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#30 ゆく年2021-くる年2022
1. 2つの「時間」:直線的時間と円環的時間
作詞家であり精神科医のきたやまおさむさんが、12月22日付の日経新聞夕刊のコラム(あすへの話題)に「まわる時間と安心感」というタイトルで、まわる時間(円環的時間)の効用についてエッセイを書いています。
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ちなみに、”円環的時間”をイメージする歌として、きたやまさんの挙げた「時代」の他にも、「青葉城恋歌」、古いところでは、「この道」「夏の思い出」などが、挙げられると思います。
![](https://assets.st-note.com/img/1640865963433-tIW5TihdME.png?width=1200)
2. 「円環的時間」に感じる安堵感
きたやまおさむさんのエッセイを興味深く読み、年末年始を「円環的時間」として味わってみようと考えました。
エッセイの掲載日が、22日(二十四節気の冬至)、それから、24日(クリスマス・イブ)、25日(クリスマス)と続き、28日は官公庁の「御用納め」、この頃には、街も、すっかり年の瀬ムードとなりました。12月も最終日となれば、新年の号砲が聞こえてきそうです。これらは、去年も、一昨年も、10年前も、もっとその前から・・・ずっと同じ流れです。
1年365日の「直線的時間」を生きると同時に、また、今年も同じく”年末年始”という一連の時間を迎えられることに、安堵の気持ちと共に、ささやかな幸せを感じます。
「直線的時間」を走って来た自分が、「円環的時間」の中に包まれ、大きな流れにつながる感覚があります。”コロナ禍の去年、今年も同様”に、この感覚はあります。
3.予測困難な時代を生きるチカラ
「私たちの多くは、この円環的時間の規則正しさにしがみついて生きているのだと思う。」~北山さんはこう語り、「物事の規則正しさは無事の何よりもの証拠であり、安心のよりどころなのだ。」とエッセイを結びます。
12月28日付の日本経済新聞が、「予測不能のニューノーマルが到来」との大見出しで、英国週刊The Economist誌(12月18号)の記事の日本語訳を載せています。
「2022年の幕開けが迫る中、先のことは予測不能としか予測できない世界にそろそろ向き合うべきだ」(it is time to face the world's predictable unpredictability)。「予測不能としか予測できない世界」:逆説的な表現ですが、的をついていると思います。
環境の変化は、必ずしも規則正しくはありません。「ポストコロナ」なのか「ウイズコロナ」なのか、先の予測はできませんが、環境の変化にどう対応して行くか、新年の大きなテーマになります。
規則正しさが安心をもたらすことは、十分に感じながらも、たまたま、今日入った本屋で渡辺和子さんの文庫本が目に留まりました。「幸せはあなたの心が決める」
9年前に相田みつを美術館で講演された渡辺さんの姿を思い浮かべながら、本を手に取ってみると、次の言葉が、眼に飛び込んできました。
「人生は思い通りにならないからこそ、安心して生きられるのだ」
~不条理をどう受け止めて生きるかに、その人らしさが表れる。それこそが個性~
「思い通りにならないからこそ『安心』」:逆説的ですが、渡辺さんならではの言葉だと思います。
渡辺さんの言葉には、最近注目を集めているプロティアンキャリア理論でいう、”アイデンティティとアダプタビリティ"に通じるものを感じました。
ゆく年2021-くる年2022
noteの投稿も、2021年は今回が最終になります。期せずして、30回(連続)の大台に乗りました。お読みいただき有難うございました。
どうぞ、良い年をお迎え下さい。