに、自然と自分そのものを取り戻して、時に声を上げ、時にじっと見つめ、時に拳を振り上げたくなる。
その純度が著しく高すぎる故に、私みたいな人間にはこれ以上ないほど魅力的なロックバンドなのです。
そんな3人のライブも、近年は中々見る機会に預かれず…トホホな心持ちでありましたが、遂にきたツアー札幌公演!
札幌ワンマンは実に5年振り!
しかも大好きなペニーレーン!
ときたものですから、光速でチケットをもぎ取り、今か今かと一人、待ち侘びながら生き抜いた先、11月中旬。
すっかり寒くなってきた札幌でしたが、この日は晴れていて、昼間でもほのかに暖かい陽射しが降り注ぐ気持ちよい気候。
会場には長年のファンと思われる方も多く、比較的人生経験浅めの私はちょっぴり緊張してしまいますが、それでも久しぶりに目の当たりにする3人の登場を、今か今かとワクワクしながら待ちます。
開演時刻を5分ほど廻った頃、暗転と同時にミドルテンポでどしゃめしゃとしたバンドサウンドが力強く叩きつけられるSEとともに、淡々とした足取りで登場する田森さん(ドラムス)、村岡さん(ベース)。
そして、苦虫を噛み潰したような表情で、ひょうひょうと歩いてくる吉野さん(ボイス、ギター)。
3人とも、ステージで飾る部分は皆無。
ふらっと生活の延長線上から現れて、各々の準備を整えます。
苦い表情だった吉野さんも、ギターを構えると雰囲気が一変。
哀愁すら漂うアルペジオをおもむろに弾き始め、村岡さんがその様子をじっと見据えながら、優しくベースを重ねていく中で、少しずつ音楽が生まれていくのが、このバンドのライブにおけるいつもの光景。
「ららら〜」
「うお〜ぉ〜」
と、眉間にきゅっと皺を寄せつつ、大きな口を開けて、言葉にならないメロディを声で紡ぐ吉野さん。
そうして吉野さん1人から始まった物語に、3人の音が重なった瞬間、閉じていた心の窓ガラスがバリーンと割れるような、目の覚める轟音一閃…!
一曲目は、「今日も続いてゆく」。
ミドルテンポながら、少しずつエンジンをかけるどころか一曲目からエンジン全開。
喉元に浮き上がる血管から、鋭くリズムを刻むつま先、素早くギターをかき鳴らす腕から何から何まで、人間の全てを差し出すような演奏の凄まじさに引き込まれます…!
始まる前に5年振りに会える云々…思っていたことはすっかり記憶の彼方へ。
続いてきた人生の先に、今日もeastern youthのライブを見ることができるという、シンプルな事実と爆音だけがそこにあります。
歓声や拍手に包まれる中、そんなことはお構いなしに再び静かに音を重ね続ける3人。
田森さんや吉野さんを見つめる村岡さんの表情にはまだまだ緊張感が漂っていて、3人の様子は、まるで真剣による一対一の斬り合いが始まる前のよう…。
次の瞬間……「!」
原曲ではベースで始まるイントロのフレーズを弾き始めたの吉野さん…!
客席から鳴り響く力強いコール。
茹だるような暑さが、身体にベッタリとまとわりつくようなグルーヴに、みるみる身体が燃えるような「夏の日の午後」…!
間奏の歌詞無きメロディに、どんな気持ちを乗せているのか知る由もありませんが、苦しくても叫び続ける吉野さんが、全存在をかけて生きようとしていることは明らか。
だからこそ、私も自分の持てる力で、同じメロディを歌うのではなく、渾身の力で叫んでしまうのです…!
ギターを何度も頭上に掲げては振り下ろすたび、アンサンブルが爆発する後奏でカタルシスの大洪水が押し寄せる中、余韻そのままに針の穴に糸を通すような鋭いピッキングを不規則に何度も、何度も見せる吉野さん。
既に次の曲を察知して動悸が収まらない中、瞬間の静寂。
繊細すぎるあのイントロフレーズに湧き上がる歓声…!
うねるようなベースとドラムが重なり、ジャーン!!!と一発鳴り響いた瞬間、今日このパンクロックが人生の最前線に立っていることを強く確信しました…!!
ただ暑いだけでなく、サビでは村岡さんによるコーラスが入ることで、視界が更に開けるような感覚を覚えるようになったこの曲。
もうリリースして20年以上経っていて、私はリアルタイムで知っていた曲ではありません。
でもそんなことはまるで意味を為さないほど、今目の前で鳴らされる音はただただ凄絶で激しいのに、とてつもなく生きる力がほとばしっていて、涙が止まらないんです。
言葉なんてなくても、恐ろしいほどの純度の高さで襲いかかる、35年目のロックバンド。
再び、そんなことなかったかのように音を合わせる3人。
次に口火を切るのは村岡さんの、太く、だけどとても優しいベースフレーズ。
水色の照明以上に、自分を全て暴かれるような真っ青な風景が心に広がるイントロでは、とうとう笑顔が見えた村岡さん…!
私も清々しい気持ちで、どっしりとした演奏に浸ります。
分かってるよそんなこと!
強く言い放つように歌う吉野さんに続き、お客さんはとても楽しそうに、ラララ〜🎵と歌ったり、手を挙げたり、各々の形で自由に音に乗ります。
最後には、少し悲壮感も感じられる声でたっぷり間をとって、再び同じフレーズを歌う吉野さんには、ほんの少しの寂しさも漂っているようでした。
続けざまに始まるセッションは、少し緊張感を帯びています。
スタートダッシュを決める前の助走を何度も決めては、インターバルを取ることを繰り返すように、中央に向き合って音を重ね続ける3人。
次の瞬間、突き刺すような吉野さんのストロークから始まるのは「踵鳴る」…!
バンドの中でも特筆するほどの速さと激しさを持つこの曲は、20年以上経ってもその衝動に偽りなし、変化なし。
間奏のブレイクを挟む以外は、力の限り疾走し続ける演奏。
小刻みに足を慣らしながら、早いテンポに喰らいつくように演奏する村岡さんや、文字通り足を踏み鳴らしながら絶唱する吉野さん。
終盤のシャウトは息も絶え絶えだった場面があったにも関わらず、最後の最後にラストスパートの大疾走を決めるアウトロで、全てを絞り出すようなロングシャウトを決める吉野さん…!!!
私の足も、早く踏み出したくてたまらないと言っています…!
踏み出す足が、たとえ裸足で傷だらけでも走り出さなきゃいけないという気持ちを煽るように続く「裸足で行かざるを得ない」。
「行かざるを得ない」と同時に、自分が自分であるために「進み続けたい」。
そんな能動的な意志を掻き立てるような、猛スピードで突っ込んでくる直球のビートに、ますます拳にも力が入ります…!
「今日はようこそお越しいただきました。
私、生まれこそ札幌の地ではありませんが、札幌で結成したバンドです。
札幌の冷たさもよく知っています。
出てけ出てけえ!と。
冷たい札幌ですが、今日はたくさんの(お客さん)入りになりました。」
5年振りのワンマン公演ということもあり、「お帰り!」「待ってたよ!」という暖かい歓声も飛び交う中、少し笑いながら、皮肉交じりですが吉野さんなりに、この日のお客さんへの愛情が感じられるMCを挟み、再び向き合う3人。
少しずつエネルギーを溜めるように音を重ねる中、静かに光が漏れ出すような「素晴らしい世界」のイントロ。
一度爆発してからは、心の奥底から光が、エネルギーが、ぶわああっと溢れ出し続けて止まらない7分間…!
命懸けで笑え、歌え、涙を流せと、終始汗まみれの険しい表情で歌う吉野さんの姿は、自分の力で生きることを捕まえるためには、それだけのエネルギーが必要だということを体現しているようです。
私も真っ直ぐ生きられてるかな…?と問いただされているかのような時間です。
「ドッコイ生キテル街ノ中」では、歌い出しでドラムかギター?のタイミングがズレて少しリズムがヨレるものの、瞬時に立て直してゴツゴツと掻き分けていくグルーヴを取り戻していく様は、さすがに長年の経験を感じさせます。
サビに入った瞬間、カラッと突き抜けたグルーヴは、原曲を遥かに超えてあまりにも気持ち良すぎます!
このフレーズ、原曲では「歌い」、今日は何度も「叫んでいた」吉野さん。
上手くいかないことがあっても、今日この瞬間しかない全力のライブは、まだまだ続いていきます。
かっこよく締まった演奏に続き、唐突に
「ズボンのチャックが空いてないかいつも気になる…。」
と、ぼやき始める吉野さんに笑いが起こります(もちろん締まってました。)。
その後この話は、普段家のトイレにはないというウォシュレット事情に発展。
訪れた居酒屋などにあると意味も無くお尻を洗ったりするという吉野さんですが笑、たまに設定が最大出力になっていることがあると、たまたまそれが好みの人がいるかもしれないという事実は尊重しつつ、お尻の穴から俺を突き刺していじわるしようとしているやつがいるんじゃないかと怒りを露わにしているご様子笑。
事実、今日のペニーレーンの楽屋にあったトイレのウォシュレットは最大設定になっていたらしく、思わずたくさんの笑いに包まれる会場笑。
そうしてお尻の穴からボロボロにされる自分を、ひき肉に例えて何故かお笑い芸人の三瓶さん風に手をひらひらとさせて、「ひきにくです」という吉野さんですが、客席の反応は渋い様子です笑。(おそらくそういう意味だったのかと思いますが…?)
それでもそんなことは知らんと、頑なにやり続ける吉野さん。
すっかり和やかな雰囲気ですが、少し間を置いて突如見せる鋭い眼光。
「いつだって、譲れねえもんだけは、譲らずにやってきた!」
確固たる思いに一つ一つ火を焚べるように、街灯の光にポツポツ明かりが灯るように、鳴り響くアルペジオ。
他の何者でもない自分自身を、絶対に譲らないし、渡さないし、掴んで離さない。
堂々たる生存宣言のような吉野さんの叫びと掻きむしるように鳴らされるギターに、心私の握り拳にも力が入ります…!
曲終わりの静かで寂しげな余韻そのままに、音を重ねる3人が次に鳴らすのは「矯正視力〇・六」。
淡々と刻むようなメロディに浸るこの曲で、何度ライブで聞いても圧巻なのは、轟音の海に溺れるような中盤のセッション。
時にドラムきっかけで、時にベースきっかけで、何度も音の荒波が寄せては引き、寄せては引きを繰り返す様に圧倒されながら、3人が目配せをしながらじっくりと音を合わせていく様に没頭します。
溢れ出す感情の波に溺れ、再び動き出す人生は、たとえ目に見える、手の届く範囲が僅かだとしても、その範囲にあるものだけはポケットにしっかりと入れて手放さない。
強い意志を感じさせながらも、力強い足取りというよりは、自分のペースで歩いて行けばいいかと肩の力を抜いてくれるような、ひょうひょうとしたアウトロの余韻に浸ります。
吉野さん「流れ流れて、「いずこへ」…。」
行き先すら不明な自分の旅路も、いずれは彷徨い消えるばかり…。
それでも!
両足でバタバタと飛び跳ねながら豪快なギターフレーズを放出する吉野さんは、これしかできないし、これしかワクワクすることがないからやっているんだと、開き直りつつも足掻き、今を生きるギターヒーローに見えて仕方ありません。
すると今度は突然のどしゃ降り!
でもあまりに潤っていて、あっけらかんとしたメロディと、3人の楽しそうな演奏のせいで、不思議とそんな雨模様でも楽しくてニコニコしてしまった「雨曝しなら濡れるがいいさ」。
どんな状況でも、自分が自分であることを見据えて動く足音が止むことはありません。
一聴すると少しシリアスな雰囲気の音合わせから、「たとえばぼくが死んだら」。
メロディは比較的明るく、演奏は真っ直ぐでシンプルな曲ですが、歌唱には吉野さんの真心と深い思いが込められているように感じます。
eastern youthのライブは屈指の大音量であることから、演奏中に歌詞を聞き取るのは相当困難なはずですが、何度も繰り返されるタイトルフレーズと吉野さんが真っ直ぐ前を見据える歌唱スタイルから、自分が「終わった」時の想像が働いてしまうのは必然です。
真剣に見ている人ほど、自分と向き合うことを余儀なくされるライブ…という感じでしょうか。
改めて、そんなことを思いながら聞いていました。
「今どうなってるか知らないけど、昔、札幌の北2条?3条?にある二階建てのボロッボロのアパートに住んでて。
17(歳)の時にタモ(田森さん)が借りてくれて…不動産屋もよく17に貸したなって話なんだけど笑
便所がボットンだったのね。
でも俺らが住んでたのは二階で…。
どういう仕組みなの!?って思ってたわけ!
一階の人とちょっとずらしてんのかな…?」
札幌での思い出話に再び笑いが起こるライブハウス。
深く想像したい話ではありませんが、私もふと考えてしまいます笑
「で、そんな便所でボットンしてる笑とね、時計台あるでしょ。
鐘が聞こえてくんのね。
あっ!ここからでも聞こえるんだな!って思って。」
そんなMCからこの曲を聞く日がくると思っていませんでしたが、イントロのギターとベースがなると、極寒の猛吹雪を音像で作り出した「時計台の鐘」。
それでも確かに燃える自分の思いと心臓の音を頼りに、何とか一歩ずつ進んでいきます。
「我々も・・・決して平坦な道を歩いてきたわけじゃなくて。
何度も「止めよう」ってタイミングがあったんですよ。」
今日ここに辿り着くまでの歩みを振り返る中で、前ベースの二宮さんが脱退することになったタイミングの心境について話し始めた吉野さん。
「もう流石に無理だなと思って、新大久保(?)の居酒屋に昼間からタモ(田森さん)呼び出してさ。
そしたらタモが、「止めねえ」って言うんだよ。
「行けるとこまで行こうよ!止めるのは簡単だから」って!
もう俺は残念会する気満々で、何食べようかな…?イカかな…?とか考えてるのに笑
しかも(二宮さんは)あのバカテクベースで、曲もいっぱいあるから1から教えてってことにもならないし、そんなベースいねえだろと思ってたら…いたの1人!
全曲知ってて弾ける人が!!
おかげで今日もこうしてライブができています。」
まさにバンドの救世主となった村岡さんは、とても照れて恐縮そうな笑みを浮かべていますが、改めて会場中から大きな拍手と歓声が送られます。
吉野さんから何か話すように促される村岡さんですが、遠慮しているのか全くマイクに近づこうとしません笑
そんな様を吉野さんに、
「実はさっきの「ひきにくです」は村岡さんがやるつもりだった。」とか「バスの乗り方が分からない。」など、半分嘘、半分真実のメンバー紹介によりいじられ、流石の村岡さんも「そこまで言いますか・・・!?」と困惑の表情です笑
「タモ(田森さん)です!」
登場から一切表情を崩さず、ドラムプレイに徹していた田森さんですが、どうやらMC用にマイクが用意されている様子…でも遠慮してしゃべりたがらず、「(吉野さんが)しゃべってしゃべって」と、ジェスチャーで促しながら、この日唯一のはにかみを見せる様が微笑ましいです笑
「タモはすすきののケンタッキーで店長してたんだけど、「廃棄になるチキンフィレサンドをくれ」と俺が言ってもくれなかった。」とまたもやイジられつつ、
「俺は35年、タモとしかバンドを組んだことがないんです。」
と、バンドを支え続ける大黒柱に感謝の気持ちを表します。
「そして俺!
未だ名も無し!
血は、36℃で沸騰する!!」
勇ましい口上で全メンバー紹介を終えるとともに、再び己の身一つで燃え続ける大好きな「沸点36℃」へ。
私にとって、eastern youthを知るきっかけとなった曲で、思い入れも強い一曲。
「己を滾らせるのはいつだって己自身」と、燃え上がるようにサビで絶唱する吉野さんに、再び身体の奥底から体温が上昇します…!
もう平熱では済まされません!!
熱源は充填完了。
後は自分なりの歩幅で堂々と歩き出してみようと、威勢良く鳴らされる暖かい爆音に揺れた「荒野に針路を取れ」。
黙ってじっと聞くか、叫ぶか、拳を振るかの三択になることが多かったこの日のライブで、勇ましく汽笛を鳴らすようなグルーヴに乗って、足が自然と力強く、右に左に地面を踏み鳴らします。
サビを歌う吉野さんも同じようなステップを踏んでいます。
決して同じ道ではないですが、このバンドとまた生活を共にできることを誇らしく思う時間…!
たくさんの熱を蓄え、足を鳴らして準備運動も完了。
吉野さんの優しいストロークが、新しい朝日を迎え入れます。
ステージ後方からの後光が差すような照明の後押しも受け、ベースが重なり、ドラムが重なる瞬間、一曲目のようなバリーン!とした轟音一閃…「夜明けの歌」…!
涙を流して立ち止まってる場合じゃない!
今は!前を向きたい…!!
気付けば曲中に私から出てきた涙が引っ込むことはありませんでしたが、それでもしっかりと目の前の3人を見据えることだけは諦めませんでした。
その先に、私自身の、このバンドの、新しい夜明けがあることを信じて。
「今日はどうもありがとう!
俺たち、また「街の底」で会おうぜ…!」
サビで繰り返されるフレーズ。
生きている!
生きている!!!
生きている!!!!!
吉野さんが歌うたびに、叫ぶたびに、深まり湧き上がり膨れ上がる生の実感…凄まじたるや!!!
駆け抜けるようなグルーヴであっという間に演奏を終えると、そそくさと退場するメンバー。
無論、まだまだ!と力強い拍手は鳴り止みません。
早々に再登場すると、今度こそ!とばかりに、吉野さんは村岡さんにMCを振ります!
「こんばんは。
本日はお越しいただきありがとうございます。
むらおかです!(三瓶ですのリズムで!笑)」
しっかり伏線も回収する優しい村岡さん笑
まだ足りないようで、「moreあああ!」と吉野さんが更なる言葉を促します笑
「このバンドが生まれた土地で演奏できて、とても嬉しいです。」
まさしくそれが全てとばかりに鳴らされる、「故郷」のストレートなパンクロック…!
今このライブハウスが、
eastern youthのような、1人の人間である私を取り戻せるロックバンドの音楽が、
私にとっていつでも帰ってきたい故郷です…!
今度こそ終わりとばかりに、場内には爆音でSEが流れ出しますが、そのリズムに合わせて先ほどよりも大きい手拍子が…!
それに応え、再登場するメンバー!
曲始まりは静かに音を重ねることが多かったこの日のライブで、最後は激しく音を合わせながら、吉野さんが何やら叫んでいますが、轟音に紛れて聞き取れず。
でも最後のフレーズは聞き取れるとともに、場内に響き渡る「あの人」を呼ぶ声…!
「…1.2.3.4.「DON QUIJOTE」!!!!」
間奏で何度もよろめきながら、左右に飛び跳ねてギターを弾く吉野さんは、この日1番楽しそう!
どんなに負け続けても、愉快痛快な爆音がある限り、自分自身である限り、生き続けられるはず。
そんな無責任極まりない最高のパンクロックが鳴り響いたところで2時間。
吉野さん
「どうもありがとう!また会う日まで!
さようなら!!」
クールに片手を挙げる田森さん、深くお辞儀をする村岡さん、そして淡々と背中を丸めて歩いて去っていく吉野さん。
会場が明るくなり、本当に終演のはずですが、先ほどにも増して大きくなる手拍子、そして「まだまだあ!」という歓声…!
本当にトリプルアンコールが起こりそうな熱狂は数分続きましたが、アナウンスがあり、この日はここでお開き。
清々しい余韻とともに、会場を後にする足取りは、自然と力強くなってるような…気がしただけかもしれませんが、それでもまた明日から、この日のこの瞬間から続く私の人生を、もう少し頑張ってみようと思えたのは真実でした。
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。