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[ネタバレあり ライブレポ]2022年5本目 忘れらんねえよ×THE BOYS & GIRLS ツレ伝2022 @札幌ペニーレーン24 2022.1.22(土)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回は忘れらんねえよの対バン(ツレ)ツアー、札幌公演のレポートです。
初日の千葉公演とセトリが変わってたので、セトリは毎公演変えてくるのか…?
いや、ネタバレがちょっとでも気になる方は、ツアー終了後にお読みください・・・。
それでは。
昨年開催”予定”だった「JOIN ALIVE」(結果的にコロナ感染拡大で中止)前に、出演予定かつ、あまり聞いたことのないバンドを聞き漁っていた時にビビッときたのが、忘れらんねえよの「踊れひきこもり」という曲でした。
昨年は北海道も緊急事態宣言が出たりしたおかげで、家で悶々とした日々を過ごすことが多かった中、抱えていた漠然とした不安を全て吹き飛ばすこの曲の力にめちゃくちゃ救われたし、「ライブ行けなくてもやっぱりロックンロールって必要じゃん」と改めて思わされた曲でした。
その後聞いた他の曲も、恋愛やら仕事やら日常生活で上手くいかない現実を、かっこつけずありのままに歌う姿に、特に仕事前後の時間にとても勇気付けられたこともあり、
そんな音楽に対して汚れなく誠実なボーカル柴田さんという人物を一目見てみたいと思い、いざライブへ。
開演時間。
SEもなく、「よろしくー」とふらっと登場したのは、北海道札幌が誇るロックバンド、THE BOYS & GIRLS(以下、ボイガル)。
「この厳しい冬の1日を、最高の日にします」宣言から、静かに始まった1曲目を終え、それ以降はボーカル、ワタナベさんがハンドマイクで歌い、ステージ上で跳ねまくるロックンロール空間に!
YouTubeで見た「僕らチェンジザワールド」に「かっこいい!」と衝動的にHPからメールし、札幌で初めて対バンした時から10年経ったという今日。
10年という時間の中で両者とも、ボーカル以外のメンバーが脱退し、サポートメンバーを携えた一人で活動しているバンドだからこそ、「一人」の意味をより深く考え、感じることになりました。
「風花が吹いたら」の叫びが、このライブハウスでより切実に響きます。
“大切にしたいのは ひとりじゃないないけどひとりだってこと”
独りじゃなくて一人だと歌った曲この曲が、
たくさんの一人が集まったこのライブハウスで聞くことで、孤独な夜に出会った一人のためのロックンロールになっていました。
「500万曲やりますから笑」なんて茶目っ気たっぷりなmcも挟みつつ、その絞り出すようなしゃがれた声は、高音が苦しくなっても、真っ直ぐ訴えかけてくるボーカルは、確実に会場にいる一人ひとりに届いていたと思います。
ラスト、忘れらんねえよの「この高鳴りをなんと呼ぶ」、「バンドやろうぜ」を冒頭に引用して、忘れらんねえよのこれからに、これ以上ない愛を届けた「パレードは続く」まで全9曲。
自分たちのワンマンか!?と思うくらい、ワタナベさんは汗をびっしょり掻きながら、サポートメンバーの激熱な演奏とともに、最後まで最高の熱量を見せつけてきました。
20分程度の素早い転換を経て、こんなライブ見て燃えないわけが訳がない柴田さんを筆頭に、忘れらんねえよがオンステージ!
ボイガルを意識して、TRFの「BOY MEETS GIRL」に乗ってメンバーが登場!笑
今日はサポートギターの安田さんが体調不良で不在となり、急遽三人編成でのライブ。
「ボイガル最高だったな!
今日は急遽、6年ぶりくらいに三人でやるよ!
正直言うとピンチ!でもこんなピンチな日
こそ、奇跡は起きるんだよなあ!」
三人が揃ってジャーン!豪快な音と共に鳴らし始めたのは「バンドやろうぜ」!
四人だろうが三人だろうが、そこに集まって音を鳴らした瞬間、ロックバンドが始まるんだという、ここにいる一人一人に歌い鳴らす、ロックバンドとしてこれ以上ない痛快な開幕宣言!
そこから「戦う時はひとりだ」では、自然と観客から手拍子が上がります。
一人一人、大きさも叩き方も違うバラバラな手拍子が、力強いメロディが、一人の人間として生きる私たちの背中をグッと押した後、「僕らチェンジザワールド」へ。
あのワタナベさんのmcを経て聞くこの曲は、一人の孤独な夜の背中を押して、今日素晴らしいライブを見せてくれたボイガルの今に繋がっていると思うと、本当に世界を変えた曲にしか聞こえませんでした。
「コロナとかもう慣れたよね。
コロナでも音楽最高とかそんなことはもう分かってるつうの。
外、雪すごかったね。よく来れたね。
そんな中でも来れたあなたたちとやります。」
そこからポップに絶望とその先を歌う「この街に君がいない」、シリアスなパンクロック「夢に出てくんな」、「ドストエフスキーを呼んだと嘘をついた」と、バンドの振れ幅の広さを思い知る2曲が続きます。
特に、オープニングから続いたロックンロールをひたすらに楽しむ会場の空気が一変し、3人の地力でグイグイと力強い演奏を叩きつけた「夢に出てくんな」が印象的でした。
一人の空間だからこそ生まれる心の嘆きそのものみたいな空気から、柴田さんはボイガルへの想いを、
「ボイガルは「本物」だよね。
俺らもボイガルもいつの間にか一人になってた。
俺はやめられなかった。
やめられなかったやつが、続けることで「本物」になるんだよな。」
そんなmcからボイガルに捧げる曲として、「別れの歌」が披露されました。
"いつかまた会える時があったら
元気かって一言だけを交わして
またそれぞれの道に戻ってく
それぐらいがいいよな"
人との別れに肯定も否定もない。
ただ別々の道に進んでいくだけだ。
お互いのバンドヒストリーとリンクしつつ、メンバーが一人になっても、そのバンド名を冠したまま、ただ一つのバンドをやり続けている両者に、これ以上ない拍手を送りたくなる選曲に、これまた対バンならではの感動がありました。
そこから、飼い犬の話題でツイッターでバズり、フォロワーが増えたものの、どうせ一時的なものですぐ減るに違いないと恐怖に怯えるmcを挟み笑…、
「今日、話すことないんすよ。
運営してる会場借りて、あなたたちみたいなお客さんが来てくれて、サポートしてくれるメンバーとでっかい音鳴らして、初めて汗が出る。
それって最高じゃないですか。これ以上のものを俺は知らない。」
そんなmcから「これだから最近の若者は最高なんだ」を歌われてしまったところで、私の心のダムが決壊。
この場を共有する音、人、言葉、何もかもを肯定してしまう最高のロックンロール。
頑張って言葉にする目的のnoteで、そんな語彙力でいいのかと一瞬ためらいましたが、これ以上に的を射た言葉は見つかりませんでした。
決壊したダムから溢れた思いはもう止められません。
続く「俺よ届け」で更に加速した流れは、
"わけなんて なんにも無いのに 寂しくなって もういいよ 布団にもぐった
なんにもない夜 なんにもない部屋 どうしようもない俺よ届け"
部屋で一人、このバンドを見つけた時の心情を、わずか二行で掬い取ってしまったこの歌詞から、三人の演奏がぶつかり合う激情の間奏~ラストサビまで、自分の全てをかけてこの思いをぶつけようと拳を振り上げました。
段々と無くなってきた語彙力を見透かすようなタイミングで始まったのは「この高鳴りをなんと呼ぶ」。
"この高鳴りをなんと呼ぶ
たぶんそれは生きていくという
なんだっていいよ
神様 僕らは世界を変えるんだ"
人生で初めて、ロックンロールを聞いた時の衝撃と興奮が、完全に自分の世界を変えてしまった感覚が、3人の音で完全に甦りました。
柴田さんの言う通り、ギターがあって、ベースがあって、ドラムがあって、ボーカルがいて、お客さんがいるだけで、ライブハウスでのロックンロールは成立しているんだという当たり前の事実に気づかされたところで、「ばかばっか」で頭空っぽにして踊って本編終了。
スパッと出て、スパッと入ったアンコール、「CからはじまるABC」は、ボイガルのワタナベさんも乱入し、デュエットで披露!
かっこいい pic.twitter.com/K6ZtqStFKE
— 忘れらんねえよ柴田と公式 (@wasureranneyo) January 22, 2022
二人の熱い歌声に、もう一度会場が温度が上がったところで、最後に一曲、「プレゼント」と言って披露されたのは「世界であんたはいちばん綺麗だ」。
最後は一人一人に「ありがとう」と言って丁寧に手を振って去っていった柴田さん。
これ以上ないくらい、一人の人間に向き合ったシンプルなロックンロールのみで成立していた、文字通り奇麗で奇跡のような2時間はあっという間に過ぎていきました。
今回は、やや語彙力崩壊してますね・・・、記憶もやや怪しいので、mcが前後してたり、曲順もあやふやです・・・。
それだけ頭空っぽにして楽しめたライブでもあったということで、お許しください!
次回更新は、ライブ参戦予定が少し空くためちょっと未定です。
順当に行けばAimerのライブレポですが、最近聞いた曲の感想とかになるかもしれません。
よろしければ覗いてみてください。
ありがとうございました。
セットリスト
THE BOYS&GIRLS
(すいません、数曲分からない曲があったため省略します・・・。)
忘れらんねえよ
1.バンドやろうぜ
2.戦う時はひとりだ
3.僕らチェンジザワールド
4.この街には君がいない
5.夢に出てくんな
6.ドストエフスキーを読んだと嘘をついた
7.別れの歌
8.これだから最近の若者は最高なんだ
9.俺よ届け
10.この高鳴りをなんと呼ぶ
11.ばかばっか
アンコール
1.CからはじまるABC
2.世界であんたはいちばん綺麗だ