火星からの手紙
おたより、ありがとうございます。
まわりには言葉を話すことを選ばない人も多く、また、こうして文字で伝える文化も限られているので、大変に嬉しく思っています。
「2018年12月」という座標が、私達の星ではどの軸のことなのか、不思議な気持ちで読みました。けれど、貴方と私がもっと大きな家に一緒に住んでいるのだと仮定するなら、それはいつだって「今」を示すのでしょう。
貴方は海の近くに住んでいるのですね。
私はYouTubeでしか見たことがないのですが、
波の音はずっと昔から知っているような気がして、これ、なんだろな?と楽しい気持ちになりました。
あと、一緒に暮らしてる「犬」というのは、なんだか様子がずいぶん違うみたいですが、どんな人ですか?次回のお手紙でもう少しくわしく聞きたいです。
こちらでは四足歩行に戻る生活が流行り始めているので、そんなに変わってしまうのか!と、ちょっと怖く思っています。
そちらの写真、いくつか入れてもらい、ありがとうございました。
最近、隣町の友達と一緒に見たのですが、沢山の色で溢れているんですね。
私の町の生まれは皆、3色ぐらいしか見えないのでよく分かりませんでしたが、その友達はビックリしていましたよ。私も見えるようになりたいな。
私の近況もお話しておかなくては。マイブームの話がいいかな。
まず1つ目は、初めてできた映画館というものに通うこと。
星の反対側にいる人々と交流することは、距離が遠くてこれまでなかなかできなかったんですけど、おたがいの土地をフイルムにして送り合うことが始まりました。だから今は毎日のように通って、同じ物を繰り返し見て、ここが同じだ!これは違う!なんて1人で騒いでいます。
2つ目はCarRadioで新しいノイズを聴くこと。これもけっこう、私のまわりでは流行ってきているのですが、ただ車を動かしていない時でないと聴けないので、ちょっと不満です。あと、新しいもの好きの技術族の人々は、録音ができるみたいで、それもズルいなと不満に思っています。でも滅多に出会えない音が聴こえた時は嬉しかったな。その瞬間は私だけしか聴くことができなかったんだなと思うと、思い出すだけで、心がJINJINします。私も録音できるようになったら、送りますね。
もちろん楽しいことばかりではありませんよ。
ここのところは、鉄砂の影響でビネツが続いていて、触る物がいちいち溶けやすくなり困っています。環境問題なので、私だけが苦しんでいるわけではないんですけどね。そちらではこんな時、どんな対策をしてるのでしょう?
いずれにしても、もっとお互いのことを共有して、(どの時点が起算点か、定めることは難しそうですが)未来のことを擦り合わせていきたいですね。
永いお付き合いにならんことを、ジュピターに祈ります。
p.S朝はパン派かご飯派かという質問でパニックになりました。なんだそれは(笑)
それもまたどんなことなのか、教えて下さいね。
20-y-21,0-m-2
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from「火星の風」
https://note.com/midzho/n/n53798ee641a0
for「火星への手紙」
https://note.com/midzho/n/n8b87e7dcdc8a
今のところサポートは考えていませんが、もしあった場合は、次の出版等、創作資金といったところでしょうか、、、