【ライブ感想文（前編）】HEY-SMITH✖️マキシマム ザ ホルモン「"Rest In Punk Tour" Final Series」@ Zepp Sapporo 2024.4.20（土）
こんばんは。シリアスファイターです。
今回はHEY-SMITH（以下、ヘイスミ）のアルバムツアーファイナルシリーズ、札幌公演のライブ感想文前編。
このライブに行くことになった経緯についての簡単な前置き＋対バンのマキシマム ザ ホルモン（以下、ホルモン）のライブについてです。
いつもならどんなライブの感想文も一回の記事でまとめてしまいます（フェスを除く）が、どう考えても思い入れが強すぎて長くなりそうなことや、身の回りがここ数日はちゃめちゃに忙しくて書き上げるのに時間がかかりそうなこともあり、今回は半分に分けて上げます。
（おそらくそっちの方が読みやすいだろうし、良いライブの余韻はたっぷり味わいたいですよね！？…ね！？（圧、という名の言い訳。））
という訳で早速。
私にとってのヘイスミの魅力と言えば、ストレートなパンクロックに、高揚感や多幸感を身体と心の奥底から底上げしてくるスカのビートやブラスの音色が重なるところ。
そんな音楽を奏でる6人の人柄やステージパフォーマンスは底抜けにエネルギーに溢れかえるゆえに、私の中にあるポジティブな要素に、強制的に轟音目覚まし時計を鳴らされているような気分にさせられます。
一方で、歌詞は常に真っ直ぐに、時に痛烈に現実を歌うものがほとんどで、まさしく今を生きるパンクロックバンドそのもの。
だからこそ、このスカとパンクのビートは、現実と闘う上でこれ以上ない武器を私に授けてくれます。
イベントやフェスでは結構な頻度で遭遇していましたが、その激しすぎるステージングとフロアの様子からも、ライブハウスで主催ツアーに参加するのは正直少し怖いと思って躊躇っていた部分がありましたが…そんな躊躇いを打ち破るほどの熱量と真摯さに溢れていた昨年発売のアルバムをたまたま聞いてしまった私。
全11曲25分、再生時間に反比例するほどのアイデアパンパンの潔すぎるスカパンクに興奮する私の心に正直になって、とうとう主催ツアーで、ライブハウスで（2階席ですが）、ライブを見るに至ったのです。
そしてチケットを取った後に発表となりましたが、次にこのバンドをライブハウスで見る機会は（チケットを取れるのかという意味でも、フロアの治安という意味でも）果たして訪れるのか…と半信半疑だったあのバンドが対バンに決まったことで、尚更楽しみすぎることになったこの日。
何とか無事迎えた上で、文字どおりライブハウスという名の戦場に赴いたのであります。
HEY-SMITHのバンド名と今回のツアータイトルがバックにでかでかと掲げられているステージ。
頭上を揺ら揺らと飛び交う、バンドロゴを映し出すスポットライト。
BGMとして爆音で流れ続けるHEY-SMITHの曲。
何を取ってもお祭り状態の会場は、1階フロアはもちろんのこと、2階席も後方の立ち見エリアまでパンパン…！
ここまで超満員のZepp Sapporoを見るのも久しぶりだなと思いつつ、開演時刻迫る3分前。
ちょうど「Into The Soul」が流れ終わる頃には、まだ暗転もしないうちに、抑えきれない1階フロアのお客さんが前方にぎゅうぎゅうと押し寄せ、ただでさえパンパンのフロアは期待と熱量で破裂寸前…！
かくして開演時刻。
すっと静まり返るBGMとともに暗転する会場に怒号のような歓声と、いつものSE！！
登場とともにお立ち台に立ち、雄叫びをあげながらメタルポーズをキメるナヲさんを筆頭に、いつものように4人がステージ上に揃ったところで…！
ダイスケはんさん
「行くぞ札幌ぉぉぉ！！
ファイナルシリーズ！！
パーティの始まりだぁぁぁぁ！！」
タイトルコールとともに鳴らされるドラムのリズムに乗るのは、カラッと明るいギターフレーズ…！
「恋のアメリカ」が巻き起こす満場のピースフルなハンドクラップ！！
1Aから、亮君さん側まで颯爽と駆け抜けながらベースを弾いたり、途中のパートで右肘と左肘を交互に前に出して踊る上ちゃんさんは、そのベースさばきもさることながら、動きも軽やかでかわいらしく、ダイスケはんさんは、率先してナヲさんのボーカルパートで、アイドルのライブのような両手添えで盛り立てたり、自身の歌唱パート以外は率先して中央で踊り続けたりと早くもエンターティナー！
終盤にはステージ中央をこじ開けるような仕草を見せると、こんなにポップなメロディの曲でもモッシュピットの最前線には…なんということでしょう！！
あんなにパンパンなフロアに綺麗な一本道ができて、人と人が入れ乱れぶつかり合うウォールオブデスになりました…！
それでも時折見せるラウドなサウンドやデスボイスが見せる貫禄はいつもどおり。
それでも！
今日は何だかいつにも増してハッピーなヴァイブスに溢れているような気が…！
そんな感覚はよりヘヴィな音像が主体の「シミ」でも同じく。
イントロでのナヲさんの雄叫びは、何度聞いても生きる力を押し上げてくれて、こんなに重い曲でも楽しくて仕方ないとばかりに、とんでもない数のダイバーさんが軽やかにフロアを転げ回ります。
それを捌く方も大変そうですが、この日はそれを覚悟して（というかそれも楽しみの一つとして？）来ている方も多かったことを表しているかのように、前に前に押し寄せるお客さんの勢いは止まらず、曲の2番に入る頃にはダイスケはんさんもフロア前方に突っ込んでいます…楽しく闘うライブハウス…！
ナヲさん
「ちょっとあんたたち！
……仕上がってるじゃないの！！
調教されちゃって…！！やだ…！！etc...」
晴れやかな表情を見せるナヲさんは、あまりの楽しさからか、だんだんとMCがオネエ口調に変貌を遂げていきます笑
ナヲさん
「ヘイスミス…いや…、
HEY-SMITH、REST IN PUNK TOUR（流暢な発音で言い直す笑）。
札幌へ！ようこそおおおお！！
今回のツアー、１年前から誘われてて…そんな先のこと分からねえって（訛りながら）、言ってたけど…やれるっしょって！！
こういうツアーって、沖縄をファイナルにしがちじゃない、滞在期間とかちょっと長くしちゃって笑
（「うんうん！」と亮君さんも激しく頷く笑）
でもさ、今日この札幌を…ファイナルにしちゃいませんか…！？」
そんなに遥か昔から計画されてたライブにYES！の返事を出すホルモンのみなさんと、一年経ってしっかり実現させてくれたことへの感謝に溢れる歓声と拍手に包まれます…！
ナヲさん
「はーい！！
三度の飯より！！飯が好きー！
こんばんは！
マキシマム ザ ホルモンですよー！」
お馴染みの挨拶を決めると、たくさんの腕が上に下に、たくさんの頭が下に下に振られる「恋のメガラバ」で、誰にも渡せないここだけの灼熱真夏の空間へ！
ポップな選曲のおかげももちろんありますが、それを引いてもいつにも増して楽しい気持ちが先行し続ける今日のライブ。
それはメンバーにしろ、1階で転がり続けるお客さんやそれを流し続けるお客さんにしろ、2階で自由に頭を揺らしたり手を挙げて楽しむお客さんにしろ、晴れやかな表情をしている人の顔が、たくさん視界に飛び込んできたからだと思います。
…と何だかセンチメンタル漂う文体になってきましたが、私も必死になって目の前のライブに食らいつくのみです…楽しっ！
上ちゃんさんのブリッブリのベースラインから「便所サンダルダンス」が始まれば、この↓CMで見た密集フロアでの統一ヘドバンの荒波を、生でとうとう見れたのは他でもない！
2階席だからですね！
圧巻でした！！
すっかり踊らされ、頭振らされ続けるライブは、早くも明日の首の痛みが心配になりますが、これでもまだ4曲目…！！
ダイスケはんさん
「今日久しぶりに、HEY-SMITHとガチンコで、ライブハウスでやれるってなって、何とかヘイとライブしたいと思って…」
唐突にお立ち台に立ち、後ろに背を向けた状態でズボンのベルトを外し始めるダイスケはんさん…な…ナニヲスルキダ🙈
…すると真ん丸のお尻を包み込むパンツは、ヘイスミの物販で売られている赤と青のパンツ笑
思わぬ形での共演と物販の宣伝を果たした瞬間、図ったように流れ出すホイットニー・ヒューストンの「I Will Always Love You」に客席は爆笑に包まれます爆
（タイトルでピンとこない方も、サビを聞けばおそらく分かるかと笑）
ダイスケはんさん
「なぜ私が今、後ろを向いてるかと言いますと、前を向くと私のヘイがスミスしてしまうからでございまして、レストイン「パンツ」ツアーになってしまうから…」
純度100%の下ネタでありながら、いつもながらのハイクオリティなダジャレマスター振りは流石の一言笑
たくさん笑わせられたところで、一転してハードなギターリフが攻め入る「絶望ビリー」から再び沸騰！！
とかく「赤」の照明が多様されるこの曲では、今日はたまたまバックドロップの幕も赤を基調とした配色になっていることから、どこを切り取っても犯罪現場の真っ只中にいるような瞬間ばかり…！
音も演奏もいつにも増して攻撃力…いや…殺傷力マシマシと言って差し支えありません。
最後のサビがツービートのパンクアレンジになってからライブで聞くのは初めてだったのでこれも嬉しかったです！
生粋のパンクバンドでもあるヘイスミとの対バンで演奏されるのにも相応しすぎる選曲…！
と、ここまでも当然嬉し楽しでしたが、この日1番嬉しかったのは、ナヲさんの静かなスティックカウントからゆっくりと忍び寄るイントロフレーズがたまらない「ブラック¥パワーGメンスパイ」…うっひゃー！この曲大好きなんです！！
中学生の時どれだけ聞いたか分からないスラップフレーズ炸裂のクールで熱い曲。
なんと前曲に続きこの曲も2Aでアレンジが変わっていて、楽器の音数をグッと減らして、歌のフロウのかっこよさが際立つヒップホップのようなアレンジ…！これまたクールでかっこいい！！
遠目ではよく分からなかったですが、最後のサビ前、流石に亮君さんは原曲同様、指でギタースラップはしてませんでしたよね？笑
審議不明ですが、スラップのようにバイン！と弾いたような音にしか聞こえませんでしたし、無論大好きな上ちゃん先生のスラップは完璧にハマってもぉぉぉ心弾けちゃう！！
ダイスケはんさん
「お前らモッシュ、ダイブ好きやろ…！？
でも今日ここにいるお前らは、スカパンク大好きやろ！？
レゲエ大好きやろ！？
スカダンス見せてくれぇぇ！」
先ほどこの対バンで演奏されるに相応しい云々…と書きましたが、その意味ではこの「Mrブギータンブリンマン」が頂点を極めていて、先ほどまで前に前に押し寄せていたお客さんの波が、今度は横に大きく揺れ始めます。
パンクやメタルだけでなく、ゆったりとしたレゲエのグルーヴも当然のように強靭に乗りこなすバンドの力量に改めて痺れながらも、少しばかり心地良いメロディにリズミカルに重なるサビのフレーズをついつい口ずさんでしまいます。
終盤には、上ちゃんさんの吐息混じりの「oh
yeah...!」に大歓声…！
ヘイスミのファンで、ホルモンのライブを初めて見るという人にも充分すぎるアピールになったところで、ナヲさん曰くもう後一曲とのこと…早過ぎる…！
時間も迫っている様子で、最後は打ち合わせなしで一発勝負の恋のおまじないでしたが、見事に反り返るフロア一体！
ハッピーな空気に包まれる中、最後はもちろん！と言わんばかりに「恋のスペルマ」で、ダイスケはんさんの扇動の元、知らない人も巻き込んで愉快な振り付けで楽しく踊り続けるダンスフロアに…！
最終盤のテンポアップするパート。
フロアにできるサークルモッシュは、1つ、2つとどんどんできていき、比較的安全な後ろの方まで含めて、私の肉眼で確認できただけでも6つ…！
さらに前方はみんな大好きモッシュ、ダイバーまみれで、狂「嬉」乱舞の非常事態！！
怖い！…でも！
こんなにポジティブで気持ち良い演奏に乗ってたら、ここまで楽しくなってしまう気持ちは…すごく分かる気がします…！
フロアの方の安全を祈りつつ、それでも心底楽しそうな様子を眺めて幸せな気持ちになりました。
最後には、満面の笑みを浮かべた亮君さんが両腕を高らかに掲げてピース！✌️
この瞬間が、この日のライブのポジティブさを全て物語っていました。
鋼鉄グルーヴとブレない演奏はいつも通り。
でもいつにも増してポジティブな空気に満ち溢れたフロアで、メンバーのジャンプも笑顔もたくさん見られた40分！！
これだけ遊んでもこのファイナルシリーズ、楽しいパーティはまだまだこれからです…！
マキシマム ザ ホルモン
セットリスト
1.恋のアメリカ
2.シミ
3.恋のメガラバ
4.便所サンダルダンス
5.絶望ビリー
6.ブラック¥パワーGメンスパイ
7.Mrブギータンブリンマン
8.恋のスペルマ
今回は以上です。
続き（ヘイスミのライブ）はまた後日。
ここまで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。