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ウォームビズは何故大失敗したか4

前回は、小田嶋隆さんの持論を基に、クールビズを成功させるためにはどうすれば良いのか、模索してきました。
今回から、ウォームビズの話に戻ります。
ウォームビズを成功させるためには、どうすれば良いのか。
ウォームビズは、クールビズ以上に厄介なので、前回も併せて読み進めてみてください。

クールビズよりウォームビズは厄介

クールビズの最大の難点は、地位を表現しないということにありました。
前回、私はこうまとめました。

高級かりゆしが、閣議の椅子以上に地位を示すと我々が思えた時にやっと、口先だけの寝言でないクールビズが定着した状態となる、ということになるのでしょうね。

前回からの引用。

詳しくは前回を参照ください。

しかしながら、ウォームビズは、クールビズとは違い、地位を表現できるのです。
小田嶋隆さんの所感を引用します。

 結論を述べる。
 スーパークールビズを成功させるためには、なんとかして序列を持ちこまなければならない。
 たとえば、ダンヒルのアロハだとかバーバリーの短パンだとかを大々的に流通させる。カジュアルのブランド化。文春の広告特集とかがやっているアレだ。ヴィトンのスニーカー6万5000円だとか。悪い冗談みたいに見えるが、あれはあれで案外現実的なのかもしれない。

コラムニスト小田嶋隆の日録ページより引用。

ダンヒルのアロハだとかバーバリーの短パンだとか、というのは、所謂変化球です。
ダンヒルはスーツだとかバーバリーはコートだとか、ビジネスウェアこそが本命ド直球です。

ウォームビズは、スーパークールビズとは違い、なんとかして序列を持ち込む、なんて必要が一切ないのです。
寒冷な階級国家イギリスの伝統的な服をそのまま持ち込む「だけ」で、ウォームビズは大成功したはずです。なのにウォームビズは大失敗でした。
何故なのでしょうか。

イギリスにウォームビズは無い?

ウォームビズを成功させるためには、イギリスのこれを取り入れてはどうか、と模索するために、イギリスのウォームビズを調べてみました。
「スーツの本場イギリスでは云々」と述べていくためです。

見つかりませんでした。

ジョンソン元首相、トラス前首相、スナク首相、誰一人ウォームビズなんてしないのです。

クールビズは見かけました。
首相ではないですが、ブレグジットの時の庶民院(下院)で、ノーネクタイの男性を見ました。
2017年6月に、ネクタイ着用義務の廃止があったようです。

一方でウォームビズは、本場イギリスから何々を取り入れたら良いも何も、元々無さそうです。

何故かフランスだけ

イギリスのウォームビズが見つからなかった私はG7各国のウォームビズを探しました。

マクロン大統領のタートルネックだけでした。

2017年7月、フランス国民議会は、ジャケットとネクタイ着用の非義務化を採択しています。
奇しくも、ネクタイ着用義務の廃止がイギリスであった翌月のことです。

5年後の2022年に、マクロン仏大統領がタートルネックを推進するのと無関係では無いようです。

フランスは19℃以下の場合にのみ暖房をつける、という省エネ政策に踏み切っています。大統領がタートルネックを奨励するのもその一環です。

ウォームビズを成功させるためには

ウォームビズを成功させるためには、どうすれば良いのか。
ここまで調べてきてわかりました。

第一に、英仏のように、国会の服装改革を行う。
第二に、仏のように、19℃以下の場合に限って、暖房をつける。

この二つを実行することで、ウォームビズを成功させることが出来そうです。

日本の場合は、まず暖房を消すこと、その上で、永田町のありとあらゆる場所に温度計を設置すること、この2つが必要となるでしょう。

「暖房は室温20℃」などというから形骸化するのです。
19℃以下になるまで絶対消す。
ここまでしないと形骸化ですね。

リンク

小田嶋隆さんの全文のリンクは以下になります。

マクロン大統領のAFP通信の記事はこちらです。

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