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【ネタバレあり ライブ感想文】シナリオアート「15th anniversary & Release One-man Tour[Scene #11] - 15th sketch -」@札幌VyPass 2024.7.6(土)


 こんにちは。シリアスファイターです。



 今回はシナリオアート、結成15周年記念&ニューミニアルバムリリース記念のワンマンツアー初日、札幌公演のライブ感想文です。




 絶賛継続中のツアーですが、以下の文章では私が受け取った演奏曲やそれに付随する感情その他のあらゆる情報に満遍なく触れた記述満載ですので、今後ツアーに行かれる方は閲覧注意でお願いします。




 それでは。




 シナリオアートとの出会いはおよそ9年前、アニメのタイアップとしてリリースされた、「ナナヒツジ」というKANA-BOONとのスプリットシングル曲。




 アニメの世界に寄り添うような幾何学的なギターフレーズが主体となった難解な曲に見せかけて、ドラムとボーカルがかつて見たことない力強さで共存するなど、とてつもない熱量で、ポップで、ロックバンド然とした佇まいに案の定一回聞いただけで好きになってしまった曲。



 その後、また別のアニメを通じて、今度は大好きなアジカンの「迷子犬と雨のビート」のカバー音源と、「ラブマゲドン」という曲で再会すると、今度は優しくも愛が爆発するような包容力に包まれたバンドサウンドというその振れ幅にびっくり!




 とはいえ、その後はそこまで熱心に音源を追っていたわけではなかった3人は、気付けば独立して独自のやりたいことを貫く、ある意味茨の道を歩んでいたらしく、地道に音源発表やライブ活動を続けていることを、Xのフォロワーさんのポストでふと知ることに。



 すると今度開催されるという久しぶりの全国ワンマンツアー、なんと札幌公演があるじゃないですか!
 日程的にも申し分ない…気になる…!



 フォロワーさんやメンバーさんの熱のこもったポストも拝見していたので、なおさら気になる…!!



 しかも札幌でのワンマンライブはなんと7年振りとのこと、滅多にない機会であればなおさら…気になる!!!



 というわけで、行ける機会があるなら行ってみましょう、迷わず行けよ、行けば分かるさ。


 チケットを奪取し、シナリオアートの音楽の扉を思いっ切り叩いて開くこととなったのです。




 この日の会場、VyPassは個人的には初めて行くライブハウス。
 会場に入ってすぐの、物販とドリンクカウンターのスペースにあるTVではシナリオアートのMVが流れ、ライブハウススペースに入るとシナリオアートの曲がインストver.で流れ続けとシナリオアート一色…って演者との距離近っ!!



 ライブハウススペースは、フルで入っても100人ほどのキャパシティで、演者どころか機材すらも全てはっきりくっきりと見えるゼロ距離…この距離感のライブハウスは相当久しぶり かつ初めましてのシナリオアートとの距離感にしては近過ぎる気さえもします…何だか緊張感が高まる私。


 それでも優しく響く貴重なインスト音源で何とか気持ちを整えること数十分。




 いよいよ定刻通り場内が暗転。




 宇宙と更新を試みるような浮遊感のあるSEとともに、ステージ頭上の照明がポツポツと点滅する中、メンバー3人が登場。
 コウスケさん(Vo&Gt.)とヤマピーさん(Ba.)が自分の立ち位置で静かにぺこりと、クミコさん(Vo&Dr.)も深々とお辞儀すると、拍手に包まれるフロア。


 少し緊張感のある面持ちでしたが、準備を整えたことをコウスケさんがPAさんに合図し、3人揃ってジャーン!!と鳴らした始めた瞬間、3人それぞれが思わず溢した笑みと音楽で、するすると強張った気持ちが解かれていきます。

 平成が終わって平成が終わって 
 オリンピックが終わって
 時代が変わろうと 蠢いてる

シーユーネバーランド



 1曲目は「シーユーネバーランド」


 以前予定されていた札幌公演は、コロナ禍に伴う延期、中止を余儀なくされ、結果的に7年振りになってしまったらしい札幌でのライブ。


 それでも、何があっても、バンドが止まることはなく、こうしてまた札幌の地で会えたことの喜びを噛み締めるように、何度も笑顔を溢す3人と、決意に溢れた剥き出しのグルーヴに早くも心が洗われます…!
 清々しいほど自由で、少し心細いけど、これまでバンドが歩んできた一歩一歩の足取りがどれだけ力強いものかを感じさせるグルーヴ。



 曲が終わるとクミコさんの力強い8ビートから短いセッションに突入。


コウスケさん
「…やー!…始まったなぁ!」


 感慨深そうに満面の笑みを浮かべるコウスケさんはすっかり楽しそうです!
 セッションの終わりとともに、コウスケさんの静かなタイトルコールから、「ホワイトレインコートマン」へ。


 ドラムから飛び出す打音の勢いを落とさないまま、真っ直ぐフロア前方を見据えて高らかに歌い上げるクミコさんの神業振りは相変わらずですが、ちょうどクミコさんの視線上に立っていた私は、そのあまりの誠実さに何度も勝手に恥ずかしくなってしまいます…。
 「本気」が伝わる目力と歌力とドラム力…!


 黒い雨は止まずとも、15年経っても貫禄が出るどころか真っ直ぐ切実な音を紡ぐことに注力する3人の飾らない音に、再び心が洗われます…!




 続けざま、あの複雑怪奇なドラムフレーズを組み立て始めるクミコさん。


コウスケさん
「…ぶっ壊そうぜ…!」



 そのMCとドラムフレーズで全てを察する「シニカルデトックス」で、テクニカルバンドサウンド、狂気の大爆発。
 でも、音は至極楽しそう!!


 楽しすぎるあまりなのか、勢い余って曲中に2回もスティックを落としてしまうクミコさんですが、バンドの演奏はその勢いを緩めることはありません…!


 特に中盤のヘドバンパート(私が勝手に呼んでいる)でのヘヴィな演奏は、これまでライブ現場で叩き上げてきた「重さ」に押し潰されそう…!


 個人的にはヤマピーさんによるBメロで暴れるベースフレーズが大好物。
 サビの最後のフレーズも、原曲ではメインボーカル2人が担当するところをヤマピーさんが歌うなど大活躍…!


 その勢いのまま鋭く、蒼く、駆け抜ける「ブルースメル」まで一瞬。
 アウトロでは、それまで直立不動でベースプレイに興じていたヤマピーさんが、グッと姿勢を落としベースを引き倒す様に気持ちが昂ります…!


クミコさん
「これだけは言わせて…。
 スティック2回落としたのは札幌のせいやから…!」


ヤマピーさん
「あれよな、久しぶりに来たら思い出したわ、 
どれだけ久しぶりに来ても盛り上がるんや札幌は。」


クミコさん
「ほんまな!」


 フロアから上がる「待ってたよ!」の声に「ありがとう!」と元気いっぱい応えるクミコさん。


 バンドもフロアも、この瞬間をどれだけ待ち焦がれていたかを共有し合うMCタイムです…!


コウスケさん
「今日いっぱい曲やるから!
 だって明日はどうなるか分からないし…なんかもう…分かんないじゃん!」

クミコさん
「ふわっとしてるな笑」


コウスケさん
「疲れたら休んでもらっても、復活してもらってもいいんで。
 だから今日、出し切るので最後までよろしくお願いします。」


 ここまででも既に代表曲のオンパレードのような曲の並びで、15周年ツアーであることを如実に感じられるライブ。


 まだまだ出し切ってくれるとのことでワクワクが止まらない中、コウスケさんによるタイトルコールから「スターサイドシンドローム」へ。



 夜空に星が瞬くようなシンセ音から始まる圧倒的な孤独が一つ一つ光り輝くように、時々声がひっくり返りそうな勢いで必死に、でも大切に歌と言葉を紡ぐコウスケさん。


 今の苦悩や苦しみも、いつの日か笑い話になると信じて、光のすみっこでもがき続ける孤独にも、その真っ直ぐな歌で光を当てます。


 この曲が収録されているアルバム「EVER SICK」の曲順通り、続けて披露される「エバーシック」は、「シニカルデトックス」の発展系のような激しいフレーズの応酬と、間奏で驚くほど鋭利に、正確に決まるクミコさんのドラムフレーズとその緩急に息を飲みます…!



 それは「病気」と例えられる何かかもしれないけど、それは私のあるがままの心の動きだから、私はまだまだ生きるよね?
 そんな心を持ったまま行けるよと、ポンと背中を押してくれるような「ハイティーン」

思春期なんて三文字で片付けないでよ
誰かわかってくれる
きっと誰かと出会える
起き上がって着替えたら 出かけよう

ハイティーン


 15年で抱えたたくさんの気持ちを、1つも溢さずに今なお進み続けるシナリオアートから、歪んだ真っ直ぐなバンドサウンドによるエール。
 そういえばこの日のライブ、当日15歳の人は無料になるチケットが途中で発売されていましたが、15歳の人も来てたのかな…何か響いていたらいいな…なんてことを考えてみたり。



 曲の終わりとともに静かにフェードインする同期音に乗せて、クミコさんによる祈りを込めるような透き通る裏声が何度も木霊する中、全ての楽器の音が浮遊し続けるセッションに突入。


 SE以来、この日2度目の宇宙遊泳にその身を柔らかく委ねていると、その終着点、原曲以上に踊れそうな軽快で抑揚が効いたビートが飛び出すのは「ウォーキングムーン」


 宇宙までの遥かな旅路と、いざ自分の足で宇宙散歩に飛び出すまでの宇宙旅行のような感覚を表現する音楽…これはワクワクさんです!!


 この曲中にも、勢いのままスティックを落としていたクミコさんは、「何回でも落としていこうぜぇ!!」とまだまだ元気いっぱい!


コウスケさん
「夏が近づいてきたので夏の曲を。」



 北海道を飛び出すとすっかり夏らしい気温ですが、この日の北海道はまだまだ肌寒さが残る気温。
 そんな中でも、ちょっと茹だるけど、どこかポカポカとした印象の音を届けてくれた「イマジナリーサマー」は、生で浴びると想像以上に夏の景色が広がります。
 何よりもコウスケさんの暖かい音色のギターに、これから始まる夏を思わずにはいられません。




クミコさん
「次の曲は…北海道のためだけに用意してきました…!!」


 フロアにいた皆さんの盛り上がりから、これは中々のレア曲であることは察しましたが、終演後に配られたセットリストが書かれたポストカードが無かったら私は分からなかった「シュッシュポップ」


 この曲でも印象的だったのはコウスケさんによる、何度も心弾けるようなアクセントが効いたギターフレーズ。


 軽快さに、無邪気さと可愛さをミックスしたような愛らしいナンバーで、フロア中にたくさんの手が上がります…!


クミコさん
「今回は、新しいアルバムを引っ提げたツアーです。
 次の曲は、私から見た15年目のシナリオアートについて書きました。
 よければ一緒に歌ってください…!」


 自身の言葉と力強いドラミングから幕を開ける「リンドン」では、リ〜ンド〜ン♪リ〜ンド〜ン♪というシンガロングがとても心地良く響きます…私もついつい口ずさむ。
 2番に入ると歌詞を8割方飛ばしてしまったコウスケさんは、歌詞を飛ばす度に、曲のビートに乗って何度も「パンっ!…パンっ!」と破裂音を発することで誤魔化します笑


 貴重なこの日限りのアレンジという解釈で、これからこの曲を聞くたびに、きっと何度も私の脳内で再生されるでしょう笑


クミコさん
「札幌は、移住したい街ナンバーワンなんやけど、90%くらいの地元民にそれはやめとけって言われるんよ…わかる…冬はやばいんやろ…?」

ヤマピーさん
「俺ら滋賀県から来てるから、(比べると)札幌なんてよっぽど都会なのにな。」

クミコさん
「ちなみにここにいる人で移住した方がいいって人!

 (誰も手が上がらず)

 やめとけって人!

 (誰も手が上がらず)

 移住を進めるほどじゃないけど良い街ってことやな!?」


 札幌への愛を存分に語るポジティブシンキングクミコお姉さんですが、先日札幌に来た日の夜、どうやら札幌の怖い一面も見たらしく…


クミコさん
「すすきの辺りで、ラーメン食べに行こうとして歩いてたら、植木鉢のフリした人がおって。
 なんか小さな声で「こんにちは。」とか言ってたんやけど、クミコが隣に来た瞬間にうわああ!って声かけられて…。
 もう犯罪やん…。
 札幌ってヤバイ街やったんや笑」


 「うわああ!」という部分を再現しようと、思い切りジェスチャーしすぎて自身のマイクスタンドを倒すハプニングもあったこのMC笑
 全く存じ上げない方ですが、私もすすきのは正直ちょっと怖いことを、まさかここで再確認するとは笑




コウスケさん
「クミコタイム終わった?」


クミコさん
「終わった。」


コウスケさん
「最近、あまり眠れてなくて。
 昨日はライブ前で興奮して眠れなくて、一昨日も、その前も…興奮してたからかな?笑
 2時間ずつしか寝れなくて…今のこのライブも夢なのか現実なのか…もしかして夢か?
 もうライブが楽しすぎて…!
 少しでもみんなが眠れるように歌います。」



 フロアからはほとんどメンバーの姿が見えない、夜に窓から漏れる月明かり程度の照明が灯るステージ上で演奏される「ネムレヌイヌ」の優しい音像をひしひしと受け止めるところから、新作のミニアルバムモードのシナリオアートが続きます。


 灯台の灯りが何度も地上を照らし出すような同期音から、少しずつ音が重なるバンドサウンドのセッションへ突入。
 そこから流れるように「メトロノームタワー」の優しいイントロへ。

 圧巻だったのは数秒で過ぎ去るCメロ。
 原曲ではミルフィーユ状に折り重なるクミコさんのボーカルパートですが、ライブでは人力でほぼ息継ぎなしに歌い上げながら、ドラムが最も盛り上がる複雑なフレーズを渾身の熱量で叩き切るという超人振り…!
 「千手観音クミコ」の名を欲しいままにしていました(勝手なこと言ってすいません…)。



 ここからさらなるバンドセッションへ突入。
 じっくりとしたセッションの積み重ねで披露される曲の連続に、しっかりじっくり音楽を受け止めてほしいという今のバンドの意志を如実に感じたのは、続く曲が「センシティブガール」だったからということも大きいかもしれません。


 長い長い旅路(曲)の果て、サビに入った瞬間にユニゾンする歌唱フレーズが「最高」すぎるカタルシスを生み出します…!
 この音楽でしか味わえない快感…誰にも邪魔させない…私たちだけのものだ…!
 不敵な笑みが広がり、歌声が響き渡る「最高」のライブハウス…!



 そうしてまたまた始まるセッションは何だか軽快!


クミコさん
「踊れますかー!?」


 見事に客席との呼吸があったウーハーダンスの応酬に、クミコさんからの「ありがとう!」の言葉も飛び出した「ジンギスカンフー」で高揚!
 原曲で抱いた印象以上にメロディアスなサビのメロディにさらに高揚!!

思い出してみてよ
怖いものがなかった日々
無意味を愛せたとき
くだらないを笑えた日々

ジンギスカンフー

 
 これが「無意味」を積み重ねた先にある、圧倒的に「楽しい」音楽表現!!


 最後にはメンバー3人揃ってのウーハーダンス。
 可愛くもあり、とても楽しかったです…!


 そのまま怒涛のセッションから、シナリオアートの名を広めた怒涛のキラーチューン攻勢…!


 まずは「サヨナラムーンタウン」



 「誰か」と、「あなた」と生きたいという想いがあまりにも「私」に響き過ぎるこのライブハウスの近すぎる距離と、3人の圧倒的熱量の演奏。


 「ネムレヌイヌ」で優しくも寂しかった月の光は今、強固な意志と音によって輝きを増す一方です…!



 それを叩き壊すように叩きつけられるイントロで、私がシナリオアートに出会ってからの9年間という時間の壁を粉々に叩き壊したのは「ナナヒツジ」…!!

理解されない アウトサイダー
道なき道を 創っていくんだ
惑わされないで 人と同じじゃなくていい
ハグレヒツジよ 未来を変えてゆけ

ナナヒツジ



 落ちサビ、全身全音全霊の最終盤。
 全てが溢れ出したアウトサイダー。
 9年前の出会いの曲を、今初めて目の前で叩きつけられたこの瞬間、今のシナリオアートがかっこよすぎたことが、この一曲、この瞬間に全て詰まっていました…!!



コウスケさん
「この15年、いろんな音楽を作ってきました。
 ポップだとか、ダークだとか、そんなのは表層でしかなくて、15年、同じことをたくさんの表現で音楽にしてきました。
 そして今日、その音楽を持って、またみんなに出逢えました。
 みんなが幸せに日々を続けていけますように。」


 この日1番、目を見開いて力強い言葉を投げかけるコウスケさん。




 それに呼応するような、ヤマピーさんの力強いベースラインから始まる「アカネイロフィフティーン」


 ステージ上の橙の照明と、冷静に、でも、がむしゃらに鳴らされ続ける3人の音に、どこまでも広がる夕焼け空への想像が膨らみます。


 希望も不安も絶望も全部ごちゃ混ぜにしたまま、夜に向かってまた走り出していくような感覚の表現。
 これを、ひたすら繰り返して積み重ねてきたことを、目の前で鳴っている音が何よりも証明していました。

コウスケさん
「最後に一曲だけ。本当にありがとう。」



 遊園地のパレードのような賑やかなギターイントロが印象的な「テンダーランド」がラストナンバー。

 そんなパレードでも、向かう先は「夜」。
 中盤から一気にカタルシス溢れ出すシリアスな展開へ。

ブラックパレード 罪と罰
終わらない夜は 寂しい

テンダーランド


 

 最後の最後には歪み切ってほぼ原型を失ったギターを奏でるコウスケさんはその場でうずくまり、エフェクターをがむしゃらに操作しながら、その歪んだ音色を何度も出しては止め、出しては止めを繰り返します。


 何があっても、絶対に終わる夜。


 でもまだ終わらせないと必死に足掻き続ける様を表現し続けた、アウトロの長いセッション。
 エフェクター操作を終えると、最後の残響が止むまでその場でうずくまり、動かなくなったコウスケさん。


 残業が止むとともに、むくっと起き上がって「ありがとう。」といったその表情は、全てをやり切ったと言っているような清々しいものでした。


 鳴り止まない手拍手に応え、早々に訪れたアンコール。


 全員そのまま登場かと思いきや、ヤマピーさんだけ上のシャツを着替えています笑
 外は肌寒くても、中は暑かったこの日のライブ…!


クミコさん
「実は次の北海道が決まって……ないんですよぉ!
 これ、昨日から考えてて笑
 本当は最初、「決まってまーす!」って嘘ついて、「本当は決まってませ〜ん」ってやつをやろうとしたんやけど、誰にもメリットがないやつやから、優しいやつにしたわ笑」


 でも決まってたら嬉しかったな…!
 と思うくらいには、すっかり3人の音楽に魅了されていた私。


コウスケさん
「今が1番、音楽や聞いてくれてる人に向き合えてる気がします。
 15年経って、色々変わっても変わらない何かがあると最近思ってて、例えばプリキュアは変わっても、今のプリキュアも好きみたいな…この例え、分かりにくいか?笑
 ようは、たとえ人生、何かが終わってもずっと続いていって、どこかで交わるみたいなことがあると思うんですよ。」


クミコさん
「ちなみに今日初めて(シナリオアートのライブ)来た人おる?

 (私含め数人の手が上がる)

 ほんまに!!??
 どこで知ってくれたん?ありがとう!」


コウスケさん
「続けてたらこういう出会いもあるし、今日またここで出会えたみんなにとって、何かが終わってしまった瞬間にまた続いていく人生の中で、シナリオアートの音楽が響くように、音楽を続けるから、約束しましょう…必ずまた…!
 じゃあ最後の曲…タイトルコールする?」


クミコさん
「大きな声でどうぞ!」


コウスケさん
「(いたって普通のトーンで)「アオイコドク」


 サビのラルラルのフレーズ、自然と広がる一人一人の声。


 この曲ももし、リアルタイムで出会っていたら、また人生の景色が変わっていたかもしれないなと思いつつ。
 でも、「今出会えたこと」をコウスケさんの言葉も含めてしっかりと掴まえました。
 サビのフレーズを歌うたび、ライブハウス中の孤独に命の火を灯した最後の疾走。


 曲が終わると同時に、再び奏で始められたのは、一曲目の「シーユーネバーランド」のアウトロ、つまり、この日のライブで最初に3人が鳴らし始めた音…!


 何度終わっても、命ある限り、また始まっていく。



 それまで自分の定位置でギター弾いていたコウスケさんは、ぴょんぴょんと飛び跳ねながらギターを奏で、最後にはマイクスタンドを倒すほどの絶唱!
 ずっと後ろにいたやまぴーさんも、何度も前に出てベースを掲げながら弾き倒し、満面の笑み!

クミコさん
「終わるでー!」



 クミコさんの合図とともに、ジャーン!!と一発!
 フィニッシュ!


 「ありがとう!」
 「またきて!」
 フロアから飛び交う歓声に、「また来るわ!」とクミコさんからの力強いお言葉!!


 15年間ひたすらライブで叩き上げてきた演奏力と、不器用すぎるくらい繊細な感性をたくさんの表現で鳴らし続ける実直さは、初めてライブを見る私にもしっかりと伝わりました…!


 何回も何回も生まれ直し続けるバンドの、新たなスタート地点に立ち会えたことにただただ感謝です…そしてまた会いたい…!

セットリスト
1.シーユーネバーランド
2.ホワイトレインコートマン
3.シニカルデトックス
4.ブルースメル
5.スターサイドシンドローム
6.エバーシック
7.ハイティーン
8.ウォーキングムーン
9.イマジナリーサマー
10.シュッシュポップ
11.リンドン
12.ネムレヌイヌ
13.メトロノームタワー
14.センシティブガール
15.ジンギスカンフー
16.サヨナラムーンタウン
17.ナナヒツジ
18.アカネイロフィフティーン
19.テンダーランド

アンコール
1.アオイコドク〜シーユーネバーランド


 今回は以上です。


 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

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