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【ネタバレあり ライブ感想文】夜の本気ダンス「15th Anniversary TOUR 〜1GO! 1A! O-BAN-DOSS〜」@札幌 Sound lab mole 2023.10.14(土)
こんにちは。シリアスファイターです。
今回は夜の本気ダンス(以下、夜ダン)、結成15周年記念の全国ツアー、札幌公演のライブ感想文です。
今回のツアーは、対バン公演とワンマン公演で構成されており、札幌はそのうちのワンマン公演の初日。
まだツアーは継続中ですが、以下の文章は演奏された曲にガッツリと触れた記述満載ですので、今後ツアーに参戦される方で少し気になる方は閲覧をお控えいただいた方がいいと思います。
ブラウザ〜バック!
ということで始めます。
私にとってのダンスロックバンドの出会いであり元祖は6月にライブを見たばかりのDOPING PANDAですが、その解散後に知ったロックバンドの中で、「踊れる」という一点においてこれほど特化したロックバンドには未だに出会っていません。
よほど自信がないと付けられないだろうそのバンド名に違わないノリノリのグルーヴは、時にセクシーに、時に切なく、時に楽しく、何があっても踊り続けようとする意志だけはブレず、全曲一貫して踊れる、踊り続けられる。
それが私にとっての夜ダンの魅力です。
札幌には何だかんだほぼ毎年来ていたことは知っていましたが、驚異的に都合が合わずワンマンを見にいくことが叶っていなかったバンドの一つだった夜ダン。
この日もアジカンの前の日ということでしたが、それでも行ける可能性がある以上、行かない理由は見当たりませんでした。
ワンマンはお初。
張り切って本気で踊らせていただいた土曜日の夜の記録です。
開演時刻を少し回った頃、突如SEが鳴り止み、一瞬で暗転する会場。
「ロシアのビッグマフ」のSEをバックに回り始める頭上のミラーボールとともに、淡々と登場する西田さん(ギター)とマイケルさん(ベース)、元気に挨拶する鈴鹿さん(ドラム)、そして両手を上げながら大いに昂っている様子の米田さん(ボーカル&ギター)の4人がステージに登場すると、鈴鹿さんのスティックカウントから鋭いショートセッションで、待ちに待ったフロアのお客さんをお出迎え!、といったところでしょうか…!
セッションがピタッと止まり、米田さんからお決まりの一言。
「俺たち京都から来たバンド夜の本気ダンスです。
踊れる準備はできてますか!?北海道!?」
一曲目は「Show down」。
冷静な表情とクールな佇まいでプレイに興じる楽器隊の面々。
しかしながら、奏でる音は太く、力強く、見ている私の心と身体にずっしりとした一撃で…!
待ってられないよって君らもそうでない奴も
決して負けないように進んでゆくのなら
際限なんてないよってただ正しいと思うことを
止めちゃダメだよって
あくまで「ロックバンド」として、数多のライブハウスを踊らせ続けてきた夜ダンが築き上げてきた無敵のグルーヴが早くも炸裂!
そのまま続く鈴鹿さんの力強いドラムと、マイケルさんのベースフレーズから、大いに期待してしまったら期待通りで歓喜した「Without You」…!
メジャー1stシングルでもある一曲。
メジャーとインディーズの垣根なんて、意識することはリスナー視点ではほとんどありませんが、どんなことがあっても抗って、ロックバンドのスタイルで踊らせ続けるという意志を、この日もその音で存分に示してくれます。
前曲からの流れもあって、よりそれを強く感じたのかもしれません…!
鈴鹿さんによる元気と勢い満点の挨拶を挟み、まだまだ序盤ですが早くも「Crazy Dancer」を投下すると、ますますたくさんの腕と歓声が上がります!
それまでクール過ぎるギタープレイに集中していた西田さんも、Aメロ部で両手を胸の辺りで小さくフリフリ。とても楽しそう!
米田さんも声を聞きたいと言わんばかりにフロア中に手振りを送り、ラスサビ前には、マイケルさんもお客さんの勢いを更に煽るなど、メンバーも含めどんどんヒートアップする会場。
ギターを置き、ハンドマイク体制となった米田さんが、勢いよくハンドクラップを煽り、手を上下にフリフリ!
「Everybody…Jump!!」のかけ声と共に、上に跳ぶ人が続出した「GIVE & TAKE」。
飛んで歌って手を挙げて、あまりにもクライマックスすぎる光景でしたが、これがこの後まだまだ続いていくのです…!!
鈴鹿さん
「北海道!久しぶりに来れた!
みんな待っててくれてたんやもんな?
対バンやったら50%くらいの人しか待っててくれてないかもしれないけど、今日ワンマンやもんな!?
(通り沿いにある)ドンキと間違って入ってきた人おる!?」
無論、夜ダンのライブで踊りに来た人しか居ないフロアからは、待ち焦がれていたと言わんばかりの拍手と歓声しか起こりません…!
街中でライブを見に来たという2人の親子と遭遇したらしい鈴鹿さんは、ますます今日のライブへの感慨を深めながら、
「俺もみんなのこと愛してるで…!」と嬉しい一言(なぜかマイケルさんからツッコミを受けていたような気がしますが、ちょっと記憶が朧げ笑)
そこから続く曲が「LOVE CONNECTION」とくれば完璧な流れ。
ソリッドな雰囲気から今度はハッピーで幸せなダンス空間に変貌を遂げます。
「みんなたくさん踊ってくれるやん!
そのまま大きな声も出せる!?」
鈴鹿さんの呼びかけから、イントロのフレーズの大合唱が起きる「Oh Love」で、さらに愛のミルフィーユを重ねます。
収録アルバムの「Fetish」は、私の夜ダン推しを決定付けた名盤で、一曲はここから聞きたいな…なんて思っていたらまさかの選曲…好きになっちゃう!!
曲終わり、米田さんが静寂と暗闇の中、フロアのお客さんに向かって手を挙げると、何故かとてつもない歓声が上がります笑
どうやら昨日ミニオンズのアニメを見たらしい米田さんは、その様子を急に模し始めたらしく、そのままミニオントークで盛り上がり始めるメンバー笑
これはこの日、この後のMCでも尾を引き続けることとなり、MCの半分はミニオントークとなった印象です笑
特に誰が話を止めるでもなく、のんびりとメンバーがその場その場の思い付きで話を繰り出していく緩い展開は、長い時間を使えるワンマンならではの魅力…!
「ミニオンってしゃべらんやん?
言葉がなくても伝わるって意味では、僕らの音楽もそうですからね。」
米田さんが見事に着地点を見つけて上手くまとめたところで!笑
今度出る新曲として披露されたのは、水曜日のカンパネラの作詞作曲を手がけるケンモチヒデフミさんとの共作曲「ピラミッドダンス」…!
水曜日カンパネラを彷彿とさせる、高速ラップのような節回しで米田さんが言葉を畳みかけていくという、夜ダンとしては新境地のAメロから、「ピラミッド」のフレーズと三角形の形がとにかく頭から離れなくなる一曲。
私はこの会場で初めて聞きましたが、既にクセになりそう…。
自然と身体が動いてしまいました…!
鈴鹿さん
「いっぱい踊ってくれるやん!どうですか?西田さん!」
西田さん
「チューニングしながら話すの難しいなあ…
同時に二つのことできひんから…。」
マイケルさん
「いや、さっき歌いながら(ギター)弾いてたやん笑」
結局この後のMCコーナーでも、チューニングしながら話す場面が何度も見られた、おっとりと優しい口調から繰り出されるボケ?がいちいち面白い西田さん笑
MCを通じて、メンバー4人、それぞれの人柄の暖かさも充分に垣間見えてきたところで、
「本気ダンスタイム!」
米田さんのかけ声から、「By My Side」を皮切りに夜ダン印の踊れる楽曲をシームレスに繋いで演奏していく本気ダンスタイムへ!
上述のDOPING PANDAの系譜を受け継ぐこの時間は、それに相応しすぎる鉄壁のグルーヴを携えてパワフルで高揚感溢れるサウンドがひたすら連打されるという、ロックバンド好きとして幸福すぎる時間…!
この曲では間奏のコールを経て、お客さんのジャンプの波が一際大きくなる様にただただ圧巻…!
「Japanese Style」に突入してもその勢いは天井知らず。
個人的にはテンポダウンしてからの、宇宙と交信しているような米田さんと西田さんによるシンクロしたアルペジオフレーズを皮切りとしたセッションに、特に聞き応えを感じました。
もう音源の比ではないほど、スケール感を増して会場を支配する音像。
終盤でマイケルさんのベースフレーズが先導するパートに入った瞬間の歓声…!
演奏の力で大いにカタルシスを味わったところで、1番の発狂ポイントはこのダンスタイムの終点、ラスボスのように姿を見せた「TAKE MY HAND」…!
高速のギターカッティング、ファンキーなベースライン、一部の狂いもなく刻まれるドラムフレーズに、声がひっくり返りそうで返らない絶妙なラインを攻め続けるボーカルワーク…!
あまりの中毒性の高さに気が狂いそうになる目まぐるしさに、心の奥底が暴れて手が付けられません…!
これが合法トリップなのか…!!??
「今回は対バンツアーなんですけど、北海道と福岡は、行かないという選択肢はなかったので、ワンマンで入れました。」
とてつもない時間を終えヘトヘトしてたところに、さっきまで色気たっぷりだった米田さんから、真面目でキリッとした様子で嬉しいお言葉。
「ツーマンだったらここで終わりだけど、まだまだやりますよ。」
すっかり踊らされ続けているこの日ですが、色気のある大人な雰囲気に酔いしれることができるのも、夜ダンの魅力の一つ。
特に私がこの日聞けて嬉しかったのは「Wall Flower」。
たくさんの愛と、ほんの少しの喪失感を感じる時間。
最小限の音数の中で、米田さんの歌声が持つ色気とロマンチックさが際立つような演奏にうっとりと聞き惚れながらも、自分の心の中のぽっかり空いた部分にたくさんの想いを流し込みます。
実はまだ新曲があるらしい夜ダン御一行…!
(何やらこの先の活動も少し匂わせていましたね…!!)
もう一曲披露された新曲は、ミドルテンポのポップなナンバー。
歌詞は聞き取れませんでしたが、自分の歩く速度に寄り添って、前を向いて心が踊る場所を一歩ずつ探し当てて行くような足取りを感じる曲でした。
激しく踊れる曲も好きですが、このくらいのテンポ感で日常に寄り添って心踊れる曲もあるからこそ、夜ダンのロックが好きなんだよな…!と改めてしみじみと思う時間でした。
そろそろこのライブも終盤らしく、残念そうな声が飛び交う会場。
そんな中、鈴鹿さんによる、「北海道、ずっと来続ける!」宣言に沸く会場と、「来続けるって何!?」と困惑する米田さん笑
鈴鹿さんは、朝が苦手なので、朝の雪かきだけで終わって、気付いたら死んでると思う笑ので北海道に住むことは叶わないそうなので、とにかく来続けてはくれるとのことです!
まだまだライブで聞けていない思い入れたっぷりの曲が多いバンド…これは期待して踊り続けるほかありません…!
米田さん
「新曲も2曲やったけど、最後は知ってる曲で踊りたいでしょ!?」
米田さんが締めていたネクタイをパッと外してハンドマイクスタイルで歌い踊り出す「fuckin’ so tired」から、最後は再び無敵のグルーヴで踊らせにかかります!
ネクタイという抑圧の象徴みたいなもの(私勝手に思ってるだけ)を外して飛び回る米田さんのボーカルは全くブレず、終盤でも勢いが衰えることはありません!
負けじと踊り続ける私含めたお客さんも含めたフロアの光景は、名付けるなら「ダンスバトル」…!
ここに最後のカタルシスをもたらしたのは「審美眼」。
イントロ部、カラフルな照明がステージ後方から照らし出すステージは、逆光で4人の姿がはっきりとは見えない形に。
でもそれこそが、ギラギラに輝き続ける音像と、ロックバンドが最高にかっこいい姿を切り取った決定的瞬間だったのです…!
強固なダイヤモンドのように渾身の輝きを放ち続けるグルーヴ。
これが…私にとっての誰にも強制されず心から踊れる感覚だ…!
そんな想いを噛み締めずにはいられませんでした。
ライブが終わるのは寂しいですが、ここまで歩んだ道を引き返す理由はもうありません。
最後は「WHERE?」。
サビのフレーズに対して、今日1番の腕振りと合唱で応えたのは、これからもこのダンスロックバンドが爆走し続ける先を追い続けたいという願いからでした。
文字通り駆け抜けた本編が終わるも、まだまだ見たいとばかりに鳴り止まない力強い手拍子に応え、アンコールへ。
先ほどの鈴鹿さんによる「来続けたい宣言」の延長(というか補足?笑)として、修学旅行と一緒で、たまに来るからありがたみがあるということを熱弁する鈴鹿さん。
ちなみに本人は中学、高校と2回連続で修学旅行は長野県だったらしいですが笑(スキー→スノボというマイナーチェンジがあって嬉しかったとのこと!)
その後1番遅れてステージに戻ってきたら米田さんに、思ったことを何の脈絡もなく言い続けるマイケルさん、西田さんという両脇からの「口」撃に耐えかねた米田さんは、「片耳ずつストレスだから!笑」と、ステージ位置を変えることを提案します笑
結果的に、そうなるとセンターになるであろう西田さんが「俺が色々普及するで笑」と暴れ出しそうな気配を見せ、もちろんその場ではこの話はなし笑。
果たして次回はどうなっているでしょう笑笑
その後米田さんによる、北海道公演では恒例(私は知らなかった)の、北海道のご当地コンビニ、セイコーマートの会員カードである「PECOMA」の所持率を確認するくだり(毎年来るたびに増えているとのこと笑)など、この3倍はのんびりしゃべっていたMCタイムを挟み、アンコールは私が勝手に「中国四千年の歴史風のギターリフ」と呼んでいる「B!tch」からスタート…!
もうすっかり踊り疲れて…いるどころか当然のように踊り足りないフロアのジャンプ攻勢は止まることを知りませんでした。
そのままラストの「fun fun fun」まで一気に駆け抜けます。
駆け出す僕らを止めないで
旅立つ僕らを止めないで
ここからまたツアーに、新しいライブに旅立つ夜ダンの止まらない旅路と、いつまでも踊り続けられるライブハウスの光景が続いていくことに願いを込めながら踊っていると、あっという間に2時間。
最後は鈴鹿さんによる、これからの色々を祈願した一本締めで終了!
ダブルアンコールも辞さないほど鳴り止まない手拍子がありましたが、この日はここまで。
メンバーの退場時まで頭上で回り続けるミラーボールを見ながら、まだまだ踊り続けるバンドの行く末を期待せずにはいられませんでした。
※セトリは自信ないので省略します。
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。