【ライブ感想文】King Gnu「THE GREATEST UNKNOWN DOME TOUR」@札幌ドーム 2024.3.23(土)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はKing Gnuの5大ドームツアーファイナル、札幌公演のライブ感想文です。
私にとってのKing Gnuといえば・・・
全く聞いたことがない気もするし、どこかで聞いたことがあるような気もする要素が、時にスタイリッシュに、時にクールに、時に泥臭く、時に切なく、時に不可解にetc…混ざり合って絡み合って複雑なのに、一貫してポップだから一聴して即座に好きになってしまい、曲が出る度に私の中のヌーの大群は増える一方…そんなバンドです。
ただ、都合が合わなかったり、そもそもチケットが取れなかったりとワンマンライブに行ける機会はなく、一昨年のライジングサンは直前で常田さんの体調不良により出演キャンセルになるなど、もういよいよあの巨大な大群は、音源とライブ映像の中で体感するしかないのか…と思っていた矢先。
昨年とうとう発表になったアルバムと新ツアー…、なんとファイナルは札幌ドーム。
ついに来たのか…?
生で体感する機会が…?
理性的な私は少し懐疑的(今回はチケット取れるのか問題)でしたが、本能的な私は、心の中のヌーの大群の呼び声に従って粛々とアルバムの予約手続を進め、見事にチケットも勝ち取り迎えたこの日。
人生2度目、7年ぶりの札幌ドームでのライブ参加。
現実にその眼と感覚でもって、4人の姿を見届けた記録です。
「……広ーーーーー!」
札幌ドームに突入したのは14時20分頃。
普段はサッカーのグラウンドなどで使われているアリーナには、左右2箇所の超巨大モニターを携えたステージセットと客席が並び、それをぐるりと取り囲むようにスタンド席が一面に広がる光景はそれだけで圧巻。
来たことがあるはずなのに、こんなに広かったっけ!?と自分の記憶を疑うほどの景色に呆気に取られつつも、この日は運良くアリーナ席ということで座席位置を確認すると、1番後ろの隅っこにあるとってもちっちゃいブロックで、そこだけ見るとこのドームの広さを全く感じさせません笑
むしろ安心感すら覚える、すみっこぐらしな私。
会場内には、おそらくこの日のためのものと思われる重厚な弦楽器の音色がBGMとして響き渡る中、ところどころ光り輝いているもののまだ全貌が見えないステージと、徐々に埋まっていく広大な客席の様子を眺めながら、昂る気持ちを静かに整えていきます。
予定開演時刻を5分ほど回ったところで、主催者による最後の注意事項アナウンスが。
「間もなく開演」というフレーズとともに大きな拍手に包まれる中、アナウンス終了とともにステージ左右の巨大スクリーンに見覚えのある顔が映し出されドッ!と湧く会場!
カオティックマン(井口さん)さんによる、開演直前のメッセージ動画で、千秋楽である今日への想いが語られます。
カオティックマンさん
「行儀良くなんかなくていい!
全部解放して、伝説の一日にしようじゃないか!
後は君次第だ!」
まさしくスーパーヒーローのような快活な物言いで、「最低限のマナーやルールは守った上で、後は自分らしく楽しんでくれ!」というメッセージに、抑えきれなくなっていたのは私だけではありません…!
メッセージが終わるとともに、待ちきれなくなったお客さんは早くも総立ち!拍手!歓声!
これだけの規模の会場での屋内ライブは本当に久しぶりだったので、その勢いは耳栓をしていてもズンズンと伝わってきます…!!
それから5分…いよいよ場内が暗転…!!
「うおおおおおおおおお!!!!!!」
まさしく怒号のような歓声…!!!
オープニングムービーとして、舞台袖のメンバーの様子を映し出す映像と共に、期待を否が応でも押し上げるSEが流れ始めます。
映像の最後、映し出されるバンド名。
拍手は高まる一方の中、次の瞬間、スクリーンに映し出された「SPECIALZ」の文字と同時に、既に姿を表していた4人から溢れる音の渦と大大大大大歓声に完全に理性は崩壊…!!
アリーナ席とはいえ、肉眼で姿を視認できる距離ではなかったこともありますが、井口さんが歌い出した瞬間のピッチや音程の寸分狂わぬ安定感は、CDで聞いていたそのものすぎて、瞬間本人がステージ上にいるのか疑うほどでしたが、サビのラスト、常田さんがわざと上ずるように放った「 “U R MY SPECIAL”!!!」のフレーズと、原曲以上の暴れ龍の様相を体現するギターで確信。
私の目の前にいるのは、ずっと映像と音源で触れ続けてきたあの4人の音楽集団だ…!!!
これだけ多くの人がいても、全く揃うことはないノリや歓声。
私自身も既に冷静ではいられなくて、手を挙げてたのか、歌ってたのか思い出せませんが、最後のフレーズだけは鮮明に心に残っています。
私は特別な1人として、好きなようにこの場を楽しんでいいんだ…!!
力強い確信と共に、数えきれない量のレーザーが飛び交い始める、鮮烈なギターイントロは「一途」で、アリーナにいた私は、レーザー光線とその音の渦中に巻き込まれる形に…!
心の内側で爆発した何かを叫びながら、魂のスティックカウントを魅せる勢喜さんは、ライブ映像では何回も見ていたものの、今日はそのどれにも増して昂っているように見えました…!
ライブにおいて、全ての楽器が破壊力マシマシのこの曲は、昨年のアルバムにあった雪崩のように押し寄せるセッションが最後に追加されたロングver.で、暴走の限りを尽くすような音の洪水に鼓動が…鼓動が…鼓動の災害が!!
もうどうにかなり続けている私を、全く休ませる気はない4人はそのまま「千両役者」を投下。
こちらは昨年のアルバムでアレンジが大胆に変わり、ロック色が前面に出た印象から、歌い回しやビートの気持ちよさが際立つような印象が個人的に強かったですが、生のバンド演奏で体感すると、やはりそのグルーヴの攻撃力は著しくて、この時ばかりはロックバンドでしかありませんでした…!!
井口さん
「声聞かせてくれ!!
…聞こえないな!!!」
井口さんが客席にマイクを向けると、途端に響き渡るコーラスフレーズの大合唱。
いつもならどんなに昂っても実際の声出しはちょっと遠慮してしまう私も、井口さんの声かけを待たずに、冒頭のコーラスフレーズを大きな声で歌い始めてしまって、ひたすら自分の中の勇敢さを奮い立たせてしまいました🔥
それは、この曲でステージ上に上がり始めた火柱の熱がアリーナ後方まで直に伝わってきたことや、3万人分の歓声に背中を押されたことも影響していたと思いますが、演奏と歌の圧倒的な説得力を持ったまま、無秩序に自分勝手な魂が暴れ出すような4人の音を浴び続けたことが最大の要因でした。
この日何度もしつこいほど頭の中で繰り返す、自分は自分のままで戦っていくしかないという事実と、きっと戦っていけるという覚悟を決める上で、選手宣誓のような渾身の雄叫びを決めながら、前半4曲を駆け抜けました。
すっかり心は勇気に溢れていた中で流れ始めるのは、昨年のアルバムの一曲目である「MIRROR」で、ステージ左右に流れ始める映像には、暗闇の中で発光しながら走るヌーの姿が。
曲が終わると共に、アルバムタイトルがスクリーンに映し出されると、改めて会場中から大きな拍手が送られるとともに、これがアルバムのレコ発ツアーでもあったことをふと思い出して我に帰ります。
先ほどまでの灼熱をゆっくりと冷ますようなインストから、透き通るような井口さんの裏声と常田さんのピアノで空気を神聖に浄化するような「CHAMELEON」に繋げる流れは、美術館で芸術品を見ているような美しさに思わずうっとり…。
と同時に、前半戦と同じバンドのライブを見ているとは思えませんでした…。
何という振り幅…。
そのままアルバムの曲順通り、シームレスに「DARE??」へと繋げてみせますが、後半部は原曲と全く別物。
その歌詞もフレーズも、完全に初見であり初聞…!
私は全く分かっていませんでしたが、別のアーティストの曲を組み合わせる形で披露されていたようです。
一度では全く理解が追いつかなかったものの、いくら知ってる曲が多いと言えども全く油断ができません…。
少し静寂が長かった曲終わりには、メンバーを呼ぶ歓声が客席から鳴り止むことはありません。
そんな歓声が井口さんの歌い出しと共に、どよめきに変わり、瞬間、スッと静まります。
この透き通った空気の流れで、心と肺が満たされていく感覚が心地良かった「白日」。
一曲目で自覚させられた、特別な自分自身はここでも顔を出します。
真っ直ぐ頭上からメンバーに降り注ぐ真っ白な照明と、剥き出しの4人だけの演奏に載せて、いつまでも消えない、うんざりするほど付き合っていく自分自身を、この瞬間だけは抱きしめてあげたくなるような時間でした。
ここで井口さんによるMCタイム。
井口さん
「本番前の楽屋でよく、「白日」の歌い出しの練習をするんですけど、「時には〜中略〜知らず知らずのうちに傷つけてしまったり〜♪」って歌いながらトイレに入ったら女子トイレで。
メイク道具を洗ってるメイクさんしかいなかったんですけど、「ここ女子トイレですよ。」って。
本当に誰かを傷つけそうになってしまいました。」
じっくりと浸っていた余韻を粉々に打ち砕くように、笑いの渦を巻き起こす井口さん笑
その後、ここまで大いに盛り上がったこともあり、勢喜さんから「(一旦お客さんに)座ってもらったら?」との提案がありましたが、
井口さん
「(しばしの沈黙の後)…座らないよね!?笑 「何となく座ろっかなあ…」とか許さないからな笑
このままよろしくお願いします。」
すっかりシリアスな気持ちに満たされていた気持ちがほぐれるような時間…まさしく緊張と緩和笑
これだけ認知される大きなバンドになっても、自然体で飾り気を一切感じないMCに改めて、今対峙している4人は紛れもなく実在している人間であることを認識できてホッとする気持ちを覚えたところで、再び緊張の時間。
先ほどまで朗らかに話していた様子からスッと切り替えて、職人技のような裏声をピタリと着地させる様が美しすぎて思わずため息が漏れてしまった「硝子窓」。
色んな意味で感情が動きすぎて忙しなかったライブ前半戦を経て、いい意味で何も考えずとも、その上品なメロディにただただ浸る時間です…私が思ったより疲れていただけかもしれませんが…。
そんなメロディと演奏は、「泡 」で瑞々しい心の深層部に、深く深く侵入してきます。
ただただ、音の海に溺れていくことが許される貴重な時間。
少し苦しいけど、この冷たさが何だか心地よくて、この時ばかりは現実から完全に切り離されているような感覚で心と身体がいっぱいに…。
音の海に溺れた自分自身を、優しく乾かして現実に引き戻すような音像が印象的だった「2 Μ Ο Я Ο」までの3曲で、綺麗さっぱり音によるデトックスが完了。
このままソファに座ってゆっくりうとうとしたいのも束の間……。
流れるようなセッションからシームレスに「Vinyl」へと繋げる流れは秀逸すぎて、再び興奮ゲージ上昇…!!
ずっと後ろでどっしりと構えていた新井さんは前に出てベースを弾きまくっているし、井口さんのラスサビ前のロングトーンは今日1番の熱量でどこまでも飛んでいくし、そこから熱量を押し上げ続けるギターソロが進むに連れて、みるみるみるみるとドーム内に広がる歓声が増し上がり…常田さんからは満面の笑みが溢れているし…!
突然の見どころ、聞きどころのハイライトが続くような展開に火が付いた札幌ドームに、カオスを叩きつけるような「W●RKAHOLIC」で、目をカッ!と開いて叫ぶように歌う常田さん…!
銃声のような音から、ヤクザの抗争を描いた映画のタイトル文字のように血文字で書かれた次曲のタイトルはもちろん「):阿修羅:(」で、イントロから火柱だけでなく火花まで噴き上がる始末…!
間奏から終盤にかけては、最早原曲とは別曲。
侵略を続けるような異次元の重低音に、まだ見ぬ興奮の扉がバカバカと開いていくならば、その音に乗って遊び尽くすしかもう選択肢はありませんでした…!
「δ」からの「逆夢」は、アルバム通りの流れであると共に、特に後者は一昨年、ライジングサンでライブを見るなら絶対聞きたかった曲の一つ。
これをライジングで聞く夢は叶わずとも、今日ここで正夢となった輝く青い音像に、あの時の悔しさを丸ごと浄化してくれるような「逆夢」を全身で受け止めながら、溢れる気持ちはただただ「ありがとうございます。」それだけでした…。
余韻に浸りながら、その余韻を引きずったまま身体が溶けて会場と同化しそうになるほどのゆったりした音像の「IKAROS」でしたが、終盤のアンサンブルの広がりはこれまたライブ専用アレンジに変貌を遂げて凄まじいスケール…溶けている場合ではありません。
たちまち、形を取り戻す身体と心。
自分の実態を確かめたところで、いよいよ後半戦に突入。
常田さんがメガホンを持ってステージを縦横無尽に動き回りながら歌うのは、「Slumberland」ではいつも通りであると同時に、ライブ映像を見るたびに違う曲か?と思うくらいにアレンジが変わっていることもいつも通り。
新井さんによる野太いスラップベースがグルーヴを牽引するアレンジで、ギターもなければ、原曲にあるようなブラスのような上物のアレンジもないのに、こんなにメロディが暴れ回る「Slumberland」になるとは…!
新たな可能性に、またまた文字通りウェイクアップしてしまう私。
動き回ってすっかりエンジン全開な様子の常田さんが魅せる、続く「Sorrows」での豪快なシャウトが気持ち良すぎて…!
ラスサビ前の、井口さんのロングトーンも見事に響き渡り、2人の声に宿る熱がみるみる燃え上がる様に、客席の興奮も歓声もメーターを振り切り続けていきます…!!
そんなボーカルの熱を受け継ぐのは、勢喜さんによる鋭くリズミカルなドラムソロ…!
原曲と全く違う始まりなのに、所々の要素で次の曲を察する私の中で明滅する輝きとワクワクはもう止められません…!
井口さん
「飛べっ!!!」
流石に私も何度かジャンプを決めてしまいました…!!
歯止めは効かない…というか、歯止めなんか効いてたまるかという逆ギレ上等の真っ赤な魂と、バチバチのステージ照明の上で、光って光ってたまらないグルーヴに、いよいよドーム千秋楽の今日、完全勝利の光景が目前に迫ってきました!!
井口さん
「いい感じですよね!?」
新井さん
「いい感じですね…!笑」
井口さん
「本気見せてもらえますか…?
もう後半戦なんですけど…一緒に歌いましょう!」
もう余計な言葉はいりません(井口さんが思い付かないだけ、という雰囲気も感じられましたが笑)。
その歌と言葉だけで充分成立しすぎているライブであることを思い知った会場に、「SUNNY SIDE UP」で、ゴスペルのように響き渡り、晴れ渡る歌声。
そういえば、一昨年のライジングサンは直前まで雨予報で、この曲を雨に濡れながら聞くことを妄想していた自分もいたことをふと思い出しました。
もしまた機会が訪れるのであれば、やっぱり野外の会場で、目一杯の自然の空気を感じながらこの曲を浴びたい…!
そんな妄想を掻き立てながら、この日はドーム中に祈りのように降り注ぐ歌声を浴びながら、自分自身も目一杯、喜びの涙を溜めて歌わせていただきました。
次なる「BOY」ではなんとびっくり!
ステージ上で演奏しているのは間違いなくあの4人のはずが、左右のスクリーンに映し出される演奏風景は、MVに登場する子ども時代(を演じた)の4人ではありませんか…!
まさか、こんな形で会えるとは思っていなかったお客さんも大興奮!
子どもである4人と今の4人がたちまち入れ替わり続ける遊び心あふれる映像演出は、夕暮れ時まで泥だらけで駆けずり回って遊び続ける子どもの頃の気持ちを持ったまま、今も音楽で遊び続ける4人の姿と自然と重なり合います。
己の道をストイックに突き進むイメージの強いバンドですが、何よりも自分たちの音楽が好きで、自分たちの音楽を楽しむ姿勢が根本にあることが如実に伝わる、とっても愛おしい時間…!
間奏の常田さんのギターソロも、原曲以上にはっちゃけてましたね〜!!
こうして4人によるバラエティに富みすぎた音楽旅行は、「仝」からの「三文小説」で、アルバム通りの重厚なクライマックスへ。
青い照明に包まれながらピアノを弾く常田さんと、赤い照明に包まれながら歌を紡ぐ井口さんのコントラストは、冷静と情熱をどちらも携えたような様相。
それでもサビに入る頃には、鍵盤に指先を叩きつけるようにピアノを鳴らす常田さんと、井口さんと、勢喜さんと、新井さんが、4人それぞれの一音一声で魂をぶつけ合います。
命懸けの歌と音に感化されて、気付けば救われた先に、自分の人生に想像が行かざるをえない歌詞と、最終盤とは思えない重厚なグルーヴと、最高音を更新する井口さんの裏声と声量。
涙は止められませんでしたが、泣いてる場合じゃない…生きなきゃ…生きなきゃと思う気持ちはもっと止められませんでした…。
そうして演奏を終えると同時に、壮大な「ЯOЯЯIM」とともに、スタッフロールがスクリーンに流れると、大歓声と拍手に送られるように、メンバーはステージを後にしました。
そして再びスクリーンに映し出されるアルバムタイトル。
このアルバムは、このライブは、他ならぬ「THE GREATEST UNKNOWN」であるあなたのためのものだと言ってくれているような伏線回収に唸るとともに、このアルバムが、このライブを見たお客さんがいて完成して、歴史が動くような瞬間を見た驚きと興奮に、叩く手を止めることはできなくなりました…!
私のように手を叩いたり、叫んだり、静かに祈るように手を前に組んだり、3万人分の想いが木霊する札幌ドーム(スタンド席からたくさんの人がスマホライトをかざしている様は、アリーナ席から見ると圧巻でした…!)。
5分ほどしたところで明るさを取り戻したステージにメンバーが再登場。
井口さん
「アンコールありがとう!
このままいけば千秋楽、無事終えられそうですね笑!
スタッフも含めて、ドームツアーができるようになるなんて信じてる人はいなかったですよ…あなたたちだけですよ!信じてくれたのは!
この後アジアツアーもあるけど、日本の人たちはほとんど当たらなかったと聞いてますから…あなたたちラッキーですよ!」
私が幸運なことはチケットが当選した瞬間から分かりきっていましたが、本人から改めて言われた上で、ここに来れたことに対する感謝まで述べられてしまったら…それを遥かに凌駕する勢いで拍手し返すしかありませんでした…!!
そうして常田さんが徐に弾き始めたフレーズは「It’s a small world」でしたが、何やら井口さんはちょっとびっくりされていたような…?
常田さんのギターと井口さんの歌声のみによる特別ver.でワンコーラスのみの披露だったこともあり、まるでその場でギターを弾いていたら出てきたフレーズが、たまたまこの曲だったかのような即興感…!
偶然のように生まれた、少し楽しげで肩の力が抜けたセッションに思わずワクワクしていると、そのまま流れるようにピリついたバンドサウンドで引き締めにかかるのは「Prayer X」で、もちろんサビでは大合唱…!
今はこの瞬間にある、音楽によるワクワクを、きらめきを信じたいと思いながら私も口ずさみつつ、祈りのような歌声に包まれて、神聖な雰囲気すら漂う札幌ドーム。
でも…しんみりモードじゃ終わりません!
そのまま常田さんが軽快なギターストロークを始めれば、それは「Teenager Forever」の合図…!
歌い出しから、誰が何を言うまでもなく会場中の大合唱!
カメラに喰らいつくような井口さん、カメラ目線を決めながら楽しく豪快なプレイに没頭する勢喜さんと新井さん…みなさんとにかく楽しそうで!!私もとっても楽しい!!!
無邪気に暴走するいつまでも変わらない音楽好きとしての魂と、楽しい楽しいバンドサウンドに乗せて、最後の最後まで1人の音楽好きとしてこの場を楽しみきってみせました…!!
井口さん
「じゃあ最後!
この時代に乗っていこうぜ!って歌です!
皆で歌いましょう!!!」
最後の最後まで、これは聞きたいと強く願い続けた、治安の悪さと勇ましさが同居したギターイントロは…間違いなく「飛行艇」!
常田さん
「歌えるか!?
歌え!!!」
ライブ中、口を開くことがなかった常田さんによる最後にして最大の渾身の雄叫び…!
1人の音楽好きとして、もう我慢も遠慮もありませんでした…!!
渾身の大合唱!!!
何度も、何度も、何度だって繰り返されるCメロ。
途中からハモリ部分だけを歌う常田さんのその姿勢は、「あなたたちが歌ってくれ。」と言っているかのようで、名もなき自分の人生の主役である私を含めた3万人分の声が、会場中に、他ならぬ自分自身の中に広がり続けます。
大好きな曲を歌い続けるだけで、生きる勇気がどんどん伝染して、内から湧き上がる感覚にどんどんどんどん支配されるこの感覚…たまらなさすぎて、涙も止まらなさすぎて、本当に生きたくて仕方なくなる。
命が揺れ続けた最高の人生のハイライトの1つになりました…!!!
常田さん
「ありがとう…!」
最後にはステージ中央にメンバー勢揃いで、肩を組んでお辞儀でもするかと思いきや、常田さんだけはギターを構えたままお辞儀と共にジャーーン!!と一発!!
他の3人はそれに合わせて丁寧に深々とお辞儀をして、長い長いギターノイズを置き去りにステージを去った4人。
ふと時計を見ると時刻は18時20分過ぎ…この密度でたった2時間…!!
ライジングで見られなかった悔しさも、去年のアルバムの魅力の全ても、ライブで聞いてみたかった憧れも、この2時間足らずで全て綺麗に昇華されてしまいました…!
有名すぎる4人組が、世間的には名もない私のような人間が、特別な一人きりの人生の主役であることを、暴れ狂うように、美しさを極めるように、無邪気に笑うように肯定して鳴らし尽くした最強の千秋楽…!
ライブが終わった今、あのジャケットやステージセットの1番上で光り輝いていた星のように、もう私のまま人生を全うして、輝き続けるしかありません…!!
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。
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