【ネタバレあり ライブ感想文】ASIAN KUNG-FU GENERATION「Tour 2024「ファン感謝サーキット」」@帯広MEGA STONE 2024.10.6(日)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回は、ASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)のライブツアー、帯広公演のライブ感想文です。
現在も開催中のツアーですが、以下の文章では演奏曲や演出に触れています。
ゆえに、これから参加される方は閲覧しないことを勧めつつ、私はこのまま気ままに筆を進めますので悪しからず。
それでは。
アジカンは今年バンド結成28周年&ドラムの潔さん加入25周年(昨年はデビュー20周年)のアニバーサリーイヤー中で、つい先日には横浜でスペシャルなライブがあったばかり。
私も横浜に飛んで行きたい気持ちはありましたが、前週にライジングサンを終えたばかり。
そこに参加するためには、気持ちもお金も全く足りず…💸
それでもそのライブの映像化を期待して、リクエストを募るファン投票は毎日コツコツとし続けることで、ひとまずお祝いの気持ちを表すとともに、昨年から後藤さん(Vo.&Gt.)が宣言していたライブハウスツアー(仮)の発表を心待ちにしていたのです。
こうして発表された待望のツアー。
北海道公演は札幌と帯広。
会場は…ペニーレーンとメガストーン!!??
いや、見たいですけど、2会場足してもキャパシティは1100人前後…チ…チケット取れないのでは…!?
初めてアジカンでチケット争奪戦になることを覚悟しつつ、日程的にどちらも行けることを確認した上で最速先行にダブルチャレンジ。
結果当選したのは…帯広のみ!!
SNSを見ていた限りでは、これでもかなりの幸運だったように思われます…。
札幌はその後の先行に何度か挑むも無惨に散り続けたため、今回は潔く帯広のみ。
私の地元は実はこちらの方で、メガストーンは学生時代に何度も行った思い出深いライブハウス。
アジカンを「初めてライブハウスで見た」のもこの会場であることから、周年のお祝い場所としては全く申し分ありません、ある訳がありません!!
最近は札幌周辺でのライブ参加が多かったので、久しぶりの遠征となったこの日。
現在の住まいから2時間近くの運転を経て、地元にいた頃これでもかと通ったライブハウスが、10年以上の時を経てしっかり残ってることを久しぶりに肉眼で確認した時点で既に感慨まりすぎて大変でしたが、とにかく今日は目の前のライブ。
この日は前から数えて6列目あたりの位置。
メンバーもそれなりによく見えてかつ…本当に近い…!
贅沢な位置でその時を待っていると、予定時間を5分ほど過ぎたあたりで、いよいよ暗転する会場。
近年のライブ同様SEはなく、静かに明度を上げ始めるステージに、両手をグッと掲げた喜多さん(Gt.)を筆頭に4人が登場すると、本当にメガストーンでまたアジカンのライブを見られる圧倒的現実を自覚したフロアから、大きな歓声と拍手が起こります…!
淡々と各々の準備を整える4人。
興奮と緊張が高まる中、スピーカーから鼓膜を突き刺すようにフェードインするギターのハウリング、伊地知さん(Dr.)のカウント。
逆光に浮かび上がる4人のシルエットから溢れ出したのは、数多の私を支えてくれたロックバンドが、「今」帯広で鳴らす骨太なロックンロール…紛れもない「フラッシュバック」…あぁぁぁもうぅぅぅかっこいいぃぃぃ!!!
曲が始まると登場時よりも更に力強い歓声が上がり、1番が終わり怒涛の間奏セッションに突入するとその歓声と熱は更にうねりを上げ、どうしようもないほど興奮を抑えきれない状況で私が抑えきれなかったのは両目から溢れるもので、信じ続けてきたロックバンドが、この日も自然体でたくましい音を鳴らしていることが嬉しくて…心強くて…!!
1曲目がこれだった時点で2曲目はもう分かりきっていたものの、喜多さんの大いに歪んだギターリフが全身に襲いかかってきた瞬間、生きる力が心臓から迫り上がって両目から再びボロボロと溢れ出した「未来の破片」で、今この瞬間を繋いでいたいラウドな音像はより太く肉体的に…!!
この土地でアジカンを好きになった自分と、地元を離れた今もアジカンを好きでいる自分を一本の線で繋げてくれるように、初期のような荒々しい声でなくとも、ギュッと眉間に皺を寄せて、太く響くシャウトを連発する後藤さんの声を浴びるたびに、何度でも武骨にギラギラと輝く私の破片…!!
もう…!もう十分すぎます…!
これ以上初期の曲は身が持たない…と思ったところで鳴り響くギターリフに心停止寸前…なのに心臓から溢れ出すワクワク…!
「サッ!!!」
喜多さんによる威勢のよい掛け声から、3曲目にして何度でも、ライブも人生も始まり直すのは「エントランス」で、Bメロでは会場中の限界センサーを振り切る大合唱…というか私はもう歌わずして正気を保っていられませんでした…!!
ここまでで既にあまりにも思いが溢れすぎて、思いの将棋倒し寸前でした(身体は全然大丈夫)が、3曲目まで、曲の1番部分が終わるたびにたくさんの歓声と拍手に溢れたり、この曲では1番や間奏部で思いがけず手拍子が起こるなど、渋く太い音で攻め続けるバンドに対して、客席フロアはとにかく「楽しさ」と「感謝」に溢れた明るい雰囲気だったことも手伝って、私自身、深刻になりすぎることなく、悠然と咲くことができました。
後藤さん
「こんばんは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONです。」
散々盛り上がって「陽」のオーラ溢れる客席フロアですが、後藤さんの挨拶第一声はとても静かで淡々としています。
神妙な面持ちで少し身を屈めながら、後藤さんがピックで弾き(はじき)始めたギターリフに、持ち直した心が音を立ててガラガラと崩れ始めました…。
楽曲の投票企画があるライブが企画されるたびにしつこく入れ続け、今年の周年ライブにおけるファン投票でも毎日、執念深く投票を続けた曲。
どう考えても、どう聞いても、今、私が全神経及び全細胞で知覚しているのは「バタフライ」そのものでした。
辛くて、苦しくて、やり切れない気持ちの吐き出し方も分からなくて、どうしようもなく荒んだ心で、実家の自分の部屋を真っ暗にしたまま、何度も大音量で聞き続けてきた曲が、今、初めて、暗がりのライブハウスで、目の前で鳴っている。
今のバンドの雰囲気からすると相当暗い部類に入る曲ですが、培った太いグルーヴで、しっかりと心が「折れる」瞬間まで描き切ってくれる、とても丁寧で力強い演奏。
どんな状況でも、5メートルの現実感だけは絶対に離さず踏ん張って、今日ここに辿り着けた私…本当に………よかった………!!
「ファンクラブ」というアルバムにおいて、私がこの曲を聞く時は、必ず次の曲とセットで聞くことで、自分なりの生きる力を見出して
いました。
アジカンのライブでは定番曲の一つですが、曲が始まる前のギターの歪みは過去最強…!
続けて鳴らされる後藤さんのギターリフが口火を切った「センスレス」は、いつもの何倍にも増して、暗闇にいる自分が待望したロックンロールそのものでした…そう!…この流れが聞きたかった…!!!
複雑に展開し続ける曲が、最後のサビ前の開放地点に到達する頃、各々のタイミングで微笑む喜多さん、山田さん、伊地知さんの確信…!
最後のサビの最大開放地点で、ここ数年ライブを見てきた中ではもっとも力強い歌声をライブハウスに轟かす後藤さん…!
辛い過去も、楽しい今日も、等しく照らすロックンロールの光明に、間違いなく過去最高の灯火を見ました…!!
後藤さん
「久しぶりに帯広に来ました。
「リライト」以降かな?
帯広にライブ来た時にトイレにこもっちゃって、1番売れてる時が1番辛かったんだけど。
今は…あんまり後ろの方の人(お客さん)は見えないかもしれないけど、ヘルシーなおじさんになりました笑
そんなここのトイレは、当時は和式しかなかったけど、俺の発言のせい(?)で洋式ができてて笑、また来なくちゃいけなくなっちゃったかなって笑」
トイレのおかげで笑、早くも次の帯広ライブへの光明が見えたフロアからたくさんの拍手が送られる中、その後も「帯広といえば…」ということで、ボーカルの吉野さんが帯広出身であるバンド、eastern youthの話題へ。
後藤さん
「日本語を載せたロックでこんなに響くんだ!と思ってガツンときて。
縦書きの歌詞とかね、凄くいいなって。
あんな風になりたいと思いつつ、そうはなれないから、自分なりにやってきています。
今日も最後まで思いやりを持って、誰の真似もしなくていいから…!
自由に楽しんで帰ってください!
じゃあ、その思いやりについて歌った曲を。」
先ほどの過去曲ゾーンで闇を抜けた先に訪れる、透き通るほどひんやりとした朝の空気を感じさせるギターの響きが染み渡る「エンパシー」で、一気にタイムワープ。
至近距離のライブハウスだからこそ、サビの疾走感が、自分のすぐ横で並走してくれているような優しさと心強さを感じます。
そのまままた時計の針を戻すのは、渋みと歪みを兼ね備えた山田さん(Ba.)印のベースイントロ…「それでは、また明日」!!
間奏では喜多さんと後藤さんによるギターの掛け合いを、お互い目を合わせずとも、それぞれに前を見据えながら阿吽の呼吸でキメる様に、お互いを信じるが故の熟練の技を感じさせます…!
皮肉混じりのリリックが張り巡らされる曲の中でも、Cメロで歯切れの良いフレーズを歌う後藤さんはとても楽しげで、異端者など誰1人としていないライブハウスで繰り広げられる、ゴリゴリのロックンロールが続きます。
後藤さんの曲名コールからどよめきが起こる「十二進法の夕景」。
橙色の照明が映えすぎるほどには、シリアスで切迫した夕闇に追い立てられるような音像ですが、後藤さんのボーカルは決して深刻すぎず、肩の力を抜いて音と言葉を紡ぎ続けます。
先ほどMCでも触れていたヘルシーさを如実に感じる「今のアジカン」としての演奏。
そんなヘルシーさを携えたまま、白く、清く、柔らかいアルペジオを、言葉にならないメロディを歌いながら紡ぐ後藤さんの斜め後ろからは、真っ白なスポットライトが。
某アニメの影響もあり、そろそろ久しぶりに生で聞きたかった、「転がる岩、君に朝が降る」。
歌いながら、「ちょっと」のフレーズに合わせて、右手の優しいジェスチャー🤏を挟む後藤さんの後方にあるギターアンプには、チラチラと見えた限りでは「NO WAR」の文字。
すぐに何かが塗り替わることはなくても、この日アウトロで降り注いだキラキラ光る音の粒がしんしんと降り積もる景色は、祈ることしかできないことがあったとしても、その心に静かに寄り添ってくれるものでした。
そうして朝を迎え、たとえギリギリの心持ちでも現実に再び立ち向かうための、蒼く険しい音の波が押し寄せる「或る街の群青」。
間奏でバチバチに点滅する照明もそんな気持ちを感化させるもので、最後の最後まで蒼く勇ましいアンサンブルが広がり続けます。
アウトロでは、しゃがんでエフェクターを操作しながらも、最後には大きく片手を挙げてピースサインを出していた喜多さん。
このロックがあれば…絶対に大丈夫という証…!
根拠のない自信を胸張って携えたまま、アジカンのリーダーである喜多さんゾーンの幕開けを告げる「ナイトダイビング」で、一気に夜のライブハウスに飛び込みます!
「夜の中華街」とか、「カンフー」みたいなイメージが似合う、バンド名に違わぬ曲だと勝手に思いこんでいる私ですが、そんな曲の熱量を底上げするように、曲がサビに突入するたびに華麗なジャンプをキメ、めくるめくギターソロからのボーカルパートをキメる喜多さんに載せられるように、ダンスフロアと化してきたメガストーン…!
勢いそのままに、全編にわたり喜多さんがボーカルを務める「嘘とワンダーランド」のノリノリハードロックに突入!
後藤さんも含めた4人で演奏している光景を生で見たのは、本当に久しぶりな気が…!
何年経っても爽やかに聞こえるハイトーンボイスの持ち主ですが、最後のサビの最高音では、顔をぐしゃっと歪めてその清涼高音を絞り出す大熱唱ぶりで、魂込めて必死に歌っていることが伝わってきます。
ますます脂が乗ったギターリフとボーカルワークを魅せて、すっかりノリノリの喜多さんに心踊った「お祭りのあと」までで、喜多建介劇場は大盛況のうちに一旦閉幕。
後藤さん
「アジカンには何かが足りないと思ってて……お立ち台……?
でも、キャラじゃないんだよね笑
お立ち台に上がると、煽らなきゃいけないじゃん?「もっとこいよ!」みたいな。
でも、来られてもな…みたいな笑
そういう楽しみ方もいいんだけど、身体的なことじゃない楽しみ方の人もいるでしょ?
俺だってフェスとかだと、つい声が出ちゃうこともあるけど、基本的には静かだし。
細美くん(ELLEGARDEN etc...)はよくライブで「お前ら上手くやれ。」みたいなこと言うけど、本当にその通りで、それってお客さんを信頼してのことでしょ?
こういう場だと、周りの人と楽しみ方が合わないってこともあると思うし、難しいこともあるんだけど、今日(のお客さん)の様子を見ている限りでは、俺はできると思うよ。」
今日のライブの様子を踏まえて、後藤さんの口から飛び出すのがお客さんへの信頼の言葉なのであれば、「自由な」ライブハウスにとってこれほど心強いことはありません。
後藤さん
「これから後12年くらいは…60歳までは(アジカンを)やってみようかなと思ってるんで。
今日も色んな世代の人がいて、俺らと同じくらいの世代の人もいるけど、60歳になってもライブハウス、来てもいいと思うよ。
音楽はユースカルチャーってよく言うけど、海外では40歳、50歳の人が普通にFoo Fightersのライブとか行ってるからね!
まあ、やれるだけやっていきましょう。」
間髪入れずに「江ノ島エスカー」を歌い始めた途端に溢れ出す、年齢度外視の青春パワーポップに大歓声!!
昨年のツアーで無邪気に開放されたロックンロールの風通しの良さは、この日のライブでも健在…!
バンドを続ける限り終わらない、青春の夕焼けみたいなオレンジの照明と音像が眩しかった「橙」。
無理に笑う必要はないけど、笑ってくれたらいいなという願いが込められた音と言葉に宿る暖かみが、会場中に暖炉みたいな温もりを与えます…暖かい…本当に暖かい温もり。
それが伝わる音であると同時に、演奏する4人の雰囲気が、ここにきて更に力が抜けて柔らかくなったことも、そう感じる要因の1つだったと思います。
夕焼けだなんだと感じていたら、とうとうライブ自体も終盤戦。
本日2回目、某アニメの影響もあってまさに今聞きたかった長尺のイントロに歓声が上がるとともに、あの小刻みなギターフレーズが現れると、この日1番の手拍子やコールに熱烈な歓迎を受けた「Re:Re:」に揺れたライブハウス…!
大団円を迎えるアウトロで、音を重ね合わせながらゆっくりと自身のギターネックを高々と掲げ始めた後藤さん。
天井まで届きそうなほどにギターを掲げ続けたまま、恍惚の表情で鳴らし続ける後藤さんを分かりやすく一言で呼ぶと…「ロックスター」!!!
ロックンロールの頂点を極めるような興奮そのままに、伊地知さんのスティックカウントから「リライト」の名ギターイントロが鳴り響けば、こちらも大いに手を掲げ、歌わざるを得ませんでした…!
(間奏部に入って間もなく)後藤さん
「この曲をやると…みんな歌うからサビで俺の声が聞こえなくなるっていう問題があって。
でも、今日ここにきた思い出?みたいなものとして、思う存分リライトして帰ってください…!!」
このMCを経て、Cメロからサビまで爆発する歌声の大きさは、後藤さんの声どころか楽器の音すら掻き消す勢いに急成長…!
各々の全身全霊を込めたアジカンへの感謝を、私も目いっぱい放つのみでした…!!
後藤さん
「「海岸通り」。」
かっこよすぎて涙に濡れた始まりとか、初めてライブで聞けた曲に対して渦巻きすぎて制御不能だった感情とか、楽しすぎてワクワクが収まらなかった終盤とか、もう終わってしまうライブに対する寂しさとか。
今日抱えきれた分も、抱えきれなかった分の想いも、全てを包み込むようなエンドロールが自然と目に浮かぶ優しいアンサンブルで、いつにも増して情景がたくさん浮かぶようでした。
そんな想いは消えそうで消えず、揺らめく残像のようなギターの音像だけを残して、それぞれ静かに、深いお辞儀を残してステージを後にした4人。
大きな拍手と余韻に包まれる会場…ですが、その拍手は間もなく、アンコールを呼び込む力強いものに変わっていきます…!
アンコールに応え、まず登場するのはQRコードが書かれた大きなプラカードを携えた後藤さん。
「帯広と関係ないんだけど…」と言いつつ、現在行われている音楽スタジオ作りに向けたクラウドファンディングと募金について、自身の想いも込みで、改めて丁寧に言葉にしてくれた後藤さん。
詳しくは、下記にリンクを貼るのでここでは割愛します。
興味ある方はこちらから是非是非↓
後藤さん
「俺、背がちっちゃいから、こういう場所だと後ろの人とか見えないでしょ?
でも、前の方とか行くのはちょっと怖いって人もいるよね。
だから俺はよく、前の方のブロックに行くの。
で、ライブが始まったらみんなワーッ!と前に押し寄せるでしょ?
そしたら少し隙間が空くの。
そこで見るのが好き笑
よく見えるんだ!笑
でもだからって、「前に来い!」ってことじゃないよ?
まあ、後は上手にやって!笑」
結局前段のMCで触れたようなくだりに落ち着く後藤さん笑。
少なくとも今日のフロアは、それが和やかな笑い話になるくらいには平和で落ち着いています🍵
そうして後藤さんが構えるのはアコギで、そのまま弾き語られるのは、これまた屈指の人気曲「ソラニン」。
力が抜けてふんわりとした心地で美メロに浸りますが、アウトロでのシャウトは原曲さながらに叫ぶ後藤さん。
これは久しぶりに聞いたし…心にも効いた…!
切実な想い溢れる弾き語りを終え、後藤さんが一旦ステージを後にすると、次に登場するのは喜多さんと山田さん。
喜多さんの解説の元、「アジカンの曲を「勝手に」やらせてもらっている」という2人のユニット、コスモスタジオとして、普段アジカンがライブでやらないようなマニアックな曲を披露してくれるとのこと…ワクワクワクワク…!!
かわいらしい打ち込みのビートが流れ始める中、山田さんのカウントから始まるのはなんと「雨上がりの希望」!!
シングル「迷子犬と雨のビート」のカップリングで、表題曲とともにこれでもかと聞いた大好きな曲…まさか今日、またライブで初聞きとなる曲に巡り会えるなんて…とんでもない日!!
原曲にある歌唱パートはもちろん、それ以外にもその誠実な歌声をたっぷりと聞かせてくれる山田さん…!
喜多さんとの掛け合いやコーラスとの相性もバッチリで、あまりにも微笑ましい音楽の時間は続きます…!
すると曲終わり、いそいそと後ろを向いて真っ黒なサングラスをかけ始める2人…これは…まさか…!
間もなく喜多さんの呼び込みで再登場する後藤さんも同様のサングラスですが、向かう先はドラム…ということは…!!
喜多さん
「紹介します…キヨロック!!!」
アメリカのヒップホップグループ、ビースティ・ボーイズの、アドロックさんを文字った伊地知さんと、お立ち台(!)が満を持して登場すると大歓声…!!
キヨロックさん(伊地知さん)
「お前らぁぁぁぁ!
カレーの作り方、知りてえかぁぁぁ?
スープカレーも、さっき楽屋で食ったインデアンのカレーも美味しいけどよぉぉぉ、潔のカレーはもっと美味しいぜぇぇぇ…!!」
全ての羞恥心を捨て去ったキヨロックさんによるボーカルと、後藤さんのシンプルで力強いドラミングがグルーヴを引っ張るのはビースティ・ボーイズの「Fight for Your Right」ですが、歌詞はまごう事なき潔さん流のカレーの作り方!!笑
(原曲はこちらから↓)
おそらく歌詞のカンペが書かれているであろう、お菓子の箱のようなものを片手にガン見しながら、素晴らしい歌声を披露するキヨロックさんと、アジカンのパワーポップの系譜を引き継ぐようなイキイキとした演奏!!
アジカン流、本気の大人の余興であるキヨシティ・ボーイズ、とうとうこの目と耳で知覚成功です…!笑
後藤さん
「キヨシティ・ボーイズは…大きい会場ではできません。」
喜多さん
「大事なとこではやりません。」
後藤さん
「潔がどうしてもやりたいって言うから…」
(「言ってない!!」とばかりに笑顔で首と手を横に振る潔さん笑)
あまりにも2人が真顔で語るのでおかしくてたまりませんでしたが、どうやらこのツアーではやってる会場とそうでない会場がある様子なので、これは素直に嬉しすぎました!
後藤さん
「アジカンは、作曲の印税は4等分なんだけど、潔のカレーは「ASIAN KUNG-FU GENERATIONの〜」って言ってる割には、メンバーには一銭も入ってきてなくて笑
という問題提起を残して、後何曲かやって帰ります笑」
なんて後味の悪い笑アンコールでしょうと思いつつ、半分アジカンのライブであることを忘れかけていたフロアに、後藤さんのタイトルコールで一気にアジカンのライブに引き戻されるのは「君の街まで」…!
とにかく、何年経ってもまたこうして、帯広に来てくれて、本当に、本当に、ほんっとうにありがとうございます…!!!!
この曲が鳴っている間、私の頭の中にあったのはそのことばかり。
私の背中にある、未だに頼りない羽で羽ばたき続けるための力をまたもらったところで、聞こえてくるのは本日2度目の、山田さん印の渋み全開のベースライン…!
あまりにも出来すぎている最後は、始まりを告げる「遥か彼方」…!!
先ほどのお立ち台にまつわるMCがフリだったかのように、キヨロックさんが残したお立ち台に登って、イントロから満面の笑みでギター弾き倒す後藤さん…!
幸福と爆音てんこ盛りのロックンロールで辿り着く、私とアジカンじゃなきゃ意味がない、最上級の音楽コミュニケーション!!
最後には再びお立ち台でギターをかき鳴らす後藤さんを見ているだけで、溢れるカタルシスは何倍にも膨れ上がって…!
曲が終わるとともに、伊地知さんの力強いスネアとタムを合図に、ジャーン!!と高らかに一発…!!
ステージ中央で肩を組んでお辞儀をする4人の晴れやかな表情は、この日もこの日とて、永遠に忘れることはありません。
私の地元のライブハウス原体験の場所で、実家の部屋の片隅で聞いて、歌ってきたたっっくさんのロックンロールは、何もかも間違いじゃありませんでした。
今日聞けた全ての曲に、「60歳までは続けたい」というアジカンに、これまでもこれからも、溢れんばかりの感謝感謝…感謝を!!!
今回は以上です。
最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。